松阪市民病院 物品発注めぐり背任か 元職員に懲役3年求刑
三重県の松阪市民病院の物品の発注をめぐり、病院に実際より多く支払わせて損害を与えたとして、背任の罪に問われている元職員の裁判で、検察は「病院長の実質的な秘書という立場を利用し、ほしいままに利益を得ていた」として、懲役3年を求刑しました。
松阪市民病院の元職員の岡本貴江被告(39)は、2021年6月ごろから2022年8月ごろまでの間、病院の物品を発注する際、自身が実質的に経営する業者を通して別の業者に発注する手口で、実際の発注金額よりもおよそ670万円多く病院に支払わせて損害を与えたとして、背任の罪に問われています。
17日の裁判で、検察は「被告が実質的に経営する業者は、外注先の選定や納品の確認などを行っていた。しかし、本来、これらの業務は病院職員が調達事務の一環として行うべきもので、調達経路に業者を介在させる必要はなかった」などと述べました。
その上で、「病院長の実質的な秘書という立場を利用し、公金をみずからに還流させてほしいままに利益を得ていた」として、懲役3年を求刑しました。
被告側はこれまでの裁判で無罪を主張していて、今月24日に最終弁論が行われる予定です。