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<1分で解説>「暇じゃねえんだよ」 擦り減る国勢調査員のメンタル

今回の国勢調査で配布される調査票の入った段ボール=東京都内の自治体役場で2025年9月、尾崎修二撮影 拡大
今回の国勢調査で配布される調査票の入った段ボール=東京都内の自治体役場で2025年9月、尾崎修二撮影

 20日から日本全国で国勢調査の調査票配布が始まります。国勢調査は「国の最も重要な統計」とされ、全ての日本在住者を対象に行われますが、近年は調査票を提出しない人が増え、調査のやり方や意義が問われています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「国勢調査の現状と課題」を解説します。

Q 国勢調査ってどんな調査なの?

A 国勢調査は、日本に住む全ての人を対象にした日本唯一の「全数調査」です。外国人も含めて全世帯に調査書類が配られ、5年に1度、10月1日を調査期日に実施されます。

Q 調査員ってどんな人がやるの?

A 調査員は、非常勤の国家公務員として雇われ、各自治体が実務を担当します。報酬があり、戸別訪問で原則対面で調査票を渡すのが基本です。

Q 住民基本台帳があるのになぜ国勢調査が必要なんだっけ。

A 住民基本台帳(住基)と実際の居住人口には差があるためです。例えば、京都市では住基上の人口と国勢調査の人口に6万人の差がありました。学生などが住民票を移していない場合も多いからです。

Q どんなことを聞かれるの?

A 調査票では、性別、年齢、配偶関係、仕事の種類や就労状態、5年前の居住地、国籍などについて質問されます。

Q 調査票はどうやって提出するの?

A 紙の調査票を郵送したり、調査員に後日渡したりできます。また、調査員が配る書類のQRコードやログインIDを使ってインターネットでも回答できます。

Q 最近、調査票を出さない人が増えているの?

A 調査票の未回収率は年々上がっています。前回は16・3%に達し、東京都では前々回の15年時点で30・7%と高い数字でした。単身世帯やオートロックのマンションの増加、プライバシー意識の高まりが理由です。

Q 調査員の人は大変なのかな。

A 「頼まれても次はやりたくないよ。メンタル擦り減るから」と語る人もいます。「暇じゃねえんだよ」などと住民から反発されたり、詐欺と疑われたりすることもあり、精神的な負担が大きいそうです。

Q 今後はどうなるのかな。

A インターネット回答の割合を50%に引き上げる目標があり、郵便局での支援や郵送配布方式の試行も始まります。調査方法の見直しや負担軽減が進められています。

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