自治会の集会所、無断で自販機置いたらアカン 高裁「損害18万円」

花野雄太
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 市から借りている集会所に無断で自動販売機を置くのは違法――。大阪府高槻市自治会をめぐる訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(森木田邦裕裁判長)は18日、損害賠償として自治会に18万円を求めるよう市に命じた。

 判決によると、高槻市の南大樋自治会は2015年に「集会所」として市の敷地(約212平方メートル)と平屋の建物の使用許可を得た。20年9月ごろに敷地内にジュースの自販機1台を無断で設置。市は撤去を求めたが自治会は応じず、問題視した市議が提訴し、今年2月に撤去した。

 一審・大阪地裁が自治会は自販機の設置場所も含めて「占有する権限があった」と市議の請求を退けたのに対し、高裁は自販機で収益を上げることは集会所としての用途に「明確に違反する」と判断。「自販機の土地利用の範囲はごく一部だが、範囲が小さいことをもって損害賠償責任を免れるとは解されない」と指摘し、市が自前で自販機を置いた場合に得られる収入として、18万円分が賠償の対象になるとした。

 原告の北岡隆浩市議は「主張が認められてよかった」。市は「判決内容を精査し、適切に対処する」とコメントした。

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この記事を書いた人
花野雄太
大阪社会部兼ネットワーク報道本部
専門・関心分野
調査報道、国税