31年前、この世界でめいはちに。「エレベーター研究家」として生きる道~エレベーターの論文を制作します~
この度31歳を迎えためいはちです。30代になると「もう若くない」という目に見えない圧力を感じて色々大変ですね(笑)
実はこの1年間、僕自身の中で大きな壁に直面し、闘い続ける日々を送っていましたが、ようやくこの壁を打ち破る決断を皆様にお伝え出来る日がやってきました。
「エレベーターのめいはち」を確証したい
昨年のクリスマス、こんなnoteを書いていました。
一趣味者としての「エレベーターオタクのめいはち」ではなく
めいはちisエレベーター。「エレベーターのめいはち」でありたい。
もう、「エレベーターオタク」と呼ばれたくないし、一緒にされたくないという嫌悪感を抱く中で差別化を図りたいという一心で執筆しましたが、自分の中でも正直どうしたらいいのか解らぬままでした。
なぜ「エレベーターオタク」でありたくないのか?
僕の中で、年々「オタク」という響きが悪く感じてしまってきたというのと、「一部のエレベーターオタクの質・品の悪さ」に呆れたからです。そんな奴らと一緒にされたくないと…
「タメ口(ぐち)でしか会話しない」「混雑したエレベーターで動画を回す」等…中にはかつて自分も行っていた過ちもありますが、それら過去との反省と決別という僕なりの覚悟もあります。
転機をくれた「エスカレーター」と「とあるフォロワー」
先の記事を執筆した数日後、ちょうどお正月に泊まりで出かける機会があり、その宿泊施設の隣にあるデパートで奇妙なエスカレーターを目撃しました。
このエスカレーターに違和感を感じ、当時親交のあったエスカレーターにも詳しいフォロワーさんE氏にすぐ画像を提供してその正体を伺おうと思いました。
しかし、何日たっても返事がない…そしてツイートも全くなし。
ログアウトされてしまったようです。
「自力で調べる」から始まった研究家としての第一歩
年初、エスカレーターの知識は皆無でした。しかしながらこれまでエレベーターのカタログを各メーカーから頂いた際、エスカレーターのカタログもセットでもらっていたので、まずはそれらを読み進める事から始めました。
その頃の僕の中での知識というと…三菱はJシリーズとZシリーズがあって、日立はエスカレーンとクリスタレーンがあって…最近の傾向イエローのラインになっているのはMXとVX?…東芝は名鉄百貨店にある特異形状のがC形(※東芝エレベータ沿革に記載あり)、ジェイアール名古屋タカシマヤのフゥーンって音がするやつとか、出町柳駅にムービングウォーク(動く歩道)になるやつとかいるな(形式など不明)という程度の知識が辛うじてある程度。ネット情報や実際にみて機種名を結び付けたエレベーターと違って、誰かに説明するにはとても乏しい情報量でした。
「間違った情報」を書き換える日々
カタログや文献を通じてエスカレーターの形式を覚えていく中、同時に記述が出がちなエレベーターの形式にも改めておさらいしていくことにしました。
そうすると今まで自分の中で正しいと思っていた情報が誤った内容だったという事が意外にも多く存在しました。そうして自分自身の情報を修正・アップデートする作業はほぼ毎日休憩時間や移動時間など、すきま時間をフル活用して行っています。
その中で、ある答えにたどり着きました。
「エレベーター研究家」としての決意
「エレベーターオタク」として呼ばれたくないならば、
「エレベーター研究家」と名乗っていこう。
「研究家」…それは一般的に自らの意志で独立的に研究活動を行う者。
よく聞くものとして「料理研究家」「芸術家」等があります。
と言っても僕は工業高校機械化をド底辺で卒業した程度の学歴。エレベーター会社での実務経験もなければもちろん昇降機点検資格もありません。
エレベーターを生き甲斐に生きるただ一人の人間(僕は本当に人間なのか…?)としていばらの道を歩むことになるわけです。
それでも「エレベーター研究家」として決断した理由。
それは「本当のエレベーターを広めてゆくため」
先述の通り、これだけ長くエレベーターに精通した僕でもエレベーターに関して多くの間違った情報を有していたという事はエレベーターオタクの間でも当然誤った知識が蔓延しているのが事実です。
それらの誤った情報に対して、僕自身が「エレベーター研究家」としての立場から検証をし、その正誤を明確にさし示してゆく事で、やがてエレベーター/エスカレーターの好む皆様の知識向上を目指す。これが僕がエレベーター研究家としてめざすビジョンです。
ちなみに「エレベーター研究家」と調べても各社の試験棟ばかりヒットします。つまり、未開拓の境地とも言えます。
あと、エレベーター研究家と名乗りますがエスカレーターもほどほどに研究していこうと思います。実はエレベーターより難解な部分が多いので…あくまでも外観的なところを中心に。
研究範囲は「エレベーターを利用する一般利用者が気にする範囲」エンジニアしか知りえないような情報には触れない
昨今のエレベーターオタクはエレベーターをメンテナンスするエンジニア・メーカーの「余計な情報」のせいで利用者が知りえてはならない情報まで蔓延しているのが事実です。
今回研究していくにあたり、これら情報に触れると場合によってはメーカー側から情報漏洩として訴えられるリスクなどがあるため、あくまでも一般利用していく上での部分に絞って深く、正確に調べていこうと思います。
論文テーマ
「標準型エレベーターとモダニゼーション」
「標準型エレベーター」とは、一般的なビル、マンション、病院に設置されている量産型エレベーターで、JIS規格でサイズなどが、各メーカーによってデザインや仕様が決まっている物を指します。
その標準型エレベーターは1961年に三菱電機が発売を開始したエレベーターオタクならだれもが知る「三菱エレペット」が起源で、今日では
三菱:アクシーズ
日立:アーバンエース
東芝:スペーセル
オーチス:Gen3
フジテック:エクシオール/エレ・グランス
等と各社から発売されています。(※冠名のみ記載)
もう一つのキーワード「モダニゼーション」は近代化を意味し、エレベーターの世界では老朽化したエレベーターをリニューアルする事を指します。標準型エレベーターのモダニゼーション専用機種として
エレモーション(三菱)
G-セレクト(日立)
エルフレッシュ(東芝)
Gen3 Mod(オーチス)
等とこちらも各社から発売されています。(※冠名のみ記載)
これまで上げたリニューアル専用機種は施工前と同一メーカーでなければできなかったのですが、このほかフジテックは「SMA-UP」という他社製エレベーターをなるべくパーツを流用してフジテック製に変えてしまうというものもあります。
同様に他社製エレベーターを第三者メーカーに改造する事例は中小メーカーでも見られますが、数が多すぎて研究が追い付かないので追々の課題になってくるかなと思います…。
このように、近代の一般的なエレベーター「標準型エレベーター」の進化の歴史を探求しながら、近年よりその需要が加速している老朽化した標準型エレベーターを若返らせる「モダニゼーション」という二つの観点でエレベーターを見つめ、考え、情報発信してゆく事でエレベーターオタクの皆様がより正しい情報を得て頂ければと考え、論文を執筆していく運びとなりました。
ちなみに…エレベーターオタクの皆様はモダニゼーションされたエレベーターに対して「やられた」と仰る場面散見します。これは、「モダニゼーションされる前の古いエレベーターがよかったのに!」という嫌味の意があるとされていますが、その真相は判りません。しかし、エレベーターの国内需要は「新設からモダニゼーション」という流れにシフトしており、エレベーターマニアにとってははっきり言って都合の悪い流れが主流になっていく中で、一人でもご理解いただけるような内容にもしていきたいと思っております。
論文発表は本年2025年11月10日(月)、エレベーターの日に発表出来る様努めて参ります。
結びに…
人間、生きていて評価されるのは非常に険しく大変なことだと思います。
しかし、生きているうちにタネを蒔き、没後に功績が讃えられる方は一定数いらっしゃると思いました。「めいはち」という、生涯をエレベーターに捧げた人が生きていたという証。それを、エレベーター同人誌の国立国会図書館納本、今回の論文などと言った形で残していければと考えています。
「エレベーターのめいはち」と呼ばれるその時を目指して…。
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