「好きな本を読み考えられる」時代感じて 長野県立図書館で戦後80年の特別企画展

旧文部省などから読書会に推薦された本が並ぶ企画展

 県立長野図書館(長野市)は25日まで、戦後80年特別企画展「読ませなかったものと読ませたかったもの戦時下における『読書指導』を通して『知る自由』を考える」を開いている。戦時中に挙国一致の方針に従って読書を推進した「読書指導」に着目し、所蔵する関連資料など約300点を展示。「読書指導」に注目し展示する初の試みで、図書館が特定の本を薦めることで「知る自由」を制限した自らの歴史を省みている。

 同館は戦時中、地域の他館を指導する中央図書館として国の意に沿った本を紹介。労働者や青年会に読書を指導する組織「読書会」を展開した。

 企画展では、日中戦争が始まった1937(昭和12)年に館報で紹介した、一般向けに戦局を解説する本を展示。沓野村(現山ノ内町)での読書会の活動内容が分かる資料もある。言論や思想の統制、検閲に関する資料も展示。33~41年の「出版物差押通知接受簿」は、旧内務省から図書館側に処分を伝えた記録だ。

 館長の森いづみさん(56)は「検閲も読書指導も、正反対のようで読ませる側の論理が働いている点で同じ」と指摘。「知る自由は誰かの意図で制限されるものではない。全てをアクセスフリーにすることをこれからも担いたい」と決意を新たにした。企画した槌賀(つちが)基範さん(53)は戦時下の状況の紹介だけでなく、現代社会へのメッセージも込めた。「今と違って自由に本が読めない時代があった。好きな本を選んで読み、じっくり考える自由を確認してほしい」としている。

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