【号外】兵庫県公用PC元県民局長の文書か?情報公開訴訟で証拠提出
SAKISIRU編集部は今年夏、兵庫県政の問題を取材する過程で驚くべき文書データを独自に入手した。斎藤知事を「告発」した元西播磨県民局長・渡瀬康英氏が公用PCに残したとされる文書群(以下「渡瀬文書」)と同一と思われる多数の文書ファイルだ。
兵庫県政混乱の発端である文書問題の背後にある真相解明へ、SAKISIRU側は9月18日、文書の真贋を最終確認するため、兵庫県と係争中の情報公開請求訴訟に「新証拠」として提出した。
県に確認求め行政訴訟に証拠提出
今回入手した文書ファイルのプロパティを開くと、作成者欄には確かに「渡瀬康英」と記され、所有者の欄には「兵庫県」と表示されていた。文書群には昨年3月に知事を「告発」した文書も含まれ(ファイル名「20240308告発文」)、これまでネット上で断片的に一部が公開されてきた渡瀬文書と内容が被ることから同一性は高い。
しかし万一、偽物であれば別の意味で影響を与えかねず、提起中の行政訴訟を通じて管理者である県に対し同一性の確認を求めた。
文書の最終的な真贋認定については、県の今後の回答を待つことになるが、これまでの取材から一定の信ぴょう性があること、公用PCが真相を知りたい県民の関心が極めて強いこと、本行政訴訟自体に公益性があり、多くの方々に訴訟費用のご寄付を賜ったこと等を踏まえ、あくまで裁判所に提出した「証拠品」として提出した文書をここに公開する。
渡瀬文書は膨大なファイル群で、SAKISIRUでは時間をかけてその大半を開いて確認してきた。その中で特に、文書問題の本丸である公益通報の妥当性の有無や、斎藤知事の反対勢力の動向等を検証する上で、重要な内容を抽出し、神戸地裁に以下の8点を提出した。
「感想などの携帯メモ」(甲19号証)
「クーデター顛末記」(甲第21号証)
「知事ネタ」(甲22号証)
「20220404遊びの相談」(甲23号証)
「20220404遊びの相談2」(甲24号証)
「20220506遊びの相談4」(甲第25号証)
「20220409遊びの相談3」(甲26号証)
「20220523遊びの相談5」 (甲27号証)
「20230401遊びの相談6」 (甲28号証)
これまで県議会の一部勢力やオールドメディアは、渡瀬元局長の告発文を「公益通報」と位置づけ、自死した同氏を“悲劇のヒーロー”のように持ち上げてきた。だが、今回の新証拠では、仮に本物であった場合、そのイメージを根底から覆す記述が含まれている。
特に、従来「公益目的」とされてきた告発が、実際には県政を混乱に陥れる「不正の目的」だったことを示す証拠となる可能性がある。つまり百条委員会や第三者委員会の調査が新証拠と同一、または類似の文書を、調査当時に把握していたのかどうか、把握していたのであれば、なぜ調査報告や議論に十分反映されなかったのか、不正の目的の疑いがあるにもかかわらず、「知事断罪」の一方的な結論に至ったのか、改めて問われかねない。
同様に一部の記者が入手したと噂される記者クラブメディアや週刊誌についても、斎藤知事バッシングの報道に走ったのか読者・視聴者に対する説明責任が問われよう。
本記事では、新証拠の内容を基本的に全面公開することで、県民が兵庫県政の混乱の背景を探るための議論を進めるきっかけとしたい。中身が膨大なため、今回は最大の焦点である「クーデター顛末記」と「感想などの携帯メモ」について公開する(これまでの取材を踏まえ、文書を読み解いた解説や分析については、「月刊Hanada」の11月号(9月26日発売)にて詳述している)。
クーデター顛末記
物騒なタイトルで注目された文書だが、先に入手した丸山穂高氏が昨年12月、X(旧Twitter)にポストしていた通り、5期20年務めた井戸前知事から金沢元副知事に権力を委譲する予定が、2021年の知事選で斎藤氏に敗れたことで目算が狂ったという意味合いを「クーデター」と位置付けた模様だ。
ただし、井戸前知事の影響力が残る中、斎藤知事や側近が井戸派の幹部職員と溝があったことは十分にうかがえる。以下A4版で31ページ分の「顛末記」をそのまま画像ファイルにて公開する。県庁職員や県議会議員ほか、地元メディア関係者等の名前も登場する。
感想などの携帯メモ
タイトルからしてノーマークだったが、これを開けてみると、作成者が斎藤県政に対する嫌悪感や本音をむきだしにしている。しかも「怪文書をあちこちにばらまいてみる」「リークするとする。反旗を翻す。マスコミはどう出るか 議会はどうか 味方はいるか」等の謀略を張り巡らせた記述があり、問題の告発文書を含め、多数の匿名文書をばら撒く情報工作や離間工作を行なっていた疑いを想起させる。
これが本当に渡瀬元局長が書いたものであったかどうか、県庁で保管する文書と同一であれば、県民が一連の問題の「真相」を検証する上で重要な手掛かりになろう。以下、6枚の画像ファイルを公開する。