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かな入力メソッド「メビウス式」の紹介

概要

メビウス式は、いわゆるかな入力配列(日本語入力メソッド)の一種です。

  • 薙刀式系のかな入力を中核として、

  • バックスペース・エンターを中指単打にして、

  • その結果色々あった

感じ。

メビウス式モジュール

バックスペース・エンターを中指単打にすると、キーボードの根っこに近いところから変更する必要があります。

全体像は膨大なので、小分けにして説明します。

メビウス式・ベースキーマップ

最小限のキー数は32キーです。(小書きのために左右にShiftが必要)

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ベースキーマップ

最大の特徴は、左右中指に配置されたバックスペース・エンターキーです。全キー中でも突出して打数の多いこの2キーを、快適に打つことができます。

バックスペースが奥、エンターが手前にあることで、とっさの修正に対応しやすく、次のサイクルのスタートが切りやすくなっています。
この2キーが中指にあることで、運指に制限の多い中指シフトを避けながら、親指・人差し指の負担を軽減しています。

アルファベット配置はまだ暫定。左右割り振りとヒートマップ均しただけ。あと考えなきゃいけないのが、

あたり。

メビウス式・かな入力

仕組み自体は薙刀式とほぼ同じです。

  • 単打には頻度の特に高いかなが割り当てられています

  • 左人差し指でかな漢字変換ができます

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単打かな
  • 親指(Shiftキー)と同時押しでマイナーかなを入力します(面シフト)

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シフトかな
  • 赤キーと同時押しで濁音、黄キーと同時押しで半濁音を入力します(濁音シフト・半濁音シフト)

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濁音
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半濁音
  • 1文字目のキーと2文字目のキーの同時押しで拗音を入力します(拗音合成)

    • Shiftは不要です

    • 外来音も同じです

    • 更に濁音・半濁音キーの同時押しで拗濁音・拗半濁音を入力します

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し+よ=しょ
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ふ+あ=ふぁ
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し+゛+よ=じょ
  • 左Shiftキー+右Shiftキーと同時押しで小書きを入力することもできます

  • 「!」「?」などの記号も同じ方法で入力できます

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小書き+記号
  • 濁音・半濁音シフト、拗音合成は押し順不同です(相互シフト)

  • 以上すべての拡張入力は連続シフト可能です

    • 「し」「゛」押しながら「よ」2打で「じょじょ」

拡張2ストローク入力

「,」(カンマ)「.」(ピリオド)を利用した拡張入力があります。

  • 「,」前置で記号入力

    • 「,」「h」→「↑」など

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,前置
  • 「あ~お」「ん」に「,」後置で濁点付与

    • 「あ」「,」→「あ゙」

  • 全かなに「.」後置で1文字カタカナ置換

    • 「あ」「.」→「ア」

指バランス

kouy氏による100万字統計に、特殊キーの自前統計を加えたヒートマップが以下。濁音・半濁音シフトの負荷も考慮。

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かな入力ヒートマップ

バックスペース・エンターの中指配置により、親指シフト系でありながら中指負荷が高く、人差し指とほぼ同等。マウスクリック等で酷使されがちな人差し指の負荷を軽減します。

メビウス式・かな漢字変換

先述の通り、かな入力の1字分を使い、人差し指単打で変換開始という特徴的な操作を実現しています。

更に、変換中は文字キーの単打だけで全操作が可能です。

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変換キーバインド

通常は、次の文字を入力することで未確定のテキストを確定することができますが、キーバインドが定義されている文字については確定するまで入力できません。「確定→次入力」が基本です。

メビウス式・レイヤーキーマップ

32キーで完結するかな入力を活かすには、記号類も32キーで完結すべきです。
しかし、メビウス式はかな配列に括弧等を組み込んでいません。だってそういうのは日本語入力以外でも使うから。
キーボードのレイヤー機能により、かな漢字変換と合わせて配置します。

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修飾キー及びレイヤーキー
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レイヤー1
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レイヤー2

Mod-Tapと拗音合成がバッティングしてない?

してる。

QMK前提で話すると、いちおうIgnore Mod Tap Interruptを有効にすれば、

  • Tapping Term未満の同時押しはタップだから拗音合成

  • Tapping Term以上の同時押しはホールドだから修飾キー・レイヤーキー

ってことで打ち分けは可能。

どう考えたってどっちかを捨てるべきなんだが、どっちも捨てられなくて煩悶中……

メビウス式・キーボード

メビウス式のキー配置は、

  • 32キー+α程度のキー数

  • 小さな力で押せる(動作圧30g以下)のキースイッチ

  • オールコンベックスキーキャップ

  • 格子配列(オーソリニア)

のキーボードを想定しています。

というより、「容易にブラインドタッチできて疲れないキーボード」が上記のようなものなので、それに合わせて設計されているのがメビウス式です。

使用キーが少ない以外で、上記の条件を想定した配置上の特徴を挙げると、

  • 斜め連接

  • 同指連続

の積極的な活用が挙げられます。

実装

あらゆる日本語入力メソッドがそうであるように、メビウス式の本体はルールであり、特定のプラットフォームには依存しません。

今のところ、僕自身は、

の組み合わせで実装しており、これはWindows/macOS/Linuxで再現可能です。

ベースキーマップとレイヤーはプログラマブルキーボードならどうとでもなるし汎用性もないので、本記事でGoogle日本語入力とkeymapperの設定ファイルを配布します。導入すればすぐ試せます。

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