成年の行事で、秋篠宮家の長男、悠仁さまを乗せた車のフロントに掲げられた「親王旗」。公的なお出かけの際に用いられる「天皇旗」と異なり、掲げられるのは成年式やご結婚などごく限られた機会だ。一方で、旧儀制令では、同じデザインとされた「内親王旗」だが、天皇家の長女、愛子さまや秋篠宮家の長女の小室眞子さん、次女の佳子さまら内親王の成年式では、掲げられることはなかった。皇室の研究者は、公務を担い活躍する皇室女子に相応しい制度の在り方を考える時期にきている、と指摘する。
【写真】愛子さま「内親王旗」なしの成年式…でも美しいティアラ(宝冠)と白のローブデコルテのドレス姿
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白バイに先導された黒塗りの車が、皇居の正門から入ってきた。車のフロントにはためくのは、紅色の枠で囲まれた「親王旗」。白地の中央には、金糸で菊紋が織り出されている。
悠仁さまの成年式が行われた日の光景だ。
皇位継承権のある男性皇族の成年式など、重要な節目の儀式で掲げられる旗で、天皇陛下や秋篠宮さま、常陸宮さまや三笠宮家の寛仁さまの成年の儀式でも車に掲げられた。
一方で、宮内庁によれば、天皇家の内親王である愛子さまの成年の儀式では、「内親王旗」は車にも他の場所にも掲げられることはなかったという。秋篠宮家の内親王として成年を迎えた小室眞子さんや佳子さまも同じだ。
実は、こうした「天皇旗」や「皇后旗」、「親王旗」や「内親王旗」をいつどのタイミングで掲げるかについて、明確に規定されたものはない。というのも、戦後の日本国憲法の施行に伴い、旧皇室典範や宮中儀式を定めた皇室令も廃止されたからだ。その後、新しく規定された法令はなく、宮中の儀式や行事は従来の慣例に則ってきた。
公的なお出かけの際には掲げられる「天皇旗」と違い、「親王旗」が掲出されるのは、成年の行事やご結婚といった重要な節目に限られる。
旧皇室儀制令では、親王や親王妃、内親王や女王にも、「親王旗」「内親王旗」といったそれぞれの旗について定めており、統一されたデザインになっている。

















