なぜ?今年は特に国勢調査をかたる詐欺的行為に警戒しなければならないのか すにで不審事案も発生 #エキスパートトピ
5年に一度行われる国勢調査が始まります。これは日本に住むすべての人と世帯を対象にした統計調査です。調査書類は、9月下旬から各世帯に配布されて、ネットでの回答か、調査票は郵送や調査員に直接提出することができます。
この時期に懸念されるのは「国勢調査」をかたる詐欺です。すでに国民生活センターや多くの自治体から注意喚起がなされていますが、「国勢調査」を名乗り訪問する事案が発生しており、詐欺などにつながる恐れのある「かたり」の行動は早くも起きています。特に今年はこうした詐欺行為に気をつけなければなりません。
ココがポイント
日本に住むすべての人と世帯を対象とした、最も重要な統計調査がはじまります。
出典:総務省統計局
国勢調査をかたる不審な電話や訪問に関する相談が全国の消費生活センター等に寄せられています。
出典:国民生活センター 2025/9/2(火)
逮捕容疑は昨年11月、特殊詐欺グループに、15府県に住む60~80代の高齢者計約1万5千人の名簿データを約18万円で販売
出典:産経新聞:産経ニュース 2025/8/12(火)
警察庁は31日、今年上半期(1~6月)の特殊詐欺の被害が暫定値で過去最悪の1万3213件(前年同期比4256件増)に上り
出典:読売新聞オンライン 2025/7/31(木)
エキスパートの補足・見解
9月初め、山形県の男性のもとに「『国勢調査です』と訪問があり、対面が必要といわれた」との事案があり、国民生活センターにも「国勢調査に協力しないとブラックリストに載る」(70代女性)との不審電話の相談もあり、今年に入りすでに「かたり」行為が起きています。
特に今は、警察をかたる詐欺が猛威をふるっているので、気をつけなくてはなりません。ニセ警察官を信じそうになった人の話を聞くと「最初に私の名前を話してきたから」という方が多くいます。つまり、詐欺グループはスマホの電話番号と、本人の名前を一致させた洗練された名簿を持っているために被害が広がっているといえます。ここには闇の名簿屋の暗躍があり、個人情報を聞き出される懸念が高まっています。
国民生活センターも国勢調査では「年収、預貯金額、銀行口座の暗証番号、クレジットカード番号等の資産状況などを聞くことは絶対にありません」と呼びかけます。
「国勢調査」をきっかけにした詐欺にも警戒が必要です。同センターは「国勢調査だ。答えなければ2時間後に電話は使えなくなる」(40代男性)との電話があったとしていますが、典型事例といえます。この先には間違いなく警察をかたる詐欺が待っています。