偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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第56話

『キンバレーについていった時のようだ!』

 もうどうでも良いから止めを刺す。青い火炎を燃やす機体に向けてワイヤーアンカーの先にヒートアックスをつけて鎖鎌の要領で投げて相手を切り裂く。ヘビーガンとジェガンの間のような機体は中破をしていて動けずに手傷を増やす。ユニコーンとかをどうやって振り切ったのかと見てみると皆、紅茶の方に集まってレイドバトルみたいなのをしてる。

 

 倒したところでサイコフレームとかしか落とさないと思うけどドロップ素材が美味しいのかと一瞬、冗談を思うほどには袋叩きにあっているのに致命傷は受けずにいるのがわかる。ジワジワと手傷は負ってはいるがこちらのMSのほうが脱落するのは速い。だから、あれに対抗するためには、早めにこのヘビーガンもどきを倒さねばならない。キンバレーも倒さないといけないのにこうしてはいられない。

 

『死ぬのなら連邦政府ではなく市民の為だ!マフティー・ナビーユ・エリン!市民を欺く亡霊め!』

 勝手に人を亡霊扱いするな。レイス隊とかのほうがよっぽど亡霊ぽい名乗りをしてるだろ。

 

「市民が死人を寝かせずに私にシャアやアムロをやれと言う。ならば、市民が私を欺こうとしているという事だ。何度もシャアやアムロではないと言ってきた!」

 外部につけたブレスレット式マシンガンをサブアーム4組で織りなす十字砲火で叩き込み、そこにつま先についているトンチキヒートクローで蹴り飛ばす。つま先についた武器を好きで使うのは生え際アスラン程度のものだろうに!

 

『市民が望んだからその役割をしたのなら、それは市民を欺いての結果ということだ!マフティー・ナビーユ・エリンを名乗る人間が情けない!マフティー!情けないやつ!』

 はぁ?ふざけんなよ。じゃあ、お前が俺の代わりにやってくれよ、何度だってやってくれ!情けないとか情けなくないとか関係ないんだよ。ふざけんじゃねーよ!お前、高難易度レトロゲームに湧く指示厨か?ヘビーガンもどきをゆりかごにして!そのまま、そのヘビーガンもどきを電子レンジにしてお前をその中に入れたダイナマイトみたくしてやる!

 

 盾を回転させて投げ飛ばす。ビームサーベルを手元で合体させて前後に刃がある状態にするとそのまま、回転させながら斬りつける。当然相手は避けるがそこにアンカーを撃ち込む。

 

『そんな子供だましに当たるかってんだ!マフティーなら力を示してみせろ!人々の平穏を奪う悪魔の力を!』

 それが俺の意図ではない。アンカーで投げた盾を回収するとそのまま相手にアンカーによる巻取で盾をぶつけてダメージを与える。相手も気付いたが遅い!ビームサーベルの影からビーム・トンファーとボックス型ビームサーベルが伸びて、ヘビーガンもどきの装甲を焼く。相手のヘビーガンもどきはプラモがハンダゴテで焼かれたかのようなミミズがのたうち回るかのような焼きあとを晒す。

 

『こんなことで負けるわけにはイカン!ナンセンスだ!性能やパイロットの技能で負けるなどは許されはしない!』

 相手が頭部バルカンを連射するがそれは効きはしない。PS装甲もどきの力だ。

 

『な!バルカンの近接攻撃だぞ!ならば!』

 嫌な予感がする。一気に間合いを取ると背中のロングレンジフィンファンネルを明後日の方向に撃ち、反動で機体をずらす。そして、アンカーをデブリに刺して高速移動をする。

 

 ヘビーガンもどきの背中からヴェスバーとGバードを合わせたようなもどきが伸びてビームを吐き出してくるが、ビーム撹乱膜を出すミサイルを乱射して濃密にする。が、それでも勢いは止まりはしない。シールドを数枚投げてビームサーベルをサブアームを集束させ機体を高速で回転させて擬似的なビームシールドを展開させる。前方にある撹乱膜のおかげで大分勢いは削いだが、これで終わるとは思えない。

 

「そちらがビームでくるのなら!こちらもだ!」

 ロングレンジフィンファンネルをヴェスバーとGバードを合わせたビームにぶつけてやる。ビームにはビームをぶつける。ビームをビームで叩きつけるのがガンダムだろうに!

 

 それに‥‥。

 

「そうやって!撃つときは棒立ちなんだとなぜ気が付かん!」

 サブアームについたユニットが有線式で伸びてインコムではなくジオングの手のように機動する。有線式ならニュータイプもオールドタイプも関係はない。棒立ちになっているヘビーガンもどきに有線式が生み出す光の熱量を叩き込む。半円を描くように十字砲火を浴びせながら機体の回転をさらに加速させ、擬似ビームシールドのまま擬似有線式ビームで足止めしたヘビーガンもどきに突っ込む。

 

 広がる閃光、溢れる蒼炎、踏み鳴らされた街道のごとくデブリは吹き飛ぶ。ついでに俺の意識も飛びそうになる。遠心力と推進力が合わさり計器が16Gと出る。知るか!もっと叩き込まねばこちらが負ける。サブアームを操作しヘビーガンもどきを捕まえて同時回転をさせながら、回転させたヘビーガンもどきをベクトラに投げ飛ばす。ベクトラが吐き出す間近のミサイルに当たり、とんでもないほどの誘爆をする。

 

「あいつが核に当たった?」

 核に当たり誘爆したヘビーガンもどきはさらに蒼炎を広げるが、原型がないのでもはや意味はないだろう。ベクトラも次々に各ブロックが誘爆する。

 

『マフティー!ベクトラをやったのか?今はどうなっている?』

 ブライトからの連絡に背中に感覚を感じて、ブライトのラー・カイラム級の方を見る。何だあれ!

 

「対空をしろ!ブライト!来るぞ!」

 それは突如として来た。あの光はミノフスキーの輝き。そしてあの造形がMSらしくないものは!?

 

「ペーネロペー!?パイロットは!」

 ラー・カイラムとクラップが作り出す濃密な対空砲火を縫うように避けていく。

 

『これが、これがガンダム!悪魔の力よ!』

 ボッシュじゃねーか!何を反乱しているんだお前!

 

「ボッシュ!よせ!今なら間に合うぞ!」

 ペーネロペーに続くのはジェガン、BWSをつけた状態でやってくる。危険なんじゃないのかそれ!

 

『マフティー・ナビーユ・エリン!アムロ・レイを騙り、ブライト・ノア親子と共にアムロ大尉として地球連邦を奪った悪魔よ!いや!アムロ大尉の帰還する場所を貴様は奪った!正体を現せ!サイコフレームが生んだ幻影の存在よ!ニュータイプは万能ではない!虹の果てを繋ぐ悪魔のガンダムによって貴様に引導を渡す!よりにもよってニューディサイズを騙るなどは許されはしない!』

 アムロ・レイじゃないって言ってんだろ!アムロ・レイだっていつ言った?明言なんかしてはいない。

 

「そうやって死人に縋って死人を動かして働かせようとするから死人は寝てはいられないんだ。ニュータイプやらガンダムの神話を作るのは死人ではない!ボッシュ、お前のようなやり方の人間だ!ジェガンにBWSは危険だとわかっているだろうに!自分がガンダムだから許されるとでも勘違いしたのか?ガンダムは悪魔でも奇跡でもない!」

 シャアとアムロの名前を交互に言いやがってメトロノームか何かか?ふざけるなよ。ジェガンたちがBWSで次々にこちらのサラミスやマゼラン、クラップに襲いかかる。

 

 ジェガンたちはBWSの大口径ビーム・キャノンを撃ち込んだあとに急旋回をして失速する機体にBWSを離脱させて艦艇に叩き込む。エース部隊か!あれはグラハムスペシャルみたいな動きをしやがって!どいつもこいつも手間を掛けさせて!

 

『12年‥‥12年の時を超えて、アクシズ・ショックの瞬きを失わないために!だから悪魔の力を借りてでも!人々を騙す悪魔!その名はマフティー・ナビーユ・エリン!貴様を討つ!同じ悪魔を冠するなら力を寄越せ!ガンダム!その悪魔の力を!』

 ポエムとかどうでもいいし、怪文書を口から出すなよ。悪魔力だろうと悪魔が力をとかどうのとか知らない。悪魔とか言われても‥‥阿頼耶識でも詰め込んでから悪魔とか言ったらいいんじゃないか?

 

 ボッシュのペーネロペーがインコムを発射する。お前!それはリフレクターインコムと普通のインコムとシザーアンカーみたいのなのが混ざってるだろ!またかアナハイム!

 

「アナハイム!やはり、解体されて当然だ!悪魔の力と言うなら!その悪魔が起こしたアクシズの緑の‥‥虹の光は優しさではなかったと言うのか!あの虹は人類の優しさだろうに!」

 ボッシュが繰り出す攻撃を回避しながらビームサーベルを投げてビームライフルでビーム部分を撃てば、回転するビームサーベルにインコムたちの動きが鈍る。

 

『優しさを持った人間が!優しさを感じた人間が!アクシズ・ショックを隠して、アムロ・レイの捜索を打ち切り!シャアの捜索だけを続けろと言って省みなかった!反省をしなかった!地球連邦に反省を促すといって踊った人間だけがマフティーのマフティー性を表して、アムロ大尉の求めた人類の革新、いや、人の優しさによる人の可能性を示したのだ!私は今まで見てきた!アナハイムや地球連邦の汚いやり方を!アムロ・レイは政治に殺されたのだ!』

 ヅダ厨おじさんかな?ツィマッドおキメになられた?インターネットでレスバと陰謀論でもやってろ。バズーカをイジる。

 

「優しさに寄り添えなかったから、そうやって戦うんだろう!?優しさに本当に気が付いていたのなら、何故その力を別のことに活かさずにアムロ・レイに固執する!!アムロもお前がそうなるのを望んでいると思うのか!」

 ボッシュの動作を読んでジェガンを狙ってビームスマートガンを放ち撃ち抜く。ボッシュはそれに気が付いたのか近づくが、時限差で射撃をするようにさっき入れておいたバズーカが火を吹き、ボッシュはこちらに近付けなくなる。時間差で更に撃たれたバズーカの弾が炸裂する。この為に拡散タイプの弾薬を入れておいたからな。

 

『お前にアムロ・レイの何がわかる!』

 いや、ボッシュよりは小説とかアニメで知ってるけど。なんで女の取り合いみたくなってるんだよ!アムロはおっさんだぞ。シャアが悪いなシャアが。シャアはすべてが悪いとフル・フロンタルも言っていた気がする。だから情けない奴なんだよ。もっとボッシュは揺さぶらないと難しい。

 

「少なくともボッシュ、お前よりは知っているさ。アムロが起こした事はない。アムロは人類が生きていれば、やがては変革が生まれると思っていた。なのにそうやって急ぎすぎていれば人の死者が生まれ、死者に心を囚われて、アムロ・レイとシャア・アズナブルの蟠りになったララァ・スンの再来となる。死人は墓で眠るのが一番だとなぜ考えつかない?」

 レスバにはレスバが効く。機体を動かしバレルロールをさせながらサブアームでビームを乱射する。

 

 ボッシュは避けようとするが甘い。アムロなら前に進みながらリフレクターインコムでこちらのサブアームのビームを反射させて、こちらを蜂の巣にしようとしただろう。

 

『死人を起こそうとしたのはお前だろうに!アムロ大尉やシャア・アズナブルの名を騙り、したかったことは地球連邦大統領か!そんな俗物に大尉を語る資格は無いんだよ!』

 釣れた!すかさずアンカーを撃ち込み、サブアームでボッシュのペーネロペーを殴りつける。

 

「アムロの力を信じているのならば何故、その意志を引き継がなかった?アムロはアムロなのだから。そうやってやるのは、アクシズ・ショックでアクシズから手を離してしまったからか?違うだろう。その手を離した理由は‥‥。」

 ボッシュの機体がいきなり不規則な動きをする。なんだこいつ!

 

『そうだとしても許されはしない!それが大事なことだとしても!また俺をマフティーは惑わせる!惑わせれば良いものではない!アクシズ・ショックのあの暖かさは、あの光は!ギラ・ドーガもジェガンも押していた!あの現象こそが!あそこにあったものこそが!あそこであった事にこそシャア・アズナブルの反乱の意味があった!しかし!ブライトやハサウェイがそれを隠蔽するのを手伝い、今は笑う!笑うのは、笑えるのは、リ・ガズィに‥‥あのリ・ガズィに大尉がいてこそでしょう!大尉!』

 えっ?なにアンジェロか何かか?やっぱりクスィーやペーネロペーって強制強化人間化システムが搭載されているのでは?

 

「だからこそ、いまついてこいボッシュ!」

 揺さぶれたボッシュの隙をついて紅茶のもとに向かう。

 

『やはり、ガンダム‥‥悪魔の力よ‥‥。』

 ボッシュはこちらについてくる。ジェガン達はゼータヘッドのヘイズル・ラーに軒並み撃墜されていた。おかしいよな。

 

 ゼータヘッドのヘイズル・ラーやらゼータヘッドのジェガンやら、ゼータヘッドのバーザムに慣れてきている。

 

 紅茶との決着も近い。

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