陸上自衛隊と米海兵隊などは11日から、離島の防衛を想定した大規模な実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25(RD)」を開始した。九州、沖縄を中心に、北海道などを含めて8道県で25日まで行う。

 今回のRDは、過去最大の規模となる。内訳は自衛隊約1万4千人、米軍約5千人で、全体で約1万9千人である。日本は陸海空の各自衛隊、米国は海兵隊、陸軍、海軍、空軍が参加する。

 RDは、そもそも中国を念頭に抑止力を強化する狙いがある。2023年から3年連続での実施となる。

 石垣島では、陸自約100人、米海兵隊約50人が参加。米海兵隊の無人地対艦ミサイルシステム「NMESIS(ネメシス)」と最新鋭の短距離防空システム「MADIS(マディス)」を初めて展開する。ネメシスやマディスのほか、自衛隊の12式地対艦誘導弾も並べて、非実射による対艦・対空戦闘訓練を行う。

 九州では、日米のオスプレイ計11機が共同で人員や物資、負傷者を輸送する訓練を佐賀県、大分県、熊本県、鹿児島県で展開する。陸自のオスプレイが8月に佐賀駐屯地に配備されて以来、共同訓練に参加するのは初めてとなる。

 山口県岩国市の米海兵隊岩国基地では、長距離巡航ミサイル・トマホークを搭載する発射システム「タイフォン」を初めて展開する対艦戦闘訓練を行う。

 なお、台湾に近い沖縄県の与那国島で当初、米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」の展開を計画していたが、8月の町長選で基地強化に慎重な上地常夫氏が当選すると取りやめになった。

 こうした軍事訓練について、中国を刺激するので危険という論調をしばしば展開するマスメディアがある。一方、中国はそうした日本のマスメディアの論調に関係なく、中国共産党軍が定期的に訓練を行っている。

 これまでの歴史を数量分析すると、二国間で軍事バランスが崩れたときに戦争確率が高まる。それゆえ、古来の格言「汝(なんじ)、平和を欲さば、戦への備えをせよ」がある。

 与那国島は、中国が台湾封鎖を図るときに、軍事上の必然として真っ先に中国からの攻撃対象になりうる。しっかりした軍事訓練を行わないのは、防衛の穴となる恐れがある。十分な備えをしない「お花畑論」は、かえって住民を危険にさらすということを自覚しなければならない。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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