山梨学院大留学中に「性被害受けた」、カナダ人女性2人が提訴 約3000万円の損害賠償求め…東京地裁
山梨学院大に留学中、男性の教員や学生から性被害を受けたとして、カナダ人女性2人が9月19日、大学を運営する学校法人や教員、学生を相手取り、計約3000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。 【画像】被害を受けたと訴えている女性たち 原告側は「大学は被害をなかったものとして取り扱い、隠ぺいしてきた」と批判。適切な対策をとらなかったとして安全配慮義務違反などを主張している。 山梨学院大をめぐっては、今年5月、元留学生のアメリカ人女性が、ほかの留学生から性暴力を受けたとして、学校法人や相手の留学生を提訴している。 (編集部注:本文には、具体的な性暴力の描写があります。お読みになる際には十分に注意してください)
●原告女性「何度も自宅に呼び出されセクハラ受けた」
訴状などによると、原告の1人、ヒラリー・ローゼントレーターさんは18歳だった2015年、山梨学院大国際リベラルアーツ学部の留学生していた。 奨学金取得に必要な科目の習得が遅れていたため、外国籍の男性教員から集中的に指導を受けていたが、指導できる教員は他にいなかったという。 この教員は指導するなどといって、ヒラリーさんを自宅に呼び始め、身体を触られるセクハラを繰り返し、宿泊を迫ることもあったとされる。 接触を拒否すれば、テストで不当な点数をつける「アカデミックハラスメント」や、頻繁にメールで命令するなどストーカー行為に発展したという。 さらに教員は「出身国で家族に危害を加えた人物を消した」などと語り、ヒラリーさんは自分も同じような目に遭うのではないかと恐怖を感じたという。 ヒラリーさんは大学に被害を申告して、セクハラ委員会が設置されたが、「外国人同士の文化の違い」などとして、ハラスメント認定されなかったという。
●原告女性「大学は女子学生を守っていない」
原告の女性2人はこの日、東京・霞が関の司法記者クラブの記者会見にオンライン参加した。 ヒラリーさんは会見で、提訴への思いを次のように語った。 「私が学部の先生から何カ月もセクハラを受けていた当時、まだ未成年でした。 大学側は私からの被害申告を受けたにもかかわらず、私の安全やメンタルヘルスを完全に無視しました。 私はあの忌まわしい時期を思い出したくありませんし、法廷に立ちたくもありません。けれども、私の事件のあと、何人もの女性たちが教員や同級生から性暴力を受ける事件がおきました。 大学は女子学生の安全を守るための行動をまったく何もしてきませんでした。そのようなことは許されません。私は大学を許しません」