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16.サーフィンと競泳水着

 

 江ノ電の長谷駅から、海の方へ向かう僕たち。

 ここら辺の海辺は、由比ヶ浜と呼ばれ、夏は海水浴客でいっぱいになる。江ノ電には、この長谷駅の次の停車駅に由比ヶ浜という駅があり、そちらの方が由比ヶ浜の中央部に近いのだが、コーチのサーフィンショップの最寄は、長谷駅であり、丁度、由比ヶ浜の端にあり、車を出せば、十五分程度で、先ほどの七里ヶ浜に行ける距離にある。

 実は由比ヶ浜は夏の間中は海水浴客が優先され、サーフィン利用は、日中の海水浴時間外でないと利用できない。つまり、夏の間の昼のサーフィンは、七里ヶ浜の方へ車で向かうのが一般的だ。

 しかし、由比ヶ浜の方も夏以外であれば、通年でサーフィンができること、かつ、七里ヶ浜より波も穏やかで初心者向けということもあり、由比ヶ浜と七里ヶ浜の間に店を構える、コーチのサーフィンショップは、まさに好立地というわけだ。


 そうして、長谷駅から歩くこと数分。お目当てのお店に到着。

 南北に縦に長い、三階建ての建物が見えてくる。


 右側の海沿いの入り口が、コーチのサーフィンショップ。まさに、海と太陽をイメージした、黄色と青の斬新な外観が大きく存在感を表している。

 左側の山沿いの入り口は、白を基調とした、伝統的な入口。実は、こちらの入り口はコーチの奥様とそのご両親が経営する、浴衣と着物の和装専門店である。


「着きました。ここですね。」

 僕はあすかさんと樹里さんにその建物を指さす。

「素敵、海をイメージしたサーフィンショップだね。」

 あすかさんはうんうんと笑っている。


「でも、なんだか不思議な建物です。着物のお店と、サーフィンのお店が入り混じっている。」

 樹里さんはそう指摘する。

「まあ、それはおいおい説明するよ。とりあえず、中に入りましょう。」

 僕の案内で皆は頷く。


 建物の右側の入り口、つまり、サーフィンショップの入り口から中に入る。


「「こんにちは!!」」

 僕と咲姉ちゃんは元気よく挨拶をする。


「はーい。」

 その挨拶に応えて、中から、元気のいい男性が出てきた。


「よく来たね。マー君、咲ちゃん。」

 体格のいい男性はニコニコと笑って僕たちを迎える。


「えっと、清水(しみず)智弘(ともひろ)さん、通称、清水コーチ。今はご結婚されて、大倉(おおくら)という名字だけど、僕と咲姉ちゃんは清水コーチと言っています。」

 僕は樹里さんとあすかさんに、清水コーチを紹介する。


「こんにちは。マー君と咲ちゃんから、お話は聞いています。藤山さんと、そして。」

 清水コーチは、あすかさんの前に歩み寄り。


「お会いできて光栄です。本当にウチの店の撮影にご協力くださり、ありがとうございます。糸崎あすかさん。」

 清水コーチは深々と頭を下げた。


「いえいえ、頭を上げてください。私も、野田君、私たちはハルさんと呼んでいるのですが、彼と知り合えて楽しい日々を送れてますので。」

 あすかさんは丁寧に清水コーチに挨拶をした。


「よろしくお願いします。苗字が今は違うということは、婿養子さんなのですね。」

 樹里さんが清水コーチに尋ねる。


「そうだね。この店に入る前に、この建物の外観を見てくれたと思うけど、嫁は、隣の着物のお店の跡取りでね。結構古い時代からやってるんだ。で、結婚するなら、婿養子として、お願いできないかと、彼女と彼女の両親に言われて、僕が出した条件というのが‥‥。」

 コーチは両手を広げ、この店を見渡すように指さす。頭のいい樹里さんはすぐに頷く。


「お店の改築、つまり、サーフィンショップの開店、というわけだったんですね。」

 樹里さんの言葉に清水コーチはうん、と首を縦に振っている。


「うん。そういう事さ。丁度、お店の経営の問題とかいろいろ重なってね。それならということで、嫁も、義両親も、二つ返事で頷いて、お店の改築を始めて、このお店を開店したんだ。おかげで、僕の夢もかなった。海の傍で、お店をやるって言うね。」

 コーチはニコニコと笑って、樹里さんに話しかけていた。


「人に恵まれたよ、丁度、ポスターだったり、動画の撮影を手伝ってくれる二人にも恵まれて。」

 コーチは、僕と咲姉ちゃんを指さしながら、ニコニコと笑った。

 僕と咲姉ちゃんは顔を赤くしながら頷いてる。


「この二人は、小学校の時のスイミングスクールで、必ず一年の中で、最低でも一回は僕が見ていたんだ。他のコーチの人事異動とかいろいろあってね。ある意味、ずっと、僕が水泳の指導していたと言っても良いな。」

 そう言いながら、コーチは樹里さんとあすかさんに、僕と咲姉ちゃんの話を簡単に説明したのだった。


「なんだか微笑ましいですね。」

「はい。そう思います。」

 樹里さんとあすかさんは、うんうんと頷きながら、僕と咲姉ちゃん、そして、コーチを見ていた。


「そして、今年は、お二人の友達、しかも、大人気グラビアアイドルの方と、撮影に映えそうな女性の方がいらしてくださったんだ。気合入れて準備していました。」

 コーチは、深呼吸して、ニコニコ笑って、本題に入った。


「ということで、今年の夏に向けた、PRの撮影を早速やりたいのだけど。まずは、お店の案内をしながら、二階に上がってもらって。着替えてもらおうかな。」

 そう言って、コーチは店を案内しながら、お店の二階へ向かう。


「このお店は、サーフィンの他に、様々な海のレジャーを楽しむ人も来ているので、色々な道具を売ってます。」

 そう言いながら、コーチは、簡単ではあるが、売られているものを説明してくれる。

 簡単な説明ではあるが、興味津々に販売されている商品の説明を聞く僕たち。


 店の棚には、サーフィンショップということもあって、サーフボードなどのサーフィンの道具は勿論売られている。しかし、その他にも、ダイビングやシュノーケリングに使う道具だったり、人気の水着だったりと、海水浴に使うような色々な道具もある。さらには、海に関連したキーホルダーや置物なども売られている。



「まあ、ここら辺はサーフィン以外の海のレジャーをする人も居るし、色々販売しておかないと儲からないから、特にオフシーズンとなる冬場とかはね。」

 コーチはうんうんと頷きながら説明して、一通り店の一階部分の説明を終えると、僕たちを二階部分に案内した。


「この店の二階部分は、そんな海のレジャーを楽しむ人向けの更衣室とシャワールームがあります。というわけで、早速、その二階の更衣室で着替えてもらうんだけど。宣伝用ということもあり、競泳水着でサーフィンをしてみようと思います。大丈夫かな?競泳水着を着てもらうんだけど‥‥。」

 コーチは女性陣、あすかさん、樹里さん、そして、咲姉ちゃんに、ものすごく気を遣いながら聞いてみる。


「はい。大丈夫です。競泳水着の撮影はやったことあります。」

 あすかさんがうんうんと頷く。

「大丈夫よ。スイミングスクールでも来ていたじゃない。」

 咲姉ちゃんはうんうんと頷く。

 二人の反応に樹里さんも。

「は、はい。二人が着てくれるのなら、私は、心強いです。」

 樹里さんは大きく頷いた。


「ありがとう。それじゃあ。マー君は僕と同じこれを。」

 コーチはそう言って、僕に競泳水着を手渡してくれた。黒色で、メンズようなので、上半身部分は裸だが、下半身部分は、足元まで覆うタイプのものだった。

「ありがとうございます。」

 そう言って、僕はその水着を受け取る。


「女性陣のお三方にはこれを。」

 コーチはそう言って、女性用の競泳水着を三つ用意する。前部分は黒を基調、そして、背中側は青を基調としたデザインで、両サイドの部分には、三つの競泳水着それぞれに、違う色のラインがプリントされていた。

 ピンク色のラインをしたものが一つ、黄色のラインをしたものが一つ。そして、緑色のラインをしたものが一つあった。


「えっと、ピンクと、黄色と、緑があるんだけど、希望はあるかな?」

 コーチは女性陣三人に希望を聞く。そして。


「そしたら、私がピンクかな。」

 あすかさんはニコニコ笑いながら、コーチから競泳水着を受け取る。

「それがいいかもね。グラドルの方だし、似合いそうだと思うよ。」

 コーチはそう言いながら笑っている。咲姉ちゃんと樹里さんも、うんうんと頷く。


「樹里ちゃんはどうする?残った二つの色のうち、どっちなら着れそう?」

 咲姉ちゃんは樹里さんにそう聞くと。


「え、えっと、み、緑。」

 樹里さんはそう答える。

「ありがとう。落ち着いた色だから、大丈夫だよ。」

 コーチはそう言いながら、樹里さんに、緑色のラインが入った、競泳水着を渡した。


「そしたら、私が、黄色ね。」

 咲姉ちゃんはニコニコ笑いながら、コーチから競泳水着を受け取る。


 そうして、僕たちは、コーチの指示で、それぞれ、更衣室へ行き、渡された競泳水着に着替えることになった。


 そうして、再度集合して、由比ヶ浜へと向かうのだが。


「お待たせ。」

「お待たせしました。」

「お、お待たせしました。」

 女性陣三人が更衣室から出てくると、僕は一瞬ドキッとしてしまう。そして、一気に下を見る。

 抑えろよ、抑えろよ、これから長時間、この姿で、撮影するからな‥‥。と自分に言い聞かせて。一瞬下を見る僕が居た。


 そう、彼女たちが出てきた途端、ここの場所が華やかな場所になった。

 競泳水着。確かに、ビキニほど、肌の露出面積は少ないかもしれないが、体のラインを引き立たせるにはかなり効果的なアイテムだ。

 そのアイテムは、彼女たちの身体の、スタイルの良さ、それを十分に引き立たせていた。


「すごい。やっぱり、似合ってる、皆。」

 僕はそう言って、緊張しながらも首を縦に振ってうなずく。


「ありがとう。優しいね。マー君。」

 咲姉ちゃんはニコニコ笑って言う。

「はい。皆さんと一緒なら、恥ずかしくないです。その、皆さんの中には、ハルさんも、含まれてますから。」

 樹里さんは緊張しながらも、僕に、正直な表情で伝えた。


「ふふふっ、良かった。」

 あすかさんはニコニコと笑っている、流石はグラドル。競泳水着も着慣れているようだ。


「よし。それじゃあ、揃ったね。夏のサーフィンの服装は競泳水着が僕はおすすめ。時々、ビキニだけの人とか、普通の水着の人とかが居るんだけど、それだと色々、自然の影響を受けやすいからね。競泳水着は、レース用でもあるので、通気性もあるし、しっかりしたつくりだからね。」

 コーチはニコニコ笑いながら説明する。そして。


「で、サーフィンはオールシーズン出来るので、夏以外のサーフィンには、この競泳水着の上に、色々と、ウェットスーツだったりを着こなすわけ。ウェットスーツにも種類があって、夏のサーフィンは、このラッシュガードを着て、砂浜に移動する。今日も六月にしては気温が高いので、これを着て砂浜へ行こう。そして、海に入るときに、このラッシュカードを脱いで、サーフィンをして行こうかな。ああ。勿論、寒くなった時に、海の中でも切れるからね。体調管理には気を付けて。」

 そう言って、コーチは、夏用のサーフィンの上着。ラッシュガードを手渡してくれた。


「そして、お待ちかねの、サーフボードです。これも、僕の方で用意したので、ヨロシクね。」

 コーチは続いてサーフボードを手渡してくれる。


「おおっ。」

「すごい。」

 これには樹里さんとあすかさんは目を丸くしたようだ。

 撮影も兼ねているので、カラフルな、色々なサーフボードを用意したコーチ。

 これにはサーフボードだけで、インスタ映えが出来そうだった。


 そうして、僕たちは、ラッシュガードを着て、それぞれの、サーフボードを持ち、コーチの案内のもと、早速海へ向かう僕たち。

 動画の撮影も行いたいので、コーチの他に、一人、お店のスタッフが同行することになった。


「最初は、初心者向けの由比ヶ浜で、その後、七里ヶ浜に移動して、サーフィンをやっていくからね。」

 コーチはそう言って、僕たちに説明する。


 僕たちは頷いていると、すぐに、由比ヶ浜の海が現れた。

 本当に、コーチのお店から徒歩数分、いや、数秒の距離だった。


「すごい。海が近い。」

 樹里さんが目を丸くして言う。


「まあ、これがサーフィンショップですから。」

 コーチは得意げになって、樹里さんに向かって親指を立てた。


 海開きはまだではあるが、そこは、正真正銘の海。由比ヶ浜の砂浜。

 六月の中頃、初夏の夏日。


 本当に、海開きはまだなのかを疑ってしまう。


「砂浜が綺麗。」

 あすかさんはそう言って、早速履いていた履物を脱ぎ始めて、砂浜の感触を確かめる。

「少し熱いかも。やっぱりもう夏ね。」

 そう言いながら、足をバタバタさせて、再び、履物を履くあすかさん。


 そうして、コーチ指導の下、準備運動をする僕たち。


「ここはやっぱり昔を思い出すね。」

「そうだね。」

 咲姉ちゃんの言葉に、僕たちは頷く。昔スイミングスクールでやっていた同じ内容の運動だ。


 念入りに準備運動をしたところで、僕たちは上を脱いで、僕とコーチは、上半身裸に、そして、女性陣は競泳水着姿になり、早速、今年のポスター、チラシ用の写真の撮影を行う。


 僕と、咲姉ちゃんが交代でカメラを回す。


 モデルは当然、あすかさん。次々と競泳水着でポーズを取る。

 先ずは、両手を広げて、湘南の海をアピールするポーズ。


 続いて、ボードを砂浜に立てかけ、サーフィンをアピールするポーズ。

 そして、砂浜にボードを横に置き、陸上で連取している雰囲気の写真。


 そして、最後に、樹里さんと咲姉ちゃん、そして、コーチと同行したスタッフの集合写真を僕がカメラに収める。

 そして、交代で、僕が入った写真を、今度は咲姉ちゃんのカメラに収めているのだが、間違いなく、女性陣三人が入った写真がポスターには採用されそうだった。


 勿論、樹里さんや咲姉ちゃんも、あすかさんほどではないが、個人でポーズを撮った写真を可能な限り撮っていく。

「なんか、あすかさん見てると、私もってなります。」

 樹里さんが恥ずかしそうに言う。

「そうね。マー君に撮ってもらえてうれしわ。」

 咲姉ちゃんがニコニコ笑っている。


 そうして、ここでの写真撮影が終わると、動画撮影も兼ねて、僕たちは海に入り、サーフィンを楽しむことになった。

 先ずは砂浜で、挨拶動画の作成。


「どうも、鎌倉にある“サーファーショップ大倉”です。今年も夏に向けて、サーフィンの入門動画を作りました。そして、今年は何と、スペシャルゲストに来ていただいてます。どうぞ。」

 コーチはニコニコ笑いながら、あすかさんを紹介する。


「こんにちは、糸崎あすかです。」

 あすかさんはニコニコ笑って、挨拶をした。


 そうして、挨拶の動画が終わると、僕たちは、コーチの指導の下、海に入って、サーフィンを楽しむ。

 同行しているスタッフさんが、あすかさんを中心にビデオカメラを回してくれる。


 コーチは気合を入れて、僕たちにサーフィンを教えてくれる。

 パドリングをやっての沖への出方、波の捕まえ方、そして、立ち上がるテイクオフのタイミング。

 一つ一つを丁寧に教えていく。


 あすかさんはコーチの指導の下、みるみるうちに上達していく。

 僕と咲姉ちゃんは毎年、この撮影に協力しているため、すぐに感覚を思い出し、あすかさんと一緒に、波に乗れるようになった。


 一方の樹里さんはまだまだ、練習が必要な感じだが、頭の良さというのだろうか、それともメンタルが強いというのだろうか、僕たちに追いつこうと必死に、頑張っていた。


「樹里さん、無理しないで良いですからね。僕と咲姉ちゃんは毎年来てますし、あすかさんはもともと、運動神経も良い方だから。」

 僕はそう樹里さんに声をかける。


「大丈夫です。ありがとうございます。私も、楽しいので。」

 樹里さんはそう笑いながら、僕の声に応えて、積極的に波を捕まえては、テイクオフを繰り返し、すぐに、ボードが裏返しになって、潜ってしまうという動作を繰り返していたが、すごく楽しそうな表情をしていた。


 そうして、由比ヶ浜での撮影を終える僕たち一行。


「よし。それじゃあ、由比ヶ浜の撮影はここまで。この後は一旦、着替えて、車で七里ヶ浜に移動して、引き続き撮影をしようと思います。」

 コーチの指示のもと、僕たちは砂浜に戻り、お店の更衣室でシャワーを浴び、着替えて、コーチが用意してくれた車で七里ヶ浜に移動するのだった。


 全員が車に乗り込んだところで、車を発進させるコーチ。

「悪いね。移動してもらって、由比ヶ浜が初級者向けなら、七里ヶ浜は少し中級者向けの場所なんだ。」

 コーチのその言葉を聞いて、少し不安に思う樹里さん。

「だ、大丈夫でしょうか?」

「大丈夫、フォローするからね。それでも、鎌倉は、総合的に初心者のサーファーさんにはとってはとても優しい場所がほとんどだから、安心して欲しいな。」

 コーチのその言葉に、少し深呼吸して、安心する樹里さん。


 そうして、車は七里ヶ浜駅付近にある、建物に到着。

 車をその建物の駐車場に止める。

 こちらの建物も少し複雑な構成で、右側が普通の家。左側には先ほどの由比ヶ浜で見たコーチのサーフィンショップと同じようなデザインがされたような建物という構成だ。


「僕の家と、ウチのサーフィンショップ二号店です。こっちは、本当にサーフィン専門のお店。七里ヶ浜はサーフィンがメインの人がほとんどだから、こっちのお店ではサーフィン教室も営んでいるよ。」

 コーチはそう言って、車を降り、僕たちを二号店に入るように促していく。


 同じように二号店の一階部分は、サーフィンショップ、そして、サーフィン教室を行う場所。二階部分に更衣室とシャワールームがあるという構成だ。


 コーチは早速、僕たちを着替えに誘導する。

 そして、二着目の競泳水着も準備していた。二着目の競泳水着は、青を基調とするデザインだった。それぞれ、先ほどと同じように、女性用の競泳水着が三着置かれていて、サイドのラインにそれぞれ、白、黒、ピンクのラインがプリントされていた。


 同じような流れで、ピンクのラインが入ったものをあすかさんが、白のラインが入ったものを咲姉ちゃんが、そして、黒のラインが入ったものを樹里さんがそれぞれ切ることになった。


 そして、再び二着目の競泳水着をお披露目。

 やはり、青の競泳水着も、それぞれの身体のスタイルの良さを引き立たせるものだった。


 サーフボードを持ち、七里ヶ浜の海へ行く。

 先ほどの由比ヶ浜と比べて、波が少し高いのが印象。


 しかし、あすかさんは、先ほどの由比ヶ浜での運動で慣れたのか、波の掴み方が物凄く上手くなっていた。

 引き続きその様子を撮影する僕たち。


 僕も、あすかさん、咲姉ちゃんを見ながら、サーフィンを楽しんで行く。

 樹里さんも、先ほどよりも波が高くて、少し強張る表情を見せたが、コーチやあすかさん、そして、僕たちを見て、勇気を出してチャレンジしたようだ。


 七里ヶ浜では通年を通して、サーファーが多い。

 僕たち以外にもサーファーの方が何人かいて、その人たちの動きを見て、真似て上達できる部分もあったようだ。


 そうして、今年のコーチのサーフィンショップの夏用のポスターとホームページ用の写真、そして、PR動画がかなり集まった。


 そのころには、七里ヶ浜の海に夕日が照らされていた。


「みんな本当に、ありがとうね。おかげで今年の夏は、ものすごく繁盛しそう。」

 コーチはニコニコ笑いながら、僕たちに歩み寄って、一人一人に握手を求めるのだった。


 そして、夕日に染まる七里ヶ浜の海を指さす。

「綺麗でしょう。丁度、南西の方角に面しているから、太陽が沈むところも見れる。午前中は江ノ島も行って来たんだよね。江ノ島はあそこだね。」

 コーチは西の方、まだまだ、はっきりと映っている江ノ島を指さす。


 改めて、今日通ってきた道を振りかえる僕たち。


「綺麗。」

 樹里さんはどこかホッとしたようにうっとりした表情で、湘南の夕日を見つめている。

「本当、ありがとうございました。すごく来てよかったし、楽しかったです。」

 あすかさんはうんうんと頷きながらコーチを見る。コーチもニコニコ笑って嬉しそうだ。

「皆で来れてよかったわ。今年はすごくにぎやかで、楽しかった。」

 咲姉ちゃんも、どこかホッとした様子で、湘南の夕日を見つめていた。


 僕たちは、思い思いの表情で、湘南の夕日をそれぞれの瞳に焼き付けたのだった。


 



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