2025-09-19

別れた彼女が夜職で働いてることを知ってしまった

昨日、最悪の知らせを聞いた。

半年前に別れた彼女が、夜職で働いているらしい。

教えてくれたのは共通の友人だった。心配そうな顔で、でも少し興味深そうな表情も混じえて話してくれた。最初は信じられなかった。あの彼女が、まさか

でも詳しく聞いてみると、どうやら本当らしい。歌舞伎町キャバクラで働いている。源氏名は知らないが、確実に彼女だったと友人は言った。

頭が真っ白になった。

彼女と知り合ったのは、自分大学生の時だった。勉強だけじゃ退屈で、カフェアルバイトを始めた。そこに同じ年の彼女バイトで入ってきて、すぐに仲良くなった。彼女声優を目指していて、養成所やレッスンに通いながらバイトを掛け持ちしていた。控えめで真面目なタイプだけど、カフェでも丁寧な接客をして、お客さんからも評判が良かった。演技の練習や、アニメの話もよく聞かせてくれた。

正直、俺はずっと「声優なんてなれるわけがない」と偏見を持っていた。芸能で食べていける人間なんてほんの一握りだし、周りも皆「夢物語」と言っていた。彼女がレッスンや養成所の話をしていても、俺は心の中で現実的じゃないなと思っていたし、きついことを口走ったことも多かった。

彼女は何度も「将来が不安だ」と言っていた。オーディションは受からない、事務所にも所属できない、端役の仕事があっても生活するには厳しい。バイトを増やしても工面は難しく、生活のために居酒屋やいろんな仕事も掛け持ちしたが、ついにキャバクラへ。それでも「声が綺麗で接客うまいから客受けがいい」と友人は話していた。夢を追いかけた努力が、いまは意外な場所評価につながっているのが皮肉だ。

話を聞いているうちに、胸が苦しくなった。

俺にも責任があるんじゃないか

いつも「現実を見ろ」「無理でしょ」と冷たい言葉ばかりで、彼女の悩みに寄り添うことも、夢を応援することもなかった。自分偏見プライドばかりが先に立って、本当はもっと彼女気持ちを受け止めてあげるべきだった。結局、価値観の違いも積もって別れることになった。憎み合って別れたわけではなく、仕方ないと納得して別れたけど、振り返ると俺が壊したものも多い気がする。

でも一方で、複雑な感情もある。

正直に言うと、嫉妬している。彼女が夜職で他の男性笑顔を向けている姿を想像すると、胸がざわつく。お酒を注いだり隣に座ったり、親密に話したり――それだけでやるせなくなる。

そんなことを考えている自分が嫌になる。

彼女生活のために働いているはずなのに、なんで俺が嫉妬なんかしているんだ。元彼氏というだけで、そんな感情を持つ資格があるのか。

それに、彼女選択否定する資格も俺にはない。

夜職が悪いとは思わない。きちんと働いてお金を稼ぐのは立派だと思う。でも、彼女らしくないとも思う。夢に真っすぐだった彼女なら絶対選ばない道だったんじゃないか――そう思うのも勝手な期待だけかもしれない。

どれだけ彼女は追い詰められていたんだろう。

友人は、彼女が前より痩せたと言っていた。化粧も濃くなり、雰囲気大人っぽく変わったとか。ただ笑顔は相変わらず綺麗だったらしい。客への声かけでも、彼女のその声はちゃん評価されているらしい。

それを聞いて、少し安心した。

でも同時に、切なくもなった。どんな状況でも明るく振る舞い、人を笑顔にしようとするその根の部分は、何一つ変わっていない。

そんな彼女を支えてあげられなかった自分が情けない。

お前らなら、どうする。

別れた恋人が、予想もしなかった道を歩んでいると知ったとき、どう対処する?

連絡を取るべきか、黙っているべきか。心配していることを伝えるべきか、余計なお世話で終わらせるべきか。

もしくは、こんなことで悩む俺が間違っているのか。もう別れたんだから関係ないと割り切るのが当然なのか。

でも割り切れない。彼女のことを思うと、今でも胸が痛む。

幸せになってほしいと思う。でも俺がそれを願う資格があるのかも分からない。

答えが出ない。

ただ一つ確実に言えるのは、彼女にはもっと良い道があったはずだ。その道を邪魔した一因が、俺の偏見だったかもしれないということ。

今更後悔しても遅いけど、やっぱり後悔している。

元気でやってるといいな。

でもできることなら、もう一度話がしたい。

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