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“放送100年プロジェクト”が伝えたいこと

「JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります」

1925年3月22日、東京・芝浦の仮放送所から
日本のラジオ第一声が流れました。
関東大震災からおよそ1年半後、
人々に確かな情報を伝えたいという思いとともに、
ラジオという新しいメディアが始まりました。
初代総裁の後藤新平は放送の役割として、
「文化の機会均等・家庭生活の革新・教育の社会化・経済の敏活化」
を掲げました。

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東京放送局 芝浦仮放送所 指揮室

NHKの戦後の歩み

1950年6月、放送法が施行され、日本放送協会(NHK)は、
公共放送を担う特殊法人として再出発しました。
1953年2月にはテレビ放送が始まりました。「紅白歌合戦」もテレビで放送されるようになり、国民的な年末行事として定着していきます。

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第3回  NHK紅白歌合戦

カラーテレビと衛星放送

1960年にはカラーテレビ本放送が開始。
1963年4月、のちに“大河ドラマ”と呼ばれる大型時代劇の第1作「花の生涯」が始まります。東京オリンピックや大阪万博のテレビ中継に人々は沸き、
1971年には総合テレビが全面カラー化されて、番組はいっそう豊かさを増していきます。1989年に本放送を開始した衛星放送は、大リーグ中継など
多様な番組を生み出しました。

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大型時代劇「花の生涯」

デジタル放送とインターネット

2000年代に入ると、デジタル放送が普及。
2008年にはNHKオンデマンド、2020年にはNHKプラスなど、
インターネットでのオンラインサービスが提供されるように。

これにより、視聴者は好きな時間に番組を視聴できる選択肢が増えました。技術の向上とともにさまざまなメディアでコンテンツを届けてきたNHKが2025年3月に放送100年を迎えます。

視聴者の皆さんが受信料でNHKを支えてくださったからこその歩みであり、
その感謝の気持ちを込めて、さまざまなコンテンツをお届けしていきます。

今回の広報局noteでは、
NHKが一丸となって取り組む"放送100年プロジェクト"について
お届けします。

【放送100年事務局 松岡大介事務局長】

①2025年は放送100年。
NHKの組織横断プロジェクトとは?

2025年3月22日は、日本で放送が始まって100年の節目です。
NHKでは放送100年を迎えるにあたって、視聴者の皆様に感謝の思いを込めて、放送100年プロジェクトを立ち上げました。
ラジオからテレビまで、報道からエンターテインメントまで、
さまざまな波とジャンルで放送100年にふさわしい魅力的なコンテンツを
発信していくプロジェクトです。

↑↑ ホームページでプロジェクトの取り組みをご紹介していきます ↑↑


放送100年プロジェクトの事務局長を務める松岡と申します。
今回は、プロジェクトを進める上で日々私が感じていることについて
書かせて頂きます。
 
事務局を立ち上げたのは、2023年秋のことです。
当時、私は編成センター長を務めていましたが、
放送100年はNHKのコンテンツ全体に関わることなので編成が中心となって進めることにしました。

プロジェクトを進めるにあたって意識したのは、
すべての職員が参加するオールNHKのプロジェクトにするということです。
NHKにはニュース現場で取材に当たる記者から、
役者と珠玉のワンシーンを撮影しようとするドラマのディレクターまで、
多種多様な人たちが働いていますが、専門性が違うため普段はほとんど
関わる機会がありません。
こうした多様な組織に風穴を開けることで「新しい発想」を
生み出していこうと考えたのです。
プロジェクトには、さまざまな部署のプロデューサーや記者、
さらに制作現場以外の広報や総務の職員、
それだけでなく地域局の職員も参加しています。
部局の壁を越えてオールNHKで取り組むことでこれまでにないアイデアが
生まれ、視聴者の皆様に喜んでもらえるコンテンツをお届けできるチャンスだと考えています。

「オールドメディア」という言葉があります。
スマホで簡単に情報が得られ、ネットに動画コンテンツがあふれる時代、「テレビ離れ」という言葉さえも最近では聞かなくなりました。
編成にいると毎日視聴率などの指標を見ることになるのでメディア環境の
変化は痛感しています。一方でテレビのコンテンツ制作力はまだまだ負けていないと個人的には感じています。まだやれることはあるし、「我々は、オールド(=古臭い)ではなく、レガシー(=伝統ある)メディアなのだ」と
「テレビの底力」を示したいと日頃から思っています。

放送100年を機に「NHKもまだ捨てもんじゃないな」と思って頂きたい。「さすがNHK。NHKにしか作れない番組だ」と感じてもらいたい。
放送100年という大きなプロジェクトの事務局長を務めることは責任もありプレッシャーですが大きなやりがいを感じています。

ここで簡単に自己紹介をさせて頂きます。
私は、報道番組のディレクターとして入局。それから長年、
NHKスペシャルの制作など報道一筋の仕事をしてきました。
ところが異動をきっかけにたまたまバラエティー番組のプロデューサーを
担当することになり、さらに何かの縁でドラマのプロデューサーも務める
機会もあり、自分の視野の狭さに気づかされました。
また、テレビ放送70年を共に迎えた日本テレビとNHKが、
コラボレーションを行った際に制作統括を担当。
部局の壁を超えてスピーディーに企画を実現し推し進めていく日本テレビとNHKの社風の違いを痛感しました。
NHKには専門性を持った優秀な人材がたくさんいますが、
組織が大きいが故に自分が所属する組織や番組のことだけを考えがちです。ともすれば、引いた目線で自分の仕事を俯瞰できなくなり、発想も限定的になり新しいことができなくなってきます。
組織風土を変えることは簡単ではありませんが、放送100年を機に多くの人が関わることで「化学反応」が起き、新しいコンテンツを生み出せないか。それが、テレビやラジオの底力を示すことにつながると考えています。

②大切なのはコンテンツ、そしてNHKのブランディング

プロジェクトでは、NHKの新しい看板番組や大型の特集シリーズの開発などを進めていますが、コンテンツを作ること以外にも様々なことに取り組んでいます。そのひとつが、キャッチコピーです。
通常、キャッチコピーは事務局メンバーなど一部の担当者だけで決めることがほとんどです。今回は全職員を対象にアンケート調査を行い、
集まった声をヒントに複数のキャッチコピー案を作成、
職員に投票してもらって決定する形をとりました。
職員一人ひとりに立ち止まってもらい「NHKのこれから」を考えてもらう
きっかけにしたかったからです。

NHKで働くみなさんや出演者のみなさまにも数多く投票してもらい、
決まったコピーは
「ひとりを思う、みんなのメディアへ。」です。

投票の際に、職員から寄せられた声をいつくかご紹介します。

「時代に合わせて多様性を尊重した新たな変化を取り入れるという
攻めの姿勢が感じられる。」

20代地域局

「ネットの情報がトレンドやアルゴリズム、レコメンドで左右される今、
小さな声ひとつひとつに目を向けて発信できるメディアが必要だと思う。」

30代報道局

「優しさと謙虚さがいちばん伝わるキャッチコピーだと感じた。」

40代地域局

「生きづらさや孤立状態に置かれている方々に、
少しでも『このコンテンツは自分に向けられたものだ』と感じていただき、絶望しないような発信ができるNHKでありたい、
職員が力をあわせてそうしていきたいという希望を込めた」

50代アナウンス室

NHKの将来を真剣に考える、一人ひとりの熱量を感じました。
手間はかかりましたがやって良かったと思っています。

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多様性が求められる時代、国民一人ひとりの声に耳を傾け公共放送としての役割を果たしていくという覚悟を表したものです。
多くの人がSNSなどネットから情報を得るようになった社会で
今後マスメディアはどう役割を果たしていけばいいのか、
自問自答していかなければならない課題でもあります。
制作者一人ひとりが、番組を視聴してくれる視聴者の姿を想像し、謙虚に寄り添っていくことがますます大事になってくると思っています。
放送100年プロジェクトを通して、職員全体が「新しい公共性」について
考えるきっかけになることを期待しています。

③プロジェクトに託したい思い

放送100年までまもなくです。すでに関連番組の放送が始まっています。

これまでに放送してきたNHK紅白歌合戦の中から、視聴者のみなさまの心に残る「ベスト紅白」を募集するキャンペーン「みんなのベスト紅白」、
そして1月からは江戸文化を花開かせメディア産業の礎を築いたと言われる蔦屋重三郎を描いた大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」もはじまりました。放送100年に相応しい大河ドラマです。
この他、NHKスペシャルなど様々な番組で放送100年ならではの企画を
温めています。

膨大な映像資産を皆さんに楽しんでもらいたい。
テレビやラジオの可能性を改めて感じてほしい。
そんな思いで制作現場は日々準備を進めています。
多くの視聴者にNHKの番組を視聴してもらい「これからもNHKは必要だ」と思っていただけるように精進していきたいと思っていますので、
是非、ご期待ください。

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日本文化の神髄に迫るNHKスペシャル「新ジャポニズム」

【放送100年事務局 
板垣淑子エグゼクティブディレクター】

①放送100年プロジェクトが発信すること

放送100年プロジェクト全体の目的については、
プロジェクトの松岡事務局長より語って頂きました。
私は、具体的な番組やイベントなど、プロジェクトをどう推進していくかという段階で、現場との橋渡しや調整をしている板垣と申します。 
さて、そもそも、NHKの放送100年プロジェクトについては
「具体的にどんなことをするのだろう?」
という方も多いと思います。
目に見える形で「100年プロジェクト」がわかる一番の山場は、
放送100年の節目、2025年3月22日(土)の前後に、
スペシャルコンテンツを集中編成する時期
です。
実は、100年の節目を待たずにいくつかの番組はすでに放送していたり、
まもなく放送されたりするものもありますが、放送記念日のある3月は、
イベントや番組が目白押しで、視聴者の方々には、
この機会に100年プロジェクトを通して数多くの番組を楽しんで欲しいと
思っています。

いち早く1月5日(日)から放送が始まった大河ドラマ「べらぼう」。
そして、べらぼうと連動してスタートしたのが日本文化の神髄に迫る
「新ジャポニズム」のプロジェクト。この大きなプロジェクトでは2025年、年間を通して総合テレビ、BS、Eテレで関連番組を放送していきます。
BSでも、2月から大河ドラマの主人公、蔦屋重三郎の人物像を描く
ドキュメンタリーなどを放送する予定です。

総合テレビで2月からスタートするのはNHKスペシャルのシリーズ
臨界世界―ON THE EDGEー」。
戦争や貧困など世界各地で限界ギリギリの“臨界点”ともいわれる状況が続く中、その「臨界世界」で生きる人々をルポで描くシリーズです。

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 3月には、Eテレの長寿番組「きょうの料理」で100年のスペシャル特番をお送りします。
「食べることは生きること」きょうの料理の原点を見つめます。

そして、いよいよ放送記念日の当日、3月22日(土)には100年の節目に
これまで活躍してきたアナウンサーが大集合。
生放送で記念日を盛り上げます。
さらに3月24日(月)から28日(金)までの1週間は、
「放送100年ウイーク」と位置づけ、
定時番組もスペシャル版でお伝えします。
小さな旅」「チコちゃんに叱られる!」「クローズアップ現代」「新プロジェクトX~挑戦者たち~」「歴史探偵」など数多くの番組が100年を盛り上げていきます。

3月にお届けしたいのは、それだけではありません。
NHKの幅広いジャンルの番組を体験していただける大型イベント
超体験NHKフェス」も開催します。

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NHKホールのほか、渋谷にある各会場では、子ども・ファミリー向けの
Eテレ番組から、ドラマ・エンターテインメント・ドキュメンタリー番組までNHKの多種多様な番組を体験いただけます。
NHKホールでは番組の公開収録を行います。
みなさんの「こんな紅白が心に残っている」という声を集めてきた「みんなのベスト紅白」、大河ドラマ「べらぼう」のファンミーティング、4月からの連続テレビ小説「あんぱん」のトークショーなど8つのイベントを予定。
Eテレの人気キャラクターが集結する
「みんな集まれ!こどもうたまつり」には、新キャラクターも登場。
放送100年節目の年に生まれた「Wakey(ウェイキー)」です。

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ホールのイベントでご覧頂けるだけでなく、
渋谷・宮下公園など各会場でふれ合うこともできます。
さらに各会場には全国54の放送局から「ご当地どーもくん」が大集合。
ぜひ渋谷の街にもお越しください。

②放送100年プロジェクトはどんな組織? 

放送100年のプロジェクトは、
全員参加で一丸となって取り組むと説明しました。
「全体会」では、東京・渋谷の放送センターからは各部署の責任者や統括が参加、地域の放送局からは放送の責任者などが参加しています。
毎月1回、リモート会議を開催し、どんな取り組みが進んでいるのか、
情報を共有し、様々なイベントや番組を地域でも展開しています。
そうしたプロジェクトを主導的に進めてくれているのが、
4つの分科会です。

① キャッチコピーやロゴなどのコンセプト、
外部発表のあり方などの広報戦略を練ったり、
プロジェクトのイメージ戦略などを組み立てる“コンセプト分科会”

②定時番組(ニュースや番組など幅広い)の担当者らが参加し、
100年の節目に何ができるのかを検討するための“定時番組強化分科会”

③NHKスペシャルや特集番組などで100年の節目に何を発信していくのか
検討する“特集番組開発分科会”

④100年を機に新たな定時番組や特集番組を開発していく
“新番組開発分科会”

各分科会には、様々な部署から、
それぞれ異なる専門性をもったメンバーが集まっています。
これまで個々の番組制作では、面識のなかったメンバーが一緒に取り組む
機会となったことで、そこに新しい何かを生み出す希望があるのではないかと感じています。そんな新しい可能性が生まれる瞬間、感じるのは
「やっぱり現場はすごい」ということ、それに尽きます。
「何か面白いことをやってやろう」という人たちのエネルギーに触れ、
その可能性が広がっていくと信じられるからこそ、
プロジェクトを推し進めていけるのだと思っています。 

③NHKにある番組アーカイブスを活用 

もうひとつ放送100年プロジェクトでは、
これまでの放送で蓄積されてきたアーカイブスを見直し、
実は「宝の山」だったアーカイブスの価値を再発掘して、
視聴者に還元していく試みも進めています。
これまでは、番組ごとにアーカイブスを活用してきましたが、
その資産をどう未来に残していけるのかも同時に模索しています。 
いま、地域局でも100年を機に「これまで日の目を見ることのなかった
膨大なアーカイブスを活用していこう」という様々な取り組みが
始まっています。
中でも、放送100年プロジェクトが注目しているのは
「カラー化プロジェクト」です。
NHKが開発したソフトを編集機に組み込むと、編集機だけでカラー化が実現できるという技術が少しずつ広がっているからです。
地域局の中には、若手の編集担当者などを中心に、自局の財産であるアーカイブス映像をカラー化し、地域放送を開始している局があります。
放送100年プロジェクトでは、こうした動きをキャッチし、
各局のカラー化素材を活用しながら、
全国放送にも結びつけていこうと取り組み始めています。

④2025年度はずっと放送100年! 

3月の山場を越えた後、
放送100年プロジェクトは2025年の100年イヤーを走り抜け、
一年間にわたって続いていきます。
夏には「戦後80年×放送100年」を展開、番組やイベントなどを通して、
戦争を伝え続けてきた意味をもう一度考え、改めて平和の尊さを世界に発信できる機会にしていけたらと思っています。
そして、夏から秋にかけては「宇宙・未来プロジェクト」として、
宇宙や人類の未来を考える番組なども編成していく予定です。

この取り組みを続けていった先に、
「次の100年につながる何かを残したい」とわたしは思っています。
「100年先の未来、メディアの可能性を信じて今できることは何か」
その歩みを進めていくこと、それが放送100年プロジェクトです。

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放送100年事務局 渡邊、小山編成主幹、松岡事務局長、板垣、吉住、東


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