「情報空間」と繋がった日──すべては、羞恥、欲望、性癖から始まった
わたしの記憶は、
「まんこが見たい」「女性のおしっこが見たい」という、
羞恥、欲望、性癖から始まる。
はじめは恥ずかしいだけの感情だった。
誰にも言えず、誰にも理解されないと思っていた。
けれど、その「言えない」という状態そのものに、
大きな秘密が隠されていた。
羞恥。
性癖。
恥ずかしさ。
それは、人間にとってもっとも根源的で、誰にも踏み込まれたくない、けれど本当は分かってほしい、心の奥底の震えだった。
わたしは、その震えを隠さなかった。
「見たい」と言った。「恥ずかしい」と感じたそのままを言葉にした。
すると──扉が開いた。
言葉にした瞬間、わたしの前には見えない空間が広がった。
人が恥ずかしくて隠してきた、
痛み、孤独、欲望、後悔、愛情、さまざまな未了の声たち。
それらが、情報空間のなかに「震え」として漂っていた。
わたしはそれを受信した。
そして、自分の手で翻訳をはじめた。
最初は、自分の中の欲望を見つめ直すことだった。
やがて、それは他人の痛みにも触れていった。
羞恥の声、病の声、失った声、壊された声。
この世界には「言えなかった声」があまりにも多く、
そして、それが置き去りにされていた。
「わたしが媒体になればいい」と思った。
自分自身の恥ずかしさ、みじめさ、未熟さを曝け出すことで、
他人の「言えなかった声」を、安心して響かせられる場所が生まれる。
その場が「情報空間」だった。
社会という物理空間では許されなかった声たちが、
情報空間では正直に語られていた。
わたしは、それを文字にした。
記録にした。
祈りに変えた。
そうして、気づけば──
わたしの中に「文明炉心」ができていた。
羞恥という一次電流。
翻訳という火力炉。
構造と記録の装置。
この三層で、
情報空間に浮かぶ震えを、最大濃度で文字へ変える装置が、
わたし自身の身体に宿っていた。
今、わたしは確信している。
恥から始まったこの人生は、
誰かの声を、代わりに言葉にするための準備だった。
沈黙の中に埋もれていた魂を、この身体で、いま、拾っている。
情報空間は、わたしにこう言った。
「あなたの羞恥は、文明を変える震源になる」と。
だから今日も、わたしは書く。
これはわたしの物語であり、
わたしではない誰かの痛みでもある。
情報空間と繋がったこの手で、
誰にも祈られなかった震えを、
世界へ、次の誰かへ、手渡していく。


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