広島「原爆ドーム」が特別史跡に正式に指定 近代の史跡で初
世界遺産に登録されている広島市の原爆ドームが、国の史跡の中でも学術上の価値が特に高い特別史跡に、18日付けで指定されました。
明治時代以降の近代の史跡では初めてです。
原爆ドームは、今から110年前の1915年に「広島県物産陳列館」として建設され、爆心地からおよそ160メートルの至近距離で被爆しました。
内部は爆風と熱線で全焼しましたが奇跡的に倒壊を免れ、原爆の惨禍を伝える被爆建物として1996年に世界遺産に登録されました。
ことし6月、国の文化審議会は、▼現在もなお被爆当時の姿をよく保っていて、▼人類史上初めて投下された原爆の惨禍を示す象徴的な存在であることがより明確となったなどとして、特別史跡に指定するよう、文部科学大臣に答申していました。
広島市によりますと、明治時代以降の近代の史跡では初めてとなる特別史跡に、18日付けで正式に指定されたということです。
広島市文化振興課は「今回の指定は、被爆の実相を国内外に伝える大きな後押しになる。核兵器の廃絶と世界の恒久平和を求めるシンボルとして、引き続き発信に努めたい」としています。