中国「日本の情報機関の指示」日本企業に“異例の説明” アステラス製薬社員の実刑判決めぐり
中国でアステラス製薬の社員が、スパイ活動の罪で実刑判決を受けた事件をめぐり、新たな展開がありました。中国・北京から中継です。
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この事件の裁判は7月に終了したのですが、日中両政府とも十分な説明をしていないため、何がスパイ活動とされたのか分からず、現地の日本人の間でも不安が広がっていました。
こうしたなか中国商務省が現地に駐在する日本企業の幹部らに「被告は日本の情報機関の指示を受けて、 中国国内で調査活動を行い、報酬を得ていた」とする異例の説明を行っていたことが新たにわかりました。
日本からの投資に影響がないよう通常の経済活動は問題ないと強調する狙いもあったとみられます。
――日本の情報機関というのは、どこを指しているのでしょうか?
日本の外務省は公安調査庁とみていて、外務省関係者によりますと、先月、公安調査庁に対して、在留邦人を巻き込まないように求めるというこちらも異例ともいえる対応をしたことが分かりました。
これに対し、公安調査庁は「現在、そのような活動の状況はない」と説明したということです。
日本テレビの取材に対し公安調査庁は「省庁間のやりとりや、調査に関わることについては、 今後の業務遂行に支障があるため、答えを差し控えたい。」とコメントしています。
公安調査庁は、ホームページで、「すべては国民の安全のために」、「『情報の力で国民を守る』それが公安調査庁です」と掲げ、全国に拠点を置いて、国の安全に関わる情報を収集して、政府の首脳にあげることを目的とした情報機関です。
ただ、中国側は、日本のスパイ機関だとして強く警戒しています。
日本政府関係者によりますと、中国当局はこれまでにスパイ活動を行ったとして日本人17人を拘束してきましたがこのうち少なくとも9人は公安調査庁から報酬をもらった事案として立件されました。
これはあくまでも中国側の主張ではあるのですが、日本政府からは何の説明も行われていないことから、現地の日本企業からは「日本政府は民間人を巻き込むな。巻き込むのであれば最後まで責任をとれ」という声や政府のこれまでの情報収集の手法に問題がなかったのか検証を求める声も出ています。