【保存版】コンサル時代に教わった「当たり前の基準値」
新卒時代から手書きメモを取り続けているのですが、ノートの冊数がとんでもない量になりまして。
さすがに処分しなきゃと断捨離していたのですが、割と大事なことが書かれていたので、こちらのnoteに転記しておこうかと。
なので、ごめんなさい。
あんまり構造化とかMECE感とか気にせず、当時もらったメモをそのまま書きなぐっておきます。
でも、タメにはなるはずです。
少なくとも、新卒1年目の僕には絶対に読んでほしいなと。
基本姿勢・プロ意識
クライアント視点を持て
自分が作業しやすいかではなく、クライアントにとって何が便利で助かるのかを徹底的に考え抜く。
例えば、次のような細かい配慮は当たり前。
そういう「この人の所作って心地よいな」の積み重ねが価値になる。
クライアントへのメールはPCでもスマホでも読みやすいよう、必ず両方の端末で表示をチェックし、改行やレイアウトを整える
資料をメール添付で送付する際は、「資料を見ておいてください」と丸投げするな。本文に資料の要点を3行程度で簡潔にまとめ、忙しい相手が本文だけ読んでも要点が分かるようにする。さらに、移動中でもスマホから確認できるよう、パワーポイントだけでなくPDF形式も併せて添付する
クライアントが社内で説明しやすいように、こちらから提供する資料には専門用語や難解な表現を極力避け、クライアント社内の担当者が社内向けにそのまま使えるように分かりやすい日本語で書け
「雑用」こそプロフェッショナルな振る舞いを
雑用を「作業」だと思った瞬間に、その雑用は腐る。
雑用は「仕事」である。脊髄反射でやらずに、必ずすべての行動に意図を持たせること。
会議室の準備を任されたら、開始10分前には資料の配布、プロジェクター接続、音響チェックまで済ませ、参加者が来るのを待つくらいの余裕を持て。参加者が席に着いてからドタバタと準備するのは言語道断。あとzoom会議の場合は、zoomのURLの貼り付けミスがないよう必ずチェックする
資料を印刷するときは、ページの抜け漏れや傾き、ホチキス止めの位置まで完璧に整えろ。提出された資料がずれていたり汚れているようなものを渡されたクライアントは、それだけで信頼を失う。あと、クライアントに応じて、資料の印刷はカラーか白黒か、2in1を好むのかも使い分ける
会議室の片づけをするなら、使った状態よりも美しく整理して出ろ。椅子を整列させ、ホワイトボードは完全に消し、床にゴミ一つ落ちていないことを確認するところまで徹底せよ。後始末ができない人間は、信用されない
言い訳はするな。無価値だから
ミスをした瞬間、環境や他人のせいにするのはプロとして許されない。失敗したら、ただちに自分の責任として受け止めて、改善スピードで驚かせること。
資料作成でミスを指摘された際、「時間がなかった」「データが揃わなかった」と言い訳をしない。言い訳する暇があるんだったら、すぐに修正案を提示せよ
提案が通らなかった際に、「クライアントの理解力が低かった」「自分の意図が伝わらなかった」と責任転嫁するな。自分の伝え方や根拠の示し方が不十分だったと考え、改善策を考えろ。コミュニケーションのよしあしは「受け手」が決める
会議や打ち合わせに遅れたとき、「交通渋滞がひどくて」と言う前に、自分がもっと早く家を出るべきだったと認識し、次回以降、遅延リスクを考慮して行動する
チーム内で問題が起きた際、「自分の役割ではない」と逃げるな。たとえ自分に直接の責任がない場合でも、「自分に何かできることはなかったか?」と考える
学ぶプロであれ
会社や上司が教えてくれることだけを口を開けて待っていてはいけない。次に述べるレベルことは最低限やっておきたいところ。
業界の専門用語や話題になったトピックは、知らないまま放置しない。その日のうちに調べて「他人に何も見ずに説明できるレベル」にしておく
業務に必要なスキル(資料作成、データ分析、プレゼンテーション技術)は、自主的に時間を作って訓練する。業務外の時間を投じてでも自己の能力を伸ばせ。受け身で伸びることはありえない
上司やクライアントから同じフィードバックを受けることはあってはならない。1度目で改善し、自分の仕事に即座に取り入れること。同じ指摘をさせるのは相手の時間を奪っているのと同義
他人が優れた仕事をしているのを見たら、自分から「どうやったのか」「何を工夫したのか」と聞いて取り入れる
休暇中もクライアント業界に関する書籍や論文、レポートを常に読み込む。「まだプロジェクトが始まってないから」と甘えを口にしない
コミュニケーションの基本
報・連・相とは何をすることか
「このタスクどうなってる?」と聞かれる前に報連相すること。「これどうなってる?」と質問するってことは、その前に心の中で10回は「これどうなってんだろ」と思ってるはず。そうならないための報連相のお作法を書いておく。
タスクを依頼されたら、完了を待たず途中段階で進捗を報告する。完了直前に問題が発覚して慌てるのはプロ失格
クライアントや上司から依頼された作業の進捗は、相手が不安になる前に自分から連絡する。「この件はどうなってるんだろう」と不安にさせないこと
悪いニュースや問題こそ、判明した瞬間に真っ先に報告する。問題が起きたときに、自分で対処法を考えて失敗して時間ロスをしてしまうのが、上司やクライアントにとっては1番の損失である
上司やクライアントから指示を受けて対応した際は、結果だけでなく経過も含めて報告する。どう対応したか、その後どうなったか、次は何をするのか、まで報告するのがプロ
相談するときは、「どうしましょう?」と丸投げしない。自分の中で複数の案を考えたうえで、「私はこう考えますが、いかがでしょうか」と判断を仰ぐ。「どうしましょう?」と聞いた瞬間に、思考停止クソ野郎のレッテルを貼られるから気をつけたい
質問には端的に答える
聞かれたことに端的に答える。これはもはや礼儀作法と同じレベルのマナーだと思っておいたほうがいい。
クライアントや上司から質問されたら、最初の一言で結論を述べよ。「まず、結論から申し上げます」と言ってから話し始めるくらいの徹底したほうがいい。慣れてきたら「結論から言うと」と言う枕言葉はなくしてよい。そんな枕詞がなくても常に結論から話せるようになるのがベスト
「今の市場規模は?」と聞かれたら、まず「現在は約〇億円です」と即座に数字を答える。その後に補足説明を行う。最初から背景説明を始めない
会議中、「AとB、どちらが良いと思う?」と聞かれて「場合によります」と答えない。まず「私はAだと思います」と結論を述べ、その後で「ただし条件次第でBになる場合もある」と補足する。明確な意見のない人間に質問は来なくなる
質問された際に「調べます」と即答するな。「現時点では不明ですが、◯時までに調べて回答します」と具体的な時間を示すこと。相手の不安を最小限にするのもプロの仕事
どうしても結論から話すのが苦手な人に向けて、以下の記事もまとめているので、よろしければ。
ロジカルに話す。これもマナー
コンサルタントは常に複雑な情報をシンプルに伝える必要がある。話す内容に一貫した筋道がなく、何を言いたいのか分からない話し方では、相手の時間を奪うだけでなく、自身の信頼を大きく損なう。
上司やクライアントに報告や説明を行う前に、自分の話す内容を頭の中で整理する。話すべきポイントが複数ある場合は、「お伝えしたい点は3つあります」と、最初に全体像を提示したうえで順番に説明する。
最後にやりとりをしてから時間が空いた相手に対しては、結論を述べる前に、前提を揃えるところから。「今日は○○についてご説明します」と前提を述べたうえで、結論を話す。
…などのことを教わったが、より踏み込んだ内容は以下noteでも解説しているので、よろしければ。
即レス、即レス、即レス
返信の速さや丁寧さはそのままプロとしての信頼に直結する。レスポンスが遅かったり、不明瞭な返答を繰り返したりする人間には、そのうち相談も仕事も来なくなってしまう。
クライアントや上司からメールやチャットで連絡が来たら、すぐに対応できなくても、「確認しました、○○までに返信いたします」と一旦返事を送り、相手を不安にさせないようにする。
回答に時間がかかる質問や依頼を受けた場合でも、何の連絡もせずに長時間放置するのではなく、「現在確認中ですので、本日中に改めて状況をご報告いたします」など、中間報告を忘れずに行う。
相手が多忙なことを前提として、メールやメッセージには必要最小限の情報を明確に記載する。長々とした文章で相手の時間を奪わないよう、「ご依頼いただいた○○の件、以下3点の状況です」と簡潔にまとめる。
相手の返信が遅れている場合には、「お忙しいところ恐れ入りますが、○○の件はいかがでしょうか」とリマインドを適切なタイミングで送る。相手任せにせず、案件の進行管理を自ら主体的に行う。相手の返信が遅いのは「君とのやりとりは優先度が低い」と思われている証拠。相手から見た優先度を上げるのも、自分の責任である
議事録係は死守。こんな素晴らしい修行を手放しちゃダメだ
コンサルタントにとって、議事録は単なる記録ではなく、議論の内容を深く理解し、自らプロジェクトの進行を主導するための重要な手段である。議事録作成を面倒がる人間は、自ら成長の機会を放棄しているに等しい。
会議中はただ聞いているだけではなく、積極的に議事録をとり、発言や決定事項、次回までの宿題などを漏れなく記録する。会議終了後、遅くとも1時間以内に議事録をまとめ、全員に共有する。記憶が鮮明なうちに議論をまとめることが重要である。
議事録を書く際には単に会議で出た発言を羅列するだけではなく、「結局何が決まったのか」「次に具体的に何をしなければならないのか」を明確にまとめる。読み手が一目で理解できるよう、ポイントを端的に整理することが求められる。
クライアントや上司の発言は、一言一句逃さない気持ちでメモし、特に重要な示唆や指摘については正確に表現を記録する。その言葉が後の作業や提案のヒントになることも多いためである。
議事録を作成することで、次の会議のアジェンダや課題が明確になるため、自分自身が議論の流れやプロジェクトの状況を誰よりも正確に把握できる。その結果、自然とチーム内で存在感を発揮できるようになる。
と、これだけじゃ議事録は語りつくせないので、別途、力作noteをまとめています。後ほど参照くださいませ。
仕事の進め方・頭の使い方
まずは目的を押さえるところから。話はそれから
「何のためにやるのか」が曖昧なまま仕事を始めると、無駄な作業が増えるだけでなく、成果の質も落ちる。作業の目的を明確に言葉で表現し、それを常に意識しながら行動することが大事。
クライアントから依頼を受けたら、その場で自分なりに依頼の目的を整理し、「つまり、今回の資料作成の目的は、新規事業の収益性を示し、経営陣が投資判断をするための材料を提供することだ」と言語化して確認する。目的が明確になれば、何を資料に盛り込むべきかが自ずと見えてくる。
会議や打ち合わせを設定する際にも、「なんとなく集まって意見を交換する」のではなく、「今日の打ち合わせの目的は、○○の方向性を明確に決定し、来週までのアクションを具体的に決めることである」と明確に述べたうえで議論を進める。これにより、無駄な議論を避け、実りある時間を過ごすことができる。
目的が曖昧なまま作業を始めてしまいそうになったら、まず上司やクライアントに対して「これは何のために必要なのでしょうか?」「最終的に何を達成したいのでしょうか?」と確認を行う。目的の確認はプロとして当然の行動であり、遠慮して曖昧なまま作業を進めるほうが問題である。
この「目的の押さえ方」をちゃんと語らねばと思い、以下の記事でもまとめているので、よろしければ。
分解してタスクに落ちるまで手を動かさない
仕事を依頼されたときに、いきなり作業に入るのは非効率なうえ、抜け漏れや手戻りの原因にもなる。まずは論点(解決すべき課題)を明確にして、それぞれの論点に応じて具体的な作業を整理してから取り掛かること。
「競合他社を分析してほしい」と言われた場合、すぐにデータ収集を始めるのではなく、「分析の目的は何か」「他社の何を知りたいのか」をまず整理する。市場規模、成長率、製品の特徴、戦略の違いなど、具体的な論点を列挙してから、それに沿って作業計画を立てる。
クライアントから漠然と「売上が落ちている理由を調べてほしい」と依頼された際も、「売上減少の原因は市場環境なのか、競合なのか、自社の営業力なのか」といった具合に論点を細分化して考え、それぞれについて必要なデータや情報をリストアップしてから調査に着手する。
論点を整理した後には、必ず上司やクライアントに一度確認を取り、「こういう論点で分析を進めますが、認識にズレはないでしょうか?」とすり合わせを行う。論点がズレているまま作業を進めると、あとで大きな手戻りが発生する。
「市場調査レポートを作成する」というような大きなタスクは、「市場の全体像を把握する」「主要企業の動向を調査する」「顧客の購買傾向を調べる」といったように、具体的で小さな作業に分解し、それぞれに明確な期限を設定して進める。これにより、作業が進捗しているのかを自分でも周囲にも明確に示すことができる。
作業が終わった後も、最初に設定した論点に立ち返り、「設定した論点に対して十分な回答が得られたか」「抜け漏れがないか」を必ず検証する。これを怠ると、依頼者が求めているものとは違う結果が出ることになりかねない。
常に「仮説(=現時点での仮の答え)」を持っておく
仕事のスピードや質を劇的に向上させるためには、「仮説を立て、それを検証する」という進め方が必須。仮説がないまま情報収集や分析を始めると、時間ばかりが過ぎ、意味のある結論に辿り着くことが難しくなる。
クライアントから「売上が落ちている理由を調査してほしい」と依頼された場合、「おそらく競合製品が市場シェアを奪っているのだろう」「あるいは自社の新製品が消費者に受け入れられていないのだろう」という仮説をまず立て、それを証明するためにデータや顧客の声を集める。仮説があれば、何を調べればよいかが具体的に見えてくる。
「新規市場に進出するべきか否か」というテーマに取り組む際は、「おそらく市場規模は大きいが利益率が低いのではないか」「競合が既に多く、市場参入が困難なのではないか」といった仮説を明確に設定して、それを確かめるために必要な情報収集を行う。
自分が立てた仮説が間違っていることが分かっても、それは失敗ではなく進歩であると捉える。仮説が外れたら素早く別の仮説を立て直し、再検証を繰り返すことで、最も確度の高い結論にたどり着くことができる。
上司やクライアントに進捗報告をする際、「○○という仮説に基づいて調査しましたが、実際には××でした」と伝えることで、思考のプロセスや検討状況を的確に示すことができる。仮説を明確に示すことで、議論も建設的になる。
君の意見なんて聞いていない。ファクトを出せ
自分の意見や提案を述べる際、感覚や主観的な印象だけで話すのはプロとしての姿勢とは言えない。すべての主張には明確な根拠が伴っている必要があり、それが第三者にも納得できるデータや事実に基づいていることが重要である。
クライアントに市場の動向を説明する際、「市場は拡大している」と漠然と伝えるのではなく、「この市場は過去5年で年平均8%の成長を遂げており、2020年から2025年の間で市場規模が約300億円から450億円にまで拡大しています」と具体的な数字と根拠を示す。
自社製品の強みを提案資料にまとめる際は、「品質が高い」「評判が良い」といった曖昧な表現ではなく、「顧客満足度調査で95%の顧客が継続利用の意思を示しており、品質トラブル件数も競合製品と比べて20%低い」といった具体的なデータや客観的な事実を示す。
上司やクライアントから「なぜそう言えるのか?」と尋ねられた時に、すぐに客観的な根拠や数値を示せるよう、日頃から資料やデータを整理し、すぐ取り出せる状態にしておく。
チーム内の議論でも、「おそらく競合はこう考えているはず」といった推測だけで議論を終えず、「実際に競合企業が公表している資料では、○○と明確に記載している」「直近の決算発表で、経営者がこうコメントしている」と、必ず裏付けとなる情報を提示する。
資料作成時には、重要な数字やデータについて必ず出典を明記し、情報源を明らかにすることを習慣化する。これにより、自分の作成した資料が第三者から見ても信頼できるものとなる。
「だから何?」も必ずセットで考える
仕事の成果として情報やデータをまとめる際、単に事実を羅列するだけではプロとして不十分である。それらが何を意味するのか、次にどんな行動を取るべきなのかを明確に示せなければ、アウトプットの価値は極めて低い。
先ほどの「君の意見なんて聞いていない。ファクトを出せ」と矛盾していそうだが、まあそういうもの。
売上を上げろと言われた翌週はコストを下げろと言われる。経営とは矛盾との対峙である。(by私が尊敬するMBAの先生より)
市場調査を終えたあと、「市場が前年比10%成長している」という情報だけで終わらせるのではなく、「だから今こそ積極的に投資を拡大すべき」「新規参入するならこのタイミングだ」という具体的な示唆やアクションを必ず付け加える。
競合他社が新しいサービスを開始したという情報を共有する際にも、「競合が新サービスを出しました」だけではなく、「このため、自社サービスの差別化が急務であり、価格戦略や顧客ターゲットの見直しをすべき」と、次に取るべき行動や意思決定の材料まで踏み込んで提案する。
クライアントに報告書を作成する際には、常に「この資料を読んでクライアントにどんなアクションを期待するのか?」を明確に意識し、それを明記する。情報だけを提供しても、読み手が次に何をすればよいか分からない報告書では価値が低い。
会議や打ち合わせで発言する場合も、単に問題を指摘したり事実を並べたりするのではなく、それが何を意味し、「具体的にどう動くべきか」というところまで言及する。これにより議論が建設的になり、無駄な時間を大幅に減らすことができる。
自分が作成した資料やメールを最終チェックする際、「この内容で相手に何を伝えたいのか?」「伝えたことで何をしてほしいのか?」を常に問いかける。伝えたいことが曖昧な資料は、どれだけ情報が充実していても役に立たない。
さて、ここから、やっと後半戦です。
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