トランプ政権幹部が旧統一教会2世の大規模礼拝にメッセージ 貧困や虐待の体験語り激励

旧統一教会2世信者の大規模礼拝に米ホワイトハウスのホワイト信仰局長が寄せたビデオメッセージの画面
旧統一教会2世信者の大規模礼拝に米ホワイトハウスのホワイト信仰局長が寄せたビデオメッセージの画面

米ホワイトハウスのポーラ・ホワイト信仰局長(59)が、8月31日に東京都渋谷区の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)本部で行われた2世信者の大規模礼拝にビデオメッセージを寄せ、2世たちを励ました。

ホワイト氏はキリスト教福音派の女性牧師で、2017年の第1次トランプ政権発足の際に女性として初めて就任式で祈祷。トランプ氏の宗教顧問を務めた。第2次政権でも重用されている。ただ、伝統的なキリスト教界では異端視する向きも多い。

主催者によると、礼拝にはオンラインも含めて約1万5000人の2世信者や1世の若者が参加。ホワイト氏はこれまでも旧統一教会系の集会に参加したりメッセージを寄せたりしており、この日も「大いなる勇気と犠牲的な愛を示してきた韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁『マザーハン』を称えたい」と旧統一教会の韓鶴子総裁を称賛した。

さらに「父は私が5歳のときに自ら命を絶った」「私は6歳から13歳まで性的・身体的虐待を受けていた」「42年前、私はトレーラーハウスに住んでいた。シングルマザーだった」などと自らの貧困や虐待の体験を振り返り、信仰によって「トレーラーハウスからホワイトハウス」に至った経緯を語った。

旧統一教会は、献金勧誘を巡って文部科学省が解散命令を請求。東京地裁は3月、解散を命じる決定を出し、東京高裁で審理中。教団からの被害を訴える元2世信者もいる。韓国では韓氏が尹錫悦前大統領の夫人をめぐる不正疑惑で捜査対象になっている。2世信者たちに動揺も見られる中、ホワイト氏は、聖書の言葉を紹介しながら「試練は、神が用意した使命に備えるためのものだ」と参加者に呼び掛けた。

旧統一教会は共産主義に強く反対し、トランプ氏の支持基盤である宗教保守層の一つとされており、ホワイト氏は日本政府との立場の違いを改めて見せた形だ。

トランプ氏、李大統領に「教会捜索」懸念 世界最大の教会と旧統一教会への捜査指摘か

会員限定記事

会員サービス詳細