都心の廃線が36年ぶりに「開通」 旧晴海鉄道橋を遊歩道に再整備、夜にはライトアップも
配信
東京都中央区晴海と江東区豊洲を結び、かつて貨物列車が走っていた「旧晴海鉄道橋」が19日、遊歩道として再び「開通」した。平成元年の鉄道廃止から36年。歴史の雰囲気を残しつつ再整備された橋は、地元住民の散策路となるほか、新たな観光スポットとしても期待されている。 「旧晴海鉄道橋」は晴海運河にかかる長さ約190メートルの橋で昭和32年に完成。臨港鉄道東京都港湾局専用線晴海線の一部で、列車が輸入した大豆や小麦、新聞用の巻取紙や石炭など多くの貨物を運んでいた。 日本の経済成長を支えたが、自動車輸送の発展に伴い平成元年に廃止。その後は解体されず残されていたが、劣化が進行していた。都が春海橋公園内の遊歩道として再活用することを決定。工事を進めていた。 今回の整備では、レールの上にウッドデッキを敷くなどして歩道にした。数か所にガラス窓を埋め込むことで、廃線当時のままのレールや敷石の一部見られるようにしてある。橋のアーチ部分も建設当時のライトグリーン色に復元した。 豊洲に住む長田哲さん(67)は「街はどんどん発展して変わったのに、この橋だけは赤茶色に錆びたりしてて、昭和のままだった。昔の雰囲気も少し残るような形にしてくれて嬉しい」と笑顔で話していた。 夜間には白色でライトアップされ、高層マンションが立ち並ぶ晴海・豊洲地区で新たな夜景スポットとして期待されている。 小池百合子都知事は5日の記者会見で「歴史的価値もある。夜間はライトアップもされるので、ぜひ足を運んでいただきたい」と話していた。 橋のライトアップは午後7時~午後11時まで。(文・写真 鴨川一也)
- 7
- 22
- 3