宮内庁がインスタグラムに投稿した、平和公園の原爆落下中心地碑に供花する天皇陛下と皇后雅子さま、愛子さま=2025年9月12日、宮内庁公式インスタグラムより
宮内庁がインスタグラムに投稿した、平和公園の原爆落下中心地碑に供花する天皇陛下と皇后雅子さま、愛子さま=2025年9月12日、宮内庁公式インスタグラムより

 そもそも皇室用の法律として皇室典範や皇室経済法が公布されたのは、戦後まもない昭和22(1947)年。80年近い歳月が経とうとしている。

「戦前の皇族男子は、国民に範を示すため軍人に任じられ戦地にも赴きました。一方で、女子の任務は法的な規定がなく、公務を担う機会は限られていました」

  皇族として生まれた内親王や女王ら皇族女子が、本格的に公務に取り組んだのは戦後。平成の天皇家の内親王であった黒田清子さんからだ。

 公務量が男女の皇族費に比例していたと考えることもできるし、皇族の女子は早い時期に結婚をして皇室から離れていたため、独立後の額面の違いが目立つこともなかった。

 しかし、戦後80年を迎えたいま、公務の多くを内親王や女王ら皇族女子や宮妃が担っているのが現況だ。

 とりわけ、若い世代の愛子さま佳子さま方の果たす役割は大きく、それにふさわしい在り方が必要であると所さんは指摘する。

宮内庁がインスタグラムに投稿した高円宮家の長女、承子さまの公務風景。8月に山口県岩国市で開催された全国高校総体「開け未来の扉 中国総体 2025」のアーチェリー競技を観戦。表彰式にも臨みおことばを述べた=2025年8月8日、山口県、宮内庁公式インスタグラムより
宮内庁がインスタグラムに投稿した高円宮家の長女、承子さまの公務風景。8月に山口県岩国市で開催された全国高校総体「開け未来の扉 中国総体 2025」のアーチェリー競技を観戦。表彰式にも臨みおことばを述べた=2025年8月8日、山口県、宮内庁公式インスタグラムより

 悠仁さまの成年式では「親王旗」が掲げられ、愛子さまや佳子さまの成年式では「内親王旗」が掲げられることはなかった。こうしたことに限らず、不均衡が続けば、人びとの共感を得られない部分も出てくるだろう。

「皇族方は、みんなで力を合わせて天皇陛下を支える重要な存在です。皇族方を取り巻く制度を見直すためには、皇位継承権の資格問題を別にしても、令和の時代にあった在り方を作り出してほしいですね」(所さん)

(AERA 編集部・永井貴子)

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