「きみたち農家は世襲?」
そして意見交換会では、同世代の若手農家を前に、小泉氏がこんなことを語る場面もあった。
「農業を嫌々やっているわけじゃないよね? きみたち農家は世襲?」
青年協側は、
「僕たちは世襲どうこうじゃなく、なりわいとしてやっている」
と、説明。すると、小泉氏は。
「僕もそうだ! 世襲で全部引き継いでいるわけじゃなくて、イチからやっている。やりとげる政治をやっている」
と語ったという。
今の農業は古い、農協のあり方もおかしい、今こそ新しい農業への構造改革が必要だ―。
そんなドラスチックな変化を求める進次郎氏の主張に対し、前出の農協関係者は嘆息する。
「小泉さんの発想は、都市部の人が単純に考えるような典型的な農業の経営化で、実態に合っていないのが気になります。稼げる農業というのは全体のごく一部で、普通に主食米を作っている農家がいて、日本のコメ生産は成り立っています。果たしてそこを理解しているのか。小泉さんの話を聞いていると、天候や湿度が管理できて、そりゃ太陽の機嫌がとれればいいけど……と思うような話ばかりです」