ゼレンスキー氏「ロシア軍に新たな攻勢余力なし」 激戦地でウクライナが一部反撃

ウクライナのゼレンスキー大統領=パリ(ロイター=共同)
ウクライナのゼレンスキー大統領=パリ(ロイター=共同)

ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ウクライナ軍が露軍の夏季攻勢を失敗に終わらせたとし、多大な損害を被った露軍にはもはや新たな大規模攻勢を仕掛ける戦力は残っていないとする認識を示した。ウクライナの首都キーウを訪問した欧州連合(EU)欧州議会のメツォラ議長との会談後の共同記者会見での発言を現地メディアが伝えた。

ゼレンスキー氏は、露軍が夏季攻勢での攻略目標として、ウクライナ北東部スムイ州▽東部ドニプロペトロウスク州▽東部ドネツク州ポクロウシク▽南部ザポリージャ州-の4方面を選んだと指摘。いずれの方面でも露軍は多大な人的損害を出したとし、「露軍には現時点で大規模な攻撃作戦を行うための戦力は残っていないだろう」と述べた。

最激戦地の一つであるポクロウシク方面では現在、露軍の優勢が続いているものの、ウクライナ軍部隊や同国の有力軍事メディア「ディープステート」によると、ウクライナ軍が一部の集落を奪還するなど一定の反撃に成功している。

また、ウクライナ軍報道官によると、東部ハルキウ州の激戦地クプヤンシクでは最近、露軍部隊が天然ガスパイプラインの内部を通って同市北部に侵入したものの、程なく察知したウクライナ軍がパイプラインに水を流し込み、パイプラインを使用できなくした。ウクライナ軍が現在、市内に侵入した露軍部隊の掃討作戦を続けているという。

ウクライナ軍は2023年の大規模反攻の失敗後、守勢に転換。防衛線を守りつつ、攻勢を維持できない水準まで露軍に損害を与えようとする戦術を進めてきた。同時に露国内の製油施設を長距離攻撃で損傷させ、ロシアの継戦能力を低下させる作戦も展開している。(小野田雄一)

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