偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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第43話

 月面の近くには艦隊がいた。なるほど、それらはムサイの最終型やティベなどで構成されているようだ。熱源によるとではあるが。

 

『大尉、いやに大きい熱源がある。おそらくはドロス級かジュピトリス級だ。』

 ブライトの言葉はたしかに大事かもしれないが、ドロスやジュピトリス級なんて秘密裏に建造していたとしたら、目がガバガバのモノアイから一個目を取り上げたような地球連邦軍の監視能力になると思うし、そんなものを用意できるんだから圧政なんかしてない証明になるだろ。

 

「ブライト!わかった。ギャプラン出るぞ。」

 レウルーラから金色のギャプランが出てくるのを想像したらだいぶシュールだな。置き土産もあるしな。

 

 

 広がる宇宙の漆黒の空間に機体を前へと滑らせる。圧倒的な速度、そして追いかけてくるハサウェイ達。月面は近いからこそあんなに戦力を向こうは出しているはずだ。だが、直感が囁く、フルサイコフレームのクスィーやクスィーも居ないのにジャックがいる可能性がある?いや、ない。

 

「そうか!そういうことなんだな!」

 サイド3を戦場にしないための撤退をしているのだろう。現に敵艦隊は少ない上に練度も悪そうだ。つまり、サイド3と月を囮にやつはソロモンを制圧しに行ったわけだ。

 

 別段、サイド3とは直接は彼らは関係ないとしている上に本体は火星と木星とアステロイドベルトにいる残党たちであるからサイド3が落ちても惜しくはない。むしろ、地球連邦の経済圏に取り込まれて軍資金を秘密裏に提供するATM化したほうがお得なわけだ。ジャックめ、よくやる。

 

「しかし!」

 多数のファンネルが飛んでくるがビームを反射するこの機体の前には無力だ。アムロが実弾を信じるわけだ。が、油断は出来ない。ファンネルを飛ばしてくる相手の姿が見えないからだ。巨大な兵器なのは間違いない。これは‥‥‥。

 

「光が来る!?ブライト、止まれ!」

 止まっていなければ目の前を焼く、光の奔流にデブリはキレイに焼け溶ける。

 

『アムロ!この光は何だ!戦艦よりも強いビームを感知したぞ!まさかあのときと同じか?』

 いや!アムロじゃないし!なんで今さらアムロ呼びするんだよ!だから、息子も環境テロリストになるんだろ。ごめん、言い過ぎたわ。

 

「ブライト!俺はアムロじゃない。それにニュータイプは万能ではない上に、逆立ちしたって人間は神様には成れはしないさ。あの光は恐らく‥‥‥。」

 ほら、姿が見えてきた。アレはゾディ・アック!?いや違うな。あの姿は見たことがある。ガデラーザ!?ゾディ・アックを素体にガデラーザを作ったのか?ヤスリとハンダこてとプラ板とパテでモノを作るモデラーかよ!メイジン・カワグチだってびっくりだよ!何を考えてそんなものを作るんだよ!

 

『大尉、あのMAをなんとかしてくれるか?』

 何とかするよ。何とかしてみせるしかないだろ、あんなもの!クッ!アレはファングか!アレを作るくらいならギラ・ドーガかギラ・ズールを数作ったほうがマシだろ。

 

「ブライトは無茶難題を仰る!これは!そこか!」

 飛んできた大型ファングのビームをシールドを投げて蹴り飛ばしサーフボード代わりにして乗り上げて防ぎ、シールドが燃え尽きる前に蹴り飛ばして加速しファングの側面に近付くと一気に切り裂く。そして、近付いてきた小さいファングを蹴り、殴り、ビームサーベルで切り、バルカンで撃墜する。そして、肩のバインダーに固定されているメガ粒子砲をビームマシンガンに切り替え撃墜していく。こっちはサーカスじゃないぞ!

 

「有線か!?」

 有線式クローアームや有線式ビーム砲が火を吹く。しかし、有線式ならこちらも長くやっている。線を叩き切る為にメガ粒子砲に切り替えて撃つ。こちらも背中に付いたバインダーを有線式で飛ばし、迎える。

 

 悪寒と目の奥が熱くなり、敵が近付いてくるのを感じる。

 

「ふざけるな!見えたぞ!」

 急変形をして飛ぶと、腕についた有線式のアーム武装システムで殴りつけて、アームシステムに付いたビームトンファーで叩き切る。ジェガンだ!ジェガンとジェスタがいる。なんだこいつら…いや、わかってしまった。最初からソロモンの連中とは同盟関係にあったのだ!人をおちょくりやがって!

 

『見つけたぞ!金色の不死鳥!傷が疼くんだよ!ルオ商会に見捨てられたあの日からな!ニュータイプの亡霊なんだろ!死人はちゃんと死んでないと駄目じゃないか!リタ・ベルナル!頭を切り刻まれて楽しまれたんだろう!俺みたいな失敗作の強化人間と違ってな!』

 何処がフェネクスだよ!ギャプランだろうが!デルタガンダムのほうがまだフェネクスに近いわ!強化人間が来ている?誰だこいつ!

 

「リタとかじゃない!大尉だ!だから、帰ってくださいよ!」

 機体がわかった!デルフィニウムをさらに改造しているぞ!コアはバウンド・ドック!?しかも、オーガスタの白色のカラー!?何だこいつ!?誰なんだよお前は!

 

『リタじゃない?誰だこの声は!ゲーツか?誰だっていい!ティターンズの旗の下にやられたことならお前らで、いや!人類が責任を持つんだ!ガンダム!悪魔の力よ!俺に力を!』

 いや、お前の機体ガンダムじゃな‥‥‥いや、否定できるか?もしかしたらガンダム合格検定をクリアできているかもしれない。

 

『誰だっていい!俺をこうした責任をとれ!強化人間だってな、消耗品の機体パーツだってな!ティターンズが崩れたら行き場もなく放り出されて、自由に生きろと金の一つも出さずに不名誉除隊されて許せるか!罪深き地球連邦!支援施設とは名ばかりの粗末なカビ臭い地下牢で!研究データを採られる気持ちがわかるというのかい!?ニュータイプさんよ!許せるか!この気持ち!地球が産んだ歪みが俺を歪ませたなら、お前らは俺の製造責任があるだろ!みんなが助かってるわけじゃないんだよ!いけ!ファンネル!焼き尽くせ!』

 はぁ!?いきなり出てきてベラベラと俺に身の上話をして、なんて言ってほしいんだ?ふざけるんじゃないよ!

 

「だからといって許されるというのか!」

 今、ジェット音を感じた!ハサウェイやヨナたちが来ている。もう少しの辛抱だ!

 

『許される!そうする権利がある!あと、伝えておくと裏切ったアナハイムに天誅を下すために月面にコロニーが、グローブがあったコロニーが落ちる!断罪だ!』

 いや、知らんがな。月面にコロニーが落ちてもルナリアンはなんとかするだろ。ルナリアンにグローブを落とすぐらいなら地球に落とせよ。逆恨みも甚だしいだろ。宇宙世紀は突飛すぎるんだよ。だから、ティターンズが滅びたんだろ。エゥーゴなんていうガバガバ組織に負けてさ。

 

『許されるわけがない!コロニー落としの痕を見たことがあるのか!!』

 ヨナが来たけど、ヨナの古傷を抉っている?

 

『コロニー落としをしたのが地球であっても、両側に武器を売ったのはルナリアンで!デラーズ・フリートにも資金を渡していたんだろ!?じゃあ、それは戦争をしていたって言うんだよ!強化人間の悲しみがわかるのか?頭を弄くり回されて、お前は幸せなんだろう?そうやってMSに乗って!!実験動物にされて!捨てられて!目的も居場所もなく!ニュータイプって奴なら!戦後もそうして生きてられた!』

 ニュータイプ研究所が悪いのであってそうやって言われても困るわ。ニュータイプ研究所ってティターンズと言うかレビル派閥と言うかニュータイプでもろくな目にあってないぞ。

 

『そんなわけ無いだろ!もしそうだったらどんなに良かったか!リタだって!ミシェルだって!』

 そんなめぐりあい宇宙されても困るわ!こっちはファングをぶち抜くので忙しいのに!ハサウェイ!早くこ‥‥いや、クスィーと戦ってる!この気配、アレはツヴァイの機体だな!クソ!バナージとリディはまたフルサイコフレームクスィーと戦っている。

 

 こっちがガデラーザもどきを倒すしかない!アムロなら簡単だろうがこっちはヤザン未満のオールドタ‥‥。

「チィッ!行け!インコム!」

 

 ファングがバンバン、レウルーラを狙う。

ブライト!なんとかしろ!冗談じゃない!

 

『‥‥なら、お前は奇跡の子か?あの公開された資料が隠してはいるが、ティターンズでは有名な仲間のニュータイプを売って生き残ったとかいう上手いことやって逃げきった奇跡の子!罪深き子!奇跡でお友達は救えなかったのか!ニュータイプの成りぞこないが!強化人間のなりぞこないが!半端なんだよ!だから、俺はどこに帰れば良いんだ!奇跡を起こせるならコロニーをアクシズ・ショックの様に押し返せた筈だろ!オーストラリアが壊滅して、ティターンズに体を弄くり回されて気持ちよかったのかい!』

 滅茶苦茶煽るじゃんコイツ!クッ!ファングが360度撃ってきて十字砲火してきて、うるさい!ヨナ、キレるなよ!フェネクスを呼ぶんじゃない!

 

『それは違う!アレは、ミシェルはそうじゃなかった!あいつは!』

 なんで、律儀にビームサーベルで切り合いながらレスバしてるんだよ!ガンダムかよ!そうだ、ガンダムだった!これでファングは61機目!

 

『なんでそう断言できる?俺とお前は一緒なんだよ!だからさ、辛いだろ?そんな女たちに囲まれてさ。そうだよ、殺して今、楽にしてやるってんだよ!お前は俺と一緒の強化人間のなり損ないだ!たまたま周りが良かっただけなんだよ!』

 まずい、ヨナがレスバに負けそうだ!なんでこうなるんだよ!たかが、MSという機械人形に過ぎないもので宇宙遊泳してるだけだってのに!

 

「こんな事を許せるか!ニュータイプなら強化人間なら、MSならMAなら人を守る兵器なら、人間ならオールドタイプなら人を‥‥人を救ってみせるんだ!人が許せば明日が変わる!許されたい命は許してやるのも人の定めだろうに!なぁ!答えろ!こんな世にしたシャア・アズナブル!」

 うん?画面に映るユニコーンが徐々に輝いている?緑の光!?

 

『ユニコーン!温かい‥‥これが今の人の気持ち。人はこんなにも温かいんだ!動け!ユニィィコォォォォン!!』

 一気に周りに緑の膜が広がり、一帯が包まれる。

 

『ミシェル!そこに居たのか!そうだな。そうか!やってみせる!アレは過去の俺だから!』

 ヨナ!勝手にスピリチュアルするな!まぁいい、ガデラーザもどきのファングも大半撃ち落とした!

 

「今度はこっちの番だぞ!」

 圧倒的に緑の光に後押しされるようにギャプランが加速していく。途中、何でも私のせいにするなとかいう声が聞こえたような気やブライトやハサウェイを頼むというような声が聞こえたような気がした。しかし、俺の疲れのせいだろう。俺は一般人でしかないんだから。

 

 ガデラーザもどきは主砲のエネルギーを溜めていたので、ジェネレーターを狙いメガ粒子砲を撃ち向こうを攻撃するが、主砲の充電をやめて半分に分離する。オープンゲッターかよ、お前!

 

「だが、遅い!届け!やってみせろよ!!」

 変形をして、突撃を開始する。突撃をしながらインコムとメガ粒子砲で相手を撃っていく。いや、これは!ゾアンもどきが頭部を離脱させて、その機体を質量があるミサイルとしてレウルーラに向かって放った!

 

「質量攻撃だと!」

 ふざけるなよ!なんとかしてやる!なんとでもなるはずだ!

 

「クソ!届かない、ブライト!」

 レウルーラの艦橋や土手っ腹に撃ち込まれそうになるゾアンもどきの鋭角の先端。

 

『こんなこと!悲しいだけじゃないか!』

 バナージの叫びとともにユニコーンとクスィーが光り、レウルーラに刺さりそうな機体を遅くし、それに気が付いたハサウェイがビームサーベルを振る。それは機体が放つピンクの光と同じピンク色で巨大になる。

 

『親父!オデュッセウスの名を冠するのなら!航海の加護ぐらい授けてみせろ!ただ遭難するのがお前じゃないんだろ!オデュッセウス!』

 そして、2機のゾアンもどきをダブルオーライザーもびっくりするようなビームサーベルで叩き真っ二つにすると、ペーネロペーは機体の動きを止めた。オーバーヒートだろう。

 

『まだ、無線は生きているか?大尉!これが僕の‥‥ニュータイプって奴です!貴方に届かなくても向かい続ければニュータイプになれるって!』

 そうなのか?よくわからないがフルサイコフレームがなんか悪さしてるだろ。バルジ斬りみたいなのを見せられても引くわ。

 

『ニュータイプになれる!?そんなわけ無いだろ!なら、俺は弄ばれただけって事なのか!なら本当に俺は失敗作じゃないか!許さん!お前だけは連れて行く!死ねぇ!』

 はぁ?強化人間が壊れかけの機体でハサウェイを狙い撃つ。途端にそのバウンド・ドックのオーキスもどきは爆散する。しかし、それが放った熱量は止まらない。射線上にヨナが割り込む。

 

「ヨ、ヨナ!」

 あれは直撃コースだ!ハサウェイの目の前でチェーンが使っていたリ・ガズィを元にしたぽいリ・ガズィ・カスタムでコックピットを直撃させるというのか!動け!ギャプラン!なぜ動かん!

 

 ビームはリ・ガズィ・カスタムに近づいていた。

 





 ヅダにツインドライブをつけて、ツインターボをパイロットに乗せる二次創作が見てみたい。



 艦の中から、ある男は宇宙を見ていた。男は元ギレンの直轄の部隊出身であり、ギレン暗殺を見て急いでア・バオア・クーを抜け出した。

 グラナダに落ち延び、デラーズを知った。デラーズに協力をしながらもその性急なコロニー落としには賛同できなかった。
 
 理念はすばらしいが行動は伴っていない。それをするならば宇宙海賊でもして、裏切り者のルナリアンやサイド6を締め上げて決起の機会を待ったほうがまだ建設的だ。

 幸い、アナハイムの職員に金を渡せばアナハイム社員としていくらでも地球上に立てるのだから、そうやってアジテーションをして、地球連邦を分断すればいい。分断さえしてしまえば腐敗した納屋など蹴り飛ばせば倒壊する。

 短慮で終わってしまったが北米に落ちたコロニーにより、サイドに食料を要求するようになった地球、まことしやかに囁かれるサイド共栄圏に現実味が帯びる。

 そうこうしている間にグリプス戦役と言う地球連邦の内乱が始まった。アクシズがやってきたがアイツらは宇宙を軽視し、地に向かった。サイド共栄圏をしないとはやはり、女の小娘では難しいのだ。そして、小娘と小僧の内乱になりサイドは疲弊した。

 サイド共栄圏の機運は下がってしまった。この頃には私はサイド1で諜報活動をするようになった。

 その後も色々小競り合いはあり、シャアの反乱により草刈りが始まりそうなサイド1を捨ててサイド6に逃げ込むが、結局はネオ・ジオンに参加していた。死に場所を探していたのだ。

 カランとウィスキーの氷が溶けてグラスがなる。それでも死にきれなかった。憎んでいたアムロ・レイと共にアクシズを一緒に押した。そして、押し返すのに成功したが機体の手が離れずにアクシズと一緒に流され、火星に流れ着き、切腹をしようとしたがそうもなれず、気が付けば火星のスパイとして地球に下り立った。その時に手伝ってくれたのがイギリス人だ。

 そこで何年か暮らした後にあの男を見つけて、俺は心を揺さぶられ、会話をして確信し、残されたノートを見た時に体を雷で撃たれたような衝撃が走った。あの男は真のニュータイプだと。ならば、私のニュータイプ論とあの男のニュータイプをぶつけて、また人工のアクシズ・ショックを起こせば人類は目を覚ますだろう。

 人工のアクシズ・ショック再現は可能と不死鳥事件で私は知っている。もし、あの男のニュータイプがまけても、こちらのニュータイプであるプルシリーズとそれとノートの論文を元にプロトタイプを作ったレギオによって管理する。オールドタイプの男女にプルシリーズやレギオを充てがい、強制的に次世代をニュータイプにするプロメテウス計画。

「間違っているなら真のニュータイプに止められるはずだよな。マフティー、待ち遠しいな。」

 アナハイムが作った至高の機体を手にジオンが負けに転じたポイントで、デラーズが一矢報いたソロモンへと向かった。

「マフティー・ナビーユ・エリン。確かにお前はマフティー・ナビーユ・エリンだよ。だから、私と戦うしかない。どちらかにしか勝利の女神は微笑まないからな。」

 ロックのウィスキーを飲み干すとあの男との‥‥オーストラリアでの語らいを追憶しながら深く息を吸い込んだ。


 どこかの青く光るMSは緑に輝きながら、デブリにぶつかった途端にフレームを再生させながら進み、尻尾を更に長くし蒼い光を増していく。最初に比べて目的地は近い。


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