変換をスペースキーで行う必要はない:仮名としての変換キーの提案
スペースキーは変換用のキーではなかった
そら(名前からして明らかに)そう(空白入力のためのキー)よ。
元々は変換キーで変換していた、というか変換キーは変換のためのキーだ。
大変わかりやすくて結構なことだが、これはこれで、頻度とキーのデカさが釣り合っていない。
試験的に変換にスペースを使わないキーバインド(winなら変換キー、macならctrl+iで変換、候補選択は矢印キーと数字)を試してみたところ、スペースの使用率がタブと同程度の1.7%まで落ちた。そりゃそう。多いのは変換であってスペースではない。 https://t.co/oCXfAhyNr8
— ラクダエン (@catfist) July 25, 2025
n=1だが、ざっくりキー入力集計結果(このツイートは母艦Windowsでの集計で、MacBookでも同様に集計した
スペースは全体15位
上にいるのはバックスペース、エンター、アルファベット12文字
すぐ下が↓←
矢印キーの多くをアルファベット1文字キーバインド(Vimium等)で代用している
「方向キー」のほうが多そう
キー入力全体に占める割合は約3%
バックスペース、エンターの半分ほど
IMEのキーバインドで変換操作をスペース以外に変更した場合、約半分に低下する
その場合は23位タブとほぼ同格
アルファベット2文字と↑以外の矢印キーに抜かされる
つまり、スペースキー打数の約半分が変換であり、「変換」「空白」「タブ」はだいたい同格という結果だ。
僕はそこそこスクリプトとかMarkdownとか書くので、文章としての空白入力はもっと少ない。インデントと「!?」の後くらいしかないから当たり前だが。
それをそのまんまキーのデカさにすりゃいいってもんでもないが、スペースが変換の倍以上でかいのは、日本語入力用キーボードとしてはおかしい。スペースキーで変換して、変換キーで空白入力したっていいくらいだ。
そもそもスペースキー(スペースバー)がクソでかいのは、単語区切りに毎度スペースを入力する英文欧文仕様に過ぎず、和文では全くでかい必要がない。
半端にデファクトスタンダードを踏襲した結果、変換操作はスペースキーに奪われ、変換キーは化石化した。
自作キーボード
レイアウトが自由な自作キーボードでは、クソデカスペースキーを付ける必要はない。
そもそも長時間使用では分割キーボードが合理的であり、ならばそんなものをつけるべき場所もない。クソデカスペースキー自体が不合理である。
とはいえ、小指にはきつすぎるし、頻度的に結局親指クラスタに置かれるのが普通ではある。
が……
独自論理配列
ここでは、アルファベットを含めた、「どの物理キーにどの機能を割り振るか」という話全般を意味する。
QWERTYも、Dvorakとかの既存代替配列も使用せず、1から作るなら、人差し指か中指の良いところにスペースを割り振ることは可能ではある。
また、コンボという手もある。sとpを同時押しするとスペースみたいなことだ。
人差し指+中指のいいコンボ、qwerty的に言うとjk,mk,jiあたりは、親指単打より「近い」感覚さえある(誤打リスクはあるが)。
僕は長らくこれで、結構おすすめはできるのだが、人差し指中指の単打より使ってるコンボというのも相応の扱いとは言い難い。
親指には同時押しキー
フィンガーには、バックスペースエンター以外に有力なキーを与える余裕はない。では親指はどうか。
「英語キーボード」で、スペースがバカクソ多いのにフィンガー好位置でないのは、全てのアルファベットから連接しやすいようにだろう。
だが、この特性はもっと他のことに活かすべきだ。同時押し、つまり修飾キーのために。
スペースは順次に押せばいいが、修飾キーは他のキーと同時に押さなければならない。他のキーと同時に押しやすいのは親指だ。
とはいえ、修飾キー同士も同時押しが必要だから、僕は「両手に横並び」が合理的だと考えている。
で、「互いの同時押しが(必ずしも)必要ない同時押しキー」が、キーボードのレイヤーとかな入力のシフトで、親指の使い道はこのどっちかがベストだと考える。そして、どっちかでも親指が持っている場合、さらにスペースを乗せるのは頻度的に相当厳しい。
仮名としての変換
変換したいタイミングはある程度決まっている。典型的には助詞の後だ。そこも単語終わりにスペースが入る英語と違うところで、フィンガーに変換が入っていても悪運指を減らしやすい。
つまり、「変換」は仮名(ローマ字系なら子音・母音)の一つとして配列に組み込むのがいいではないか。
要するに、日本語入力中にhを押したら変換キーとして扱うみたいな話だ。大抵のリマッパーはモードチェンジはできるので、こういう事もできる。
これならめちゃくちゃいいところに変換キーを置けるし、日本語入力中以外はアルファベット(や記号)として扱えるので邪魔にもならない。
それならスペースキーそのものをイイトコに置けばいいじゃないかという話にもなるが、
「変換」と「空白入力」を合わせてもバックスペースエンターには到底及ばない。アルファベット上位クラスっつっても全体12位だから、どのみちそれほどいいキーは与えられない。フィンガーのつよキー順で行くと、
このへんかなー。アルファベットの打数がローマ字相当だから、かな入力ならこれより減る。その場合、スペースが10位くらいになる可能性はあるが。
しかし、アルファベットをqwertyでいうt,yに押し込めることになると、文章入力の運指設計が相当難しくなる。むしろ、特殊キーの3位以降は、いかに打数を減らすかが肝要だと考える。
その意味で、スペースキーを「変換」と「空白入力」に分割すれば、打数を一気に半減させ、変換キーのほうは日本語入力に組み込むことができるので、有力な選択肢と言えるのではないか。
スペースで変換するデメリット
ないでもない。
フリック入力でアルファベット入力するとわかるが、確定しないと空白入力ができないことだ。僕がフリック入力のアルファベットをあんま好きじゃない理由もこれ。
前述の通り、日本語入力で空白入れる機会は多くないが、句読点変換を使う場合、Google日本語入力等では「!?」でも変換することができる。つまり、変換中に空白入力したい状況が結構発生しうるのだ。
変換キーで変換するメリット
「必要のないときには存在しないからキー配置を最適化できる」以外にもあるにはある。「変換」と「空白入力」を区別できることだ。
つまり、「変換」をトリガーとして何かをすることができる。変換開始と同時にVimキーバインドにして、確定かキャンセルで抜けるとか。
まとめ
リマッパー使うなら変換は仮名に混ぜちゃえばいいんじゃねえの。
この記事はメビウス式で書きました。
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