ニノミヤさん(21)。昨年6月、全学連に身を投じた。空港建設に反対し農民の土地を守る全学連が行うデモのニュースを見て「同世代の若者たちが一生懸命、 農民の人たちの立場に立って闘っているのが衝撃でした」と語る(photo 本人提供)
ニノミヤさん(21)。昨年6月、全学連に身を投じた。空港建設に反対し農民の土地を守る全学連が行うデモのニュースを見て「同世代の若者たちが一生懸命、 農民の人たちの立場に立って闘っているのが衝撃でした」と語る(photo 本人提供)

両親は反対、逮捕と大学除籍を覚悟

「どうしても腑に落ちなかった女性差別が、起源まで遡って考えたことで、すごく納得いきました」(池之端さん)

 当初は中核派を「怖い」と思ったが、女性差別だけでなく、今の政治に対する怒りを解き放てるのは全学連の運動しかないと感じ活動に身を投じた。

 昨年、女性たちが先頭に立って闘える反戦運動を牽引したいとの思いから、全学連の書記次長に就任した。デモではスクラムの前線に立ち、「石破政権打倒!」を叫ぶ。デモで声を上げることで、抑圧された怒りを解き放ち、「自分にも社会を変える力がある」と実感するという。

 両親は、「暴力的だから」という理由で活動に反対している。だが、池之端さんは逮捕も、大学を除籍になることも覚悟で、顔と名前を公表している。京都大学を拠点に、アルバイトで生活費を稼ぎながら活動を続ける。

 目指すのは、「抑圧された女性や労働者階級が主人公になれる社会」。沖縄の米兵による女性に対する性暴力事件など、いま女性差別は激化している、と話す。

全学連に身を投じるZ世代の女性たち

「それは偶然ではなく、米軍が中国を軍事力で叩き潰すような戦争の訓練をしているから、女性の命を何とも思わないような暴力を平気で振るえるのだと思います。そこに怒りを持ち、社会を変えたいと思っている女性はたくさんいます。そういう人たちの希望にもなりたい」

 全学連に身を投じるZ世代の女性に共通する行動原理は、平等で公平な社会に寄与し、女性の抑圧を資本主義の問題と捉え、革命で変えようとする信念だ。

「同志であり、一緒に闘ってくれる心強さがあります」

 そう話すのは、ニノミヤさん(21)。

 昨年6月、全学連に身を投じた。

 きっかけは一昨年の冬。テレビで「成田闘争」のニュースを見たことだった。成田空港建設に反対し農民の土地を守る全学連が行うデモだったが、そこで初めて全学連を知り、「いいな」と思った。

「私と同世代の若者たちが一生懸命、 農民の人たちの立場に立って闘っているのが衝撃でした」

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