京都府宮津市小田宿野の旧関西電力宮津エネルギー研究所の解体工事に伴い、ゲノム編集魚の養殖場を閉鎖した京都大学発のベンチャー企業「リージョナルフィッシュ」(京都市左京区)に対し、城﨑雅文市長は8月26日、解体後の企業立地に同社が関心を示しているとし、「ラブコールを送りたい」と述べた。
同研究所は火力発電所として1989年に開業したが、2004年に稼働を停止。宮津市によると、関電や府、市が跡地を整備して企業が集積する「サステナブルパーク」での活用を目指し、8月から解体工事が始まった。
リージョナルフィッシュは生物の設計図とされるDNAの一部を切断するゲノム編集を使い、マダイやトラフグを施設内で養殖し、7月に養殖場を閉鎖した。同社は「撤退ではなく、解体工事に伴う撤去。サステナブルパークを含めて宮津市における今後の展開は現時点では確たる方針はないが、今後の状況を踏まえて検討したい」としている。
城﨑市長は記者会見で、養殖場の閉鎖について「一時的にせよ、寂しい思い」とし、「サステナブルパークに興味のある企業の一つ。もう一回来てほしい」と話した。
同社のゲノム編集魚を巡っては、宮津市がふるさと納税の返礼品に採用したため、市民から反対の声も上がっていた。