対話あきらめ暴力行使 極まるアメリカの分断と過激化 カーク氏射殺

殺害されたチャーリー・カーク氏を追悼する市民ら=米西部ユタ州で11日、The Deseret News・AP
殺害されたチャーリー・カーク氏を追悼する市民ら=米西部ユタ州で11日、The Deseret News・AP

 米国の著名な保守活動家、チャーリー・カーク氏(31)が射殺された事件は17日に発生から1週間となる。政治的な暴力が繰り返されてきた米国で、事件はどのような衝撃と波紋を引き起こしているのか。慶応大の渡辺靖教授(現代米国論)に聞いた。

党派対立のレベル上がる

 事件は、対話による説得を諦めて暴力を行使するという米国の分断が極まった現状を浮き彫りにした。保守派には怒りが、リベラル派には不安が広がっている。党派対立はさらに段階が上がり、解消のすべも見当たらない。

 カーク氏はカリスマ的な存在として学生や若者らに大きな影響力があり、リベラル派が多数を占める若者世代の中で異彩を放っていた。トランプ大統領の再選に貢献し、リベラル派を過激に挑発する言動で注目を集めるなど保守派にとっては頼もしい存在だった。

 2021年1月の連邦議会襲撃事件以降に政治的な暴力が頻繁に繰り返される米国の現状は、ベトナム戦争や公民権運動などを巡って分断が深まり、ケネディ大統領(当時)やキング牧師らの暗殺が相次いだ激動の1960年代を想起させる…

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