謎のロシア短波ラジオが暗号放送、「終末装置」との見方も
冷戦期から稼働するロシアの短波ラジオ局「UVB-76」が謎めいた暗号を発信し、憶測を呼んでいる
冷戦時代から稼働しているロシアの短波ラジオ局が謎めいたメッセージを発信し、SNS上で話題になっている。 【動画】プーチン最新映像に突っ込み殺到 「機械の使い方が間違ってると誰も言えない?」「こんな付け方は初めて見た」 「終末ラジオ」とも呼ばれるこの局はUVB-76(通称「ブザー」)と呼ばれ、1970年代から4625kHzで放送を続けている。 普段はもっぱらノイズ、あるいは単調なブザー音を流すだけだが、9月8日に数字と文字による不可解なメッセージを流したため、暗号愛好家たちの間で議論が加熱している。 UVB-76は過去50年にわたって稼働を続けており、ロシア軍が運営するナンバー・ステーション(暗号送信用のラジオ局)と広く信じられているが、正式には確認されていない。 その役割は「核兵器の発射を担う終末装置の一部」とする説から、「遠隔地の工作員への暗号通信」とする見方まで多岐にわたる。 ウクライナ戦争中もたびたび放送が確認されており、今回のような発信は、欧米との緊張が高まる中でロシアの意図について憶測を呼びそうだ。
スパイ映画まがいの暗号放送
「ブザー」の通常放送は1分あたり約25回繰り返されるブーンという単調なノイズだが、今回の放送ではロシア語による数字や人名、暗号文らしきものが読み上げられた。 SNSで拡散された64秒間の録音には、男性の声で「ニコライ、ジェーニャ、タチヤナ、イワン」と読み上げる音が記録されている。これらの頭文字「NZhTI」は、過去にも同局が使用されたことがある呼出符号だと、独立系メディア「メドゥーザ」は報じている。 その後「38、965、78、58、88、37」と数字が続き、「オリガ、タチヤナ、エレナ、レオニード」と読まれる。これらの頭文字「OTEL(ホテル)」は英単語を意識した暗号と見ることもできる。さらに「軟音記号、78、58、88、37」と続いた。軟音記号はロシア語アルファベットに存在する音を持たない記号で、直前の子音を軟化させる役割がある。 SNSユーザーの中には、これらの数字が「祖国から遠く離れた誰かに向けた座標」と推測する者もいた。核潜水艦への指令ではないかという憶測もあった。 今年5月にも「NZhTI」や「89905 BLEFOPUF 4097 5573」などの暗号が放送されたが、それはロシアのウラジーミル・プーチン大統領とアメリカのドナルド・トランプ大統領の電話会談直前だった。