堀口英利氏の「似顔絵を描いたアカウントに対する仮処分命令の申立て」について思ったこと

はじめに

堀口氏についてのNoteは初めて投稿するが、堀口氏の人物像については本記事を閲覧する方々への改めての紹介はしない。
またこの記事では堀口氏の経歴や人物像については否定も肯定もしない。
タイトルの単一の事象について思ったことを書いた投稿である。

各自、TwitterやNote、その他ブログ等の記事を読み「堀口氏に対する自分自身の見解」を持って頂きたい。その心証は自由で貴方自身のものであるが、それに基づいた発言の責任は全てご自身にあることを肝に銘じてほしい。(要は誹謗中傷はすんなよってことです)

堀口氏の情報開示請求について

堀口氏はここ数か月の間に、Twitter、youtube、Note、その他ブログの投稿者についての開示請求を行っている。
※ここではその手法や手続きの名称は大雑把な表現にしている。外野で分かる範囲で「いろんなとこにIP開示するよう命令しろ」って裁判所に書類を出してることが伝わればよいと思い「開示請求」という言葉にしている。

直近で似顔絵のアカウントの開示請求を行ったとのTwitterおよびNoteへの投稿があった。

堀口氏のnote記事で度々あった誹謗中傷の文章(ツイート、コメント)ではなく、今回は画像である。この訴えはかなり無理筋ではないだろうか。
※個人的な感想なので、こうあってほしい、こうあるべきだということではないことを断っておく。

名誉感情の侵害に照らし合わす


名誉感情侵害には違法性阻却事由はありません。
ただし、プライドが傷ついたとして裁判を乱発されては困りますから、名誉感情侵害となるかの判断は以下のような様々な事情を考慮します。
投稿内容
前後の文脈や投稿に至る経緯
投稿方法(回数や頻度、期間、投稿したサイト)
動機や目的
当事者間の関係 など

上記の考慮要素をもとに、社会通念上許される限度を超える侮辱行為と言えるか、つまり常識的な範囲を超えた人格攻撃かどうかで名誉感情侵害の成否が決まります。

https://sakujo.izumi-legal.com/column/chishiki/meiyo-chigai
弁護士法人 泉総合法律事務所

とのこと。

このイラストのほか容姿への誹謗中傷のせいで、どんどん自信を持てなくなります。

と本人が言っているのでプライドが傷付けられたのは確かだろう。しかし、

ただし、プライドが傷ついたとして裁判を乱発されては困りますから、名誉感情侵害となるかの判断は以下のような様々な事情を考慮します。

https://sakujo.izumi-legal.com/column/chishiki/meiyo-chigai
弁護士法人 泉総合法律事務所

とある通り、プライドが傷ついた、だけで名誉感情の侵害は認められない。
故に考慮する要素に当てはめていく。

投稿内容

この単一の、似顔絵と一緒に投稿された文章を前提知識が無い人間が見た場合、投稿の趣旨は不明であろう。

前後の文脈や投稿に至る経緯

この似顔絵の投稿主のツイートは
・暇空茜氏のWBPC問題に関するツイートのRT
・小林の怒り氏を賞金首としたコラ画像(堀口氏の示談金に関する投稿)
・この似顔絵
の3ツイート、いいねも無し。
これらの投稿も堀口氏への具体的な人格攻撃には当たらない。

投稿方法(回数や頻度、期間、投稿したサイト)

Twitterで単発。長期間の付きまといや誹謗中傷を行った事実はない。

動機や目的

明確ではない。
ハッシュタグに「小林の怒り」があったとしても、
・小林の怒りに賛同して堀口氏を叩く目的で描いた(誹謗中傷目的)
・小林の怒りで話題だから便乗して描いた(投稿主の承認欲求)
・小林の怒りには批判的で堀口氏を応援するために書いた(堀口氏の味方)
と、推察ならいくらでも可能であり、その動機や目的を確定できるまでの情報は無い。

当事者間の関係

無関係。(と思われる)

常識的な範囲を超えた人格攻撃かどうか

この似顔絵、デフォルメ調でスーツ姿、腕時計をした堀口氏が腕組みをしている。全身ではなくウエストショットで切り取られてる。表情は、シニカルな笑みを浮かべており、全体的にTwitterでの投稿内容(皮肉をよく使う)を映したような完成度の高いものだと感じた。
上記の感想の通り、この似顔絵を前提知識が無い人間が見た場合、似顔絵自体の評価(似てる/似ていない、上手い/下手など)をするのであって、堀口氏の内面および外面に対する評価はしない。よって堀口氏の社会的評価を低下させるものではないし、名誉感情が害されるとは言えない。
故に、この似顔絵およびその前後のツイートで「常識的な範囲を超えた人格攻撃」とするのはかなり無理があるのではなかろうか、と思う。

※ 例えばここにTwitter上で言われている身体的特徴を表す描写(大きい人物の間に挟まれる姿)や「友達がいない」ということを表すような描写(独りぼっちを示すような姿)や、個人の趣味を揶揄する表現(軍事兵器の玩具で遊ぶ姿)、知性を感じさせないような表情(鼻水を垂らすなどの姿)があれば「常識的な範囲を超えた人格攻撃」と裁判所に判断されるかもしれない。

以上より私的結論

Twitter上で単発投稿、出来立てのアカウントで堀口氏への誹謗中傷ととれる文章の投稿が無い、似顔絵もデフォルメを効かせてはいるが、堀口氏の何かを揶揄するような部分も無い。
なのでこの似顔絵は、ネット上に堀口氏本人がアップしている堀口氏の写真で描かれたものであり人格攻撃とは言えない。
と私は思う。

また、堀口氏は別の引用RTでも、

付いているリプ欄も名誉毀損や名誉感情侵害になり得るものが複数あります。

とのように、リプ欄の別のツイッターアカウントの投稿も問題視している。
ただリプ欄については、この似顔絵を見た個々人の心証を文章として投稿したものであり、責任はリプ欄の個々人である。それを似顔絵の投稿主に対して責任を求めることを開示請求の理由にするのであれば、やはりこれも筋違いと私は思う。

肖像権については…

上記の堀口氏の引用RTにて、「肖像権の侵害」であることは明らかだとの旨の発言があった。
似顔絵にも肖像権はある。
が、肖像権(人格権)の侵害は最高裁の判決にて以下の通りとされている。

最高裁第1小法廷平成17年11月10日判決は、は「人の容ぼう等の撮影が正当な取材行為等として許されるべき場合もある」と指摘しました。
そのうえで、本人の承諾なく容貌等を撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは、以下の事情を総合考慮して、「人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである」と示したのです。

以下が、その考慮要素です。
被撮影者の社会的地位

撮影された被撮影者の活動内容
撮影の場所
撮影の目的
撮影の態様
撮影の必要性等

また、同判決は、写真が被撮影者の容貌等をありのままに示したものであるのに対して、イラストはその描写に作者の主観や技術が反映するものであり、おのおのそのことを前提とした受け取られ方をするという違いを指摘しました。
そして、「イラスト画を公表する行為が社会生活上受忍の限度を超えて不法行為法上違法と評価されるか否かの判断に当たっては、写真とは異なるイラスト画の上記特質が参酌されなければならない」と示したのです。

https://chiba.vbest.jp/columns/general_civil/g_lp_indi/6783/
弁護士法人VERYBEST

単純に「似顔絵を描かれた」=「肖像権の侵害」ではないことに注意が必要で、その判断は「名誉感情の侵害」に近い印象を持った(人格的利益の侵害)。
肖像権についてはここまでとするが、法律の素人から見ると、名誉感情の侵害と同様、今回の似顔絵で開示請求をする理由には厳しいと感じられた。
イラストの肖像権については、下記のような裁判例(最高裁)があり、今回のような「腕組みをした立っているだけの似顔絵」では肖像権の侵害は認められないのではないかと思われる。


参考情報(ねこぴ氏のNote記事)

原告が福永活也氏、被告がねこぴ氏の名誉権侵害、著作者人格権、著作権侵害、著作権、プライバシー侵害に対する損害賠償請求等の訴訟である。
結果は原告請求棄却、裁判費用原告負担であった。
私の感想を言えば「少なくとも煽りとか嫌な絡み方はしてるように見える」のだが、それが損害賠償を払うに値するかは裁判所判断である。
このレベルで棄却となるのなら、似顔絵は推して知るべしと思った。

さいごに

繰り返しになるが、これは法律の素人から見た感想である。
文章による誹謗中傷でも「●●ということを意味するものではない」など反論が出され認められることもあるのが裁判なので、明示されていない「似顔絵の意図」や「それを見た心証」のような、主張はすれども証明手段が無いことを根拠として権利侵害を訴える裁判は、起こすこと自体が難しいのではないだろうかと思った次第である。でもこの辺りは弁護士の知識や経験でどうにかする話なのかな、と。

大前提として、
・外見に対してからかいの言葉を並べる行為
・家庭環境、学歴、職歴を馬鹿にする行為
・●●しろ、と言った相手の意に反した行動を命令する発言
といったネット上での個人に対する誹謗中傷は止めましょう。
リーガル的にアウト、セーフではなく、自分がやられて嫌なことを他人にするな、または嫌だったことを別の人にするな、ということです。
それらは諸刃の剣であり、ほぼ自分に返ってきます。責任を取る覚悟がある人だけがやるべきです。
まぁ責任を取る覚悟なんかしないで、そういう発言自体を辞めた方がいいとは個人的には思いますけど。

また、誰かを直接批判せず批判者に同調するだけであっても、流れ弾は覚悟すべきです。SNSというオープンな環境での発言は、それくらい危険を伴うことを理解しましょう。
(流れ弾、という表現でそれ自体は理不尽なこと、と読み取っていただけるとは思いますが)

追記:
えらいインプレッションに欲が出たので、投げ銭が欲しくなりました(正直)
面白いと思ったら、ぜひ。



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  • 2本

コメント

2
ねこぴ
ねこぴ

引用ありがとうございます。
わたしのケースだと、
原告自身が普段から挑発的な態度を取り、準備書面でさえも暴言を吐き、さらに期日での態度も最悪、という有様だったので、裁判所も見兼ねて棄却にしてくださったんだろう、と推測しています。
他の弁護士さんに同じことをして訴えられたら、いくらかは認められた可能性はあると思いますね…

なつき
なつき

お返事遅くなり申し訳ございません。
コメントありがとうございました。

「名誉感情の侵害」というお気持ち部分は裁判官も判断に苦労するのではと思いますが、原告、被告の関係性(ネット上で喧嘩している、裁判内でも喧嘩腰)という点で、一方的な名誉感情の侵害は認められなかったのでしょうかね。

どちらにしても、私も訴えられないよう、文章には細心の注意を払っていきたいと思いました。

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