ハンターハンター(HUNTER×HUNTER)考察 ガス状生物アイについて
厄災のうち、メビウス湖上部が右からパプ、ブリオン
下部が右からヘルベル、アイ、ゾバエ病である。
この表はハンターハンター33巻で確認してもらうとして、まずゾバエ病について
これはアイが生み出した病ではないかなと思う。ゾバエ病はおそらく「完全に不死身となるが、完全な不死身とは何も消化できず(胃が拒絶して吐いてしまうから飲み食い不能)、成長もせず肉体が変化することもなく(鍛錬したり、知識を増したりもおそらく不可能。新しく物を覚えることができないですぐ忘れる)、しかし飢えや乾きはあるので、胃が拒絶しない自分の血を啜るしかないという病だろう。ゾバエ病は繁殖力がB2(条件を満たすと爆発的に増殖)なので、きちんと伝染病なのだろうが。
さて、この意地の悪い設定を聞いたときに「猿の手」を連想しなかったろうか?願いを叶える万能の願望機でありながら、意地悪くしか願いを叶えないという猿の手を。
ゾバエ病は猿の手に「不老不死にしてほしい」と願った時に与えられる伝染病っぽくはないだろうか?または神に不老不死を願ったら「木」にされる逸話を僕は思い出した。
欲望の共依存「アイ」について。アイは恐らく、カキン王族ホイコーロが生み出した蠱毒をもっと極めたような、究極に念を極めた種だと思う。たとえるなら、ファーブルが魅入られた「イモムシを長期保存する能力を手に入れたジガバチ」のように、「凶悪すぎる新大陸で生存していく力として、欲望を糧にした最強クラスの念能力を手に入れた」種ではないだろうか。
リスキーダイスは「チャラになるほどの不幸」としか記述されてないので、本人だけがその不運を受けるのかはわからないが。5%で破滅するだけで、Aランクカードまでは手に入るのだからかなりの好条件だろう。
では、このリスキーダイスに細工をして、大凶の目がでないようにして振ったらどうなるだろうか?
こう、思ったのではないだろうか。「大吉の効果が発動しない」または「イカサマの代償として強制的に大凶が出る」または「細工を無視して1/20で目が出る」
おそらく「出た目の効果が発動せず、リスキーダイスが砕け散る」くらいが妥当じゃないかなとは思う。
話を戻そう。「制約と誓約」に限らず、「念能力」は何らかの判定基準がある。大切なものを捧げたり、厳しい条件狂気に身を委ねたときにとても強い能力が発現する。
おそらく「アイ」の願いをかなえる能力も、相当な「制約と誓約」があるはずだ。
仮説の結論から言おう。「アイ」という種が手に入れた能力について。
キルアの認識しているルールはこう(連続不可とか細かいルールは省く)
・「お願い」は「おねだり」で返さないとならない
・「おねだり」を返せないと「お願い」の重さに見合った報いが有る
・「癒やすお願い」は「おねだり」はされない
・「命令」なら「おねだり」はされない
俺はこういうルール、というか真のルールがあると思う。利己的(自分のための願い)か利他的(他人のための願い)かが鍵だろう
・「利己的なお願い」は「おねだり」で返さないといけない
・「利他的なお願い」は無条件に叶う
・「利己的な命令」は「猿の手」形式になり破滅させられる
・「利他的な命令」は無条件に叶う
・このルールに気づいた人間は願う事ができない
ミルキのお願いは「オレの代わりに」と「利己的な条件が明文化されている」
「依頼した◯◯のために」やただ単に「こいつやって」なら、「依頼者のための利他的願いとなるから、わざわざ「オレの代わりに」と入れたのじゃないだろうか?
願うときにいちいち「オレの代わりに」といれるのに違和感がないか?普通は「あいつ死なせて」で終わりだろう。「オレの代わりにギャルのパンティとってきておくれ」ではなく「ギャルのパンティおくれ」だろう。
これはただの仮説と願望のようなものなのんだが、「破滅のリスク」は「その本人がうっかり踏む状態でないと」成立しない。
「命令ならば無条件だと思い込み、ルールを理解しないまま利己的な願いをしてしまったときは猿の手方式で破滅する」ならば、願うたびにダイスを振っていることにならないだろうか。しかも、「利己的に願ってはならない」というリスクは相当にでかい。万能の願望機を与えられて、利他的に願い続けられる人がいるだろうか?
「アイ」はあの新大陸でも生き抜けるAランクの危険生物だ。寄生先に選ぶ条件は、まずは「強いこと」。これがゾルディック家が選ばれた理由だろう。ただ、これならば、ゾルディック家ではイルミやシルバのほうがキルアよりも圧倒的に強い。キルアが選ばれた理由とは何か?それはキルアが「利他的」であったことではないか。願いが叶えられるとしっても、高い高いしてでリセットするだけ、願いを叶えることに興味がない。それでいて、唯一アルカを家族だと認めている。シルバはナニカのことを「アルカに取り付いた怪物」だと認識している。
ミルキは「パソコンを出したり、自分の代わりに仕事をしてくれる便利な道具」、イルミは「野望を叶えるための鍵」くらいの認識だろうか。
「イルミを飛ばせ」は優しいお願いだ。自分たちを付け狙うイルミを傷つけず、妹を守るために使った。これはきっと利他的と見做されたのだろう。
そもそもキルアはあまり利己的な欲望を持たない。自分の人生を他のものに頼らず、自分の力で生きようと考えている。だから、「アイ」はキルアを寄生先に選んだのではないだろうか。自分を守るため「利他的」にだけ願いを使うキルアを。
ここでゾバエ病の話に戻ろう。ゾバエ病は、ビヨンドがメタリオンを採取しにいったメビウス湖南部にあった病だ。”隣には「アイ」がいる。ゾバエ病は、「不老不死にしろ」と利己的に命令したアイの犠牲者が生み出した、希望を騙る底なしの絶望ではないか?
これが今回の仮説だ。
ところで新大陸のことを「人類の戻る場所」として認識している。つまり、キメラアントのように人類もまた、新大陸からメビウス湖に逃れた生物であると、たとえば人類の祖先となる生物の化石が存在しないとか、地層的に完全にミッシングリンクで、ある時から急に類人猿が流れ着き広まったとしか思えない、そんな研究結果がでてるのかなと思った。



コメント
1西側にはどんな厄災があるのかなあ