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かつての業界3位が――韓国企業による「ADK買収」から考える、アニメと広告代理店の未来まつもとあつしの「アニメノミライ」(3/3 ページ)

» 2025年07月07日 11時00分 公開
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KRAFTONの買収でADKは再起を図れるか?

 「PUBG」を展開するゲーム会社韓国KRAFTONが広告代理店大手のADKを買収したということで、「なぜ?」と感じた関係者も多かったはずだが、ここまで見てきた流れを押さえるとKRAFTONの狙いや、「協業」によるシナジーの方向性も見えてくる。彼らが目指す成功モデルの1つは順位を逆転させたサイバーエージェントにあるはずだ。

 サイバーエージェントは現在、拡大を続けてきたインターネット広告市場からの売り上げを原資に、傘下にゲーム・アニメの関連企業も多数擁している。

サイバーエージェントの主要関連会社(画像:サイバーエージェント)。「ウマ娘」シリーズなどを擁するCygames傘下にはさらにアニメ制作会社CygamesPicturesがある

 比較的安定した売り上げが期待できる広告事業から得られた原資を、ボラティリティ(変動)が大きいが、ヒットすれば長くIP(著作権)からの収益が期待できるアニメ・ゲームなどのエンタメ事業に投資するという成功モデルを、KRAFTON配下となったADKもなぞろうとするはずだ。

 従来のテレビ・ラジオ・新聞といったマスメディアに対する広告事業が重視されてきた老舗広告代理店では、このボラティリティを嫌って思い切ったエンタメ関連事業への投資に踏み切れない傾向にある(もう少し踏み込んで言えば「リスクはクライアント企業が取るのものでわれわれはその支援に徹する」という企業文化があると言い換えても良いだろう)。事業全体の主導権を、エンタメ、それも外資が持つことで、海外も含めた思い切った投資、さらには組織文化の改革が図れるかが、ADKが今度こそ再び存在感を示せるかの鍵を握ることになる。

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