読書に挑戦するみくのしんさんと、隣で手伝いをするかまどさんの読書体験記を収録した『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』。続編の本作では、国語の教科書に挑む。
今回は『やまなし』『少年の日の思い出』『山月記』『枕草子』の4作品に挑戦した。前作同様、実況形式で2人の会話も楽しみつつ、名作の原文も楽しめるというスタイルだ。
なぜ教科書に挑戦することになったのか。みくのしんさんが『山月記』(中島敦/箸)に挑戦したことが始まりだった。漢文調の文章に苦戦し、楽しく読み切ることができなかった。読書への苦手意識が再燃してしまった姿を見て、かまどさんは「国語の教科書を読んでみては」と提案した。
読書実況をしながら、4作品に全身全霊で挑む。前作同様、喜怒哀楽を全開にしながら読み進める様子は、読み手に刺激と新鮮さを与える。隣で見守るかまどさんのツッコミもキレキレだ。2人のほどよい距離感から生まれるやりとりにも注目だ。
各作品の読了後につづられた感想文では、みくのしんさんの感性の豊かさが発揮されている。『枕草子』の回では、単語そのものは分からなくても、持ち前の感性で突破していく。彼の柔軟な視点は、われわれ読者にも「なるほど、こういう解釈もあるのか」と新しい発見を与えてくれる。
私がこの本を読んで得たのは、「読書=黙々と1人で読むこと」という固定概念から飛び出す勇気。声に出して、絵を描いてもいい。誰かと一緒に話しながら読んでもいい。本の読み方は無数にあるのだと気づかされた。(大和書房/1760円)
(コンテンツ部 池田知恵)




