幕下力士が寝坊で不戦敗 師匠は中継で解説中で事情分からず混乱 ちゃんこ後に昼寝して目覚めず
<大相撲秋場所>◇6日目◇19日◇東京・両国国技館 力士が寝坊で取組に間に合わず、不戦敗となるハプニングがあった。 【写真】寝坊で取組に間に合わず不戦敗となった幕下力士 西幕下24枚目の丹治(19=荒汐)が取組に間に合わず、対戦相手の千代虎が不戦勝になった。休場届が出ていなかったため、若者頭が東西の支度部屋を捜索。師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)がNHK中継で幕下解説を務めている時に、失態を犯してしまった。 ◇ ◇ ◇ 丹治が土俵に現れず、千代虎が不戦勝の勝ち名乗りを受けた。NHK中継で解説を務めていた荒汐親方は、事情が分からず混乱した。取組の直前、花道に現れなかったため、若者頭が東西の支度部屋で「荒汐部屋の丹治いるか~」と呼びかけたが応答なし。呼び出しが急きょ、不戦勝の幕を準備した。 そのころ、丹治は国技館から車で約7分の荒汐部屋にいた。朝稽古の後にちゃんこを食べて昼寝をしていた。異変に気づいた別の力士に起こされ、慌ててタクシーで国技館に向かった。「遅れてしまいました」と肩を落とし、審判部へ謝罪に行った。 これまでも遅刻で不戦敗になった例はあるが、午後に取組がある幕下では珍しい不戦敗となった。これで丹治は1勝2敗。その後は、若隆景の付け人の仕事をこなして、帰路に就いた。 丹治は17歳で幕下に昇進した有望株。報告を受けた高田川審判部長(元関脇安芸乃島)は「寝てる場合じゃない」と厳しく指摘しつつも「本人は悔しく、後悔しているでしょう。今後、関取に上がって活躍する力士。本人は自覚して2度とやらないでしょう」と期待を寄せた。【佐々木一郎】