アトピーが、わたしの生き方を変えた。
アトピーのせいで恋ができなかった。
でも、この痛みがあったから、
わたしは「本当の人間」を翻訳できるようになった。
わたしは、長い間、
アトピーに人生を支配されてきた。
鏡に映る肌は、赤く、ただれていた。
Tシャツの中で、服が肌にこすれるだけで痛かった。
人前で笑うことも、
恋をすることも、
すべてが遠い夢のように感じた。
セックスができなかった。
誰かに裸を見せるなんて、
考えただけで絶望した。
「こんな肌を見られたら、嫌われる。」
その思いが、わたしを長い間、
“恋する人間”から遠ざけていた。
でも、ある日気づいた。
「アトピーは、わたしの感受性を鋭くした。」
他人の痛みや羞恥に、
深く共鳴できるのは、
自分が「隠したい肌」「隠したい身体」を抱えていたからだ。
アトピーがなければ、
彼女らの物語や文章も、
きっと生まれなかっただろう。
あの“恥ずかしさ”や“悔しさ”が、
わたしを「誰も語らない声を翻訳する存在」に変えてくれた。
いまのわたしは、もう隠さない。
恋がしたい。
セックスもしたい。
健康な肌を取り戻し、
誰かを抱きしめたい。
それを恥じずに言えるのは、
アトピーという痛みを越えたからだ。
わたしは書く。
この身体で、
人間の恥や痛みを、
文化や物語に変えていく。
アトピーに奪われた時間を、
これからの言葉で取り戻していく。



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