10月1日、石破茂氏が第102代内閣道理大臣に就任した。国会での首班指名前日、石破氏はまだ首相の座についていないにもかかわらず、「組閣に着手し、ただちに解散総選挙」と明言。その後、10月27日投開票が決まった。

総裁選中は、「予算委員会など、国会論戦を経て解散総選挙」と話していた石破氏だったが、真逆の対応に「言うことと、やることが違いすぎる」、「首班指名も受けていない段階で、権限がないにもかかわらず解散総選挙を言い出す総理なんてはじめてだ」と自民党内からも批判があがる始末。橋下徹元大阪市長は、「嘘つき内閣」と突き放した。

政治家の嘘は今に始まったことではないが、新政権の顔ぶれを見ると、疑惑の火種を抱えての船出であることが分かる。

■大樹総研の影

ご祝儀相場での解散総選挙を狙ったのだろうが、総裁選を争った高市早苗氏は総務会長の打診を拒否。同氏を応援した旧安倍派の議員からは「高市さんとその側近らが総選挙で圧勝して国会に戻ってくれば、新党結成だといって党を割りかねない」と物騒な話が出る状況だ。波乱の船出である。

新たに決まった閣僚や党幹部の顔ぶれを見た旧二階派のある議員は、「えらいメンバーが並んでいる。高笑いしているのはあの政商だろう」と話す。「政商」とは、令和のフィクサーとして名高い大樹総研の矢島義也氏のことを指す。

確かに、矢島氏が2016年に東京都内のホテルで自身の「結婚を祝う会」を催した時の席次表をみれば一目瞭然。石破内閣の閣僚や党役員が「矢島人脈」と重なり合う。

会の主賓としてメインテーブルに座ったのが、自民党副総裁についたキングメーカー菅義偉元首相。その隣が、総裁選に立候補した加藤勝信財務大臣で、同じテーブルには牧原秀樹法務大臣も。さらには、坂井学国家公安委員長、三原じゅん子子ども担当大臣、伊藤忠彦復興相の名前が確認できる。また、幹事長代行の福田達夫氏、安全保障担当として首相補佐官に起用された長島昭久氏の名前もある。

「菅さんはキングメーカーの定位置である副総裁に就任。自民党全体を牛耳ることができる立場になった。そして、加藤さんが内閣の中枢である財務大臣。捜査機関を管理・監督する法務省や国家公安委員長の名前もあり、霞が関官僚もずらりと並ぶ。矢島さんは、予算も、司法も、霞が関も抑えられる立場にあるということ。矢島さんが石破政権とがっちり手を握る基礎を築いていた格好だ」(大樹総研関係者)

これまで報じてきたように、矢島氏はこれまで少なくとも2度、東京地検特捜部の強制捜査を受けている。検察にきわめて大きな影響力を行使できる法相に、結婚を祝う会に出ていた牧原氏の起用だ。また、安全保障担当の長島氏は、国の最重要機密を担当することになる。

「牧原さんの起用は、検察を押さえたい矢島氏にとっては願ったりかなったりではないか。長島さんが矢島氏に頼まれ、安全保障関係の一端でも漏らせば一大事だ。そうした点について危惧する議員がけっこういます」(前の旧二階派議員)

自民党より一足先に新代表を決めたのは、野党第一党の立憲民主党。選ばれたのは安定感のある野田佳彦氏だ。しかし、矢島氏の結婚を祝う会の席次表には、野田氏の名前もある。席次表には、当局に逮捕された複数の人物も含まれており、「いかにも矢島氏らしい怪しげなメンバー」と話す永田町関係者もいる。

政官界に広がるフィクサー矢島氏の「人脈」。石破新政権にどのような影響を及ぼすのだろうか。

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