万博に<DJ警備員>、「コモンズBのお兄さん」の愛称浸透…「警備業界の甲子園だ」
そんな時に役に立ったのが、予習していた館の情報だった。26か国のパビリオンが集中していること、トイレがあって、おむつを替えるスペースもあること――。基本情報でも、知らない来場者は多い。自分の声が徐々に浸透している実感が湧き始め、来場者の前に立つのが楽しくなってきた。 「もっと、目を引くような言葉を」と、クスッとさせられるような一言を付け加えるようになった。冷房が利いていることを伝える際には「冷えてます。僕が入りたいくらいに」。
開幕から1か月が過ぎた頃、SNSで話題に火がつき、今では、パビリオンのスタッフからPRも頼まれるようになった。 フィジーのブースで土産物を販売するスタッフ、チャンド・ウムレッシュさん(43)からは「夏に向けて新商品のビールが入った」と相談を受けた。根岸さんはすかさず「キンキンに冷えたフィジーのビールおいしいですよ」と呼びかけた。
ペンダントや腕輪など様々な国のスタッフから売り込みがある度に気さくに応えている。こうした交流が、来場者への「声かけ」のネタ集めになるからだ。 「コモンズBのお兄さん」としての時間も残り1か月を切った。「まずは安全に過ごしてもらうこと。その上で、僕の呼びかけも楽しんでもらいたい」。なんとなく始めた仕事が天職になりつつある。(新谷諒真)
警官1万人態勢
大阪・関西万博で、警察当局は大阪府警の警察官約7800人をはじめとする最大1万人態勢で警備を行っている。 これとは別に、日本国際博覧会協会や各国のパビリオンが警備員を配置し、雑踏事故やテロの警戒にあたっている。日本館では、要人の警護にあたる警備員が、片方の目を覆う最新の警備機材「ヘッドマウントディスプレイ」を装着。機材には、要人の到着時刻や不審者の顔写真が表示される。