9月10日の「歴史探偵」は幕末の「ええじゃないか」事件を採り上げていました。これは1867年7~12月に全国規模で起こったダンスブームですが、初発は三河国牟呂村(愛知県豊橋市)でした。伊勢神宮・外宮の御札が降ったことを吉兆と見た庶民が「ええじゃないか」と唱えて踊りながら練り歩き、札が降った家では踊る民(祭の参加者)に酒や食事を振舞うという様式が定着したようです。この現象を深掘りすれば、貧しい民が早朝に豪農や豪商の家に札を置いて始まったと思われ、働き詰めの貧民によるストと祭を利用した接待要求だという解釈が可能です。事実、当時の民は地震・台風・飢饉・コレラ・物価高騰(インフレ)…に苦しめられ、一揆・打ち毀しも頻発する社会情勢でした。
しかし、ここで番組はインフレが起こったのは貨幣改鋳(金含有量↓の万延小判が流通)のせいと解説しましたが、この説明は貨幣論的にも国際経済史的にも不公正です(※貨幣論は「C 14th season」を参照)。当時のインフレは外国商人が国産品を安く買い叩いた(→モノの供給過小によるコストプッシュインフレ)ためであり、同時に不公正な交換比率で金銀が流出した(→カネの供給過小による不況)ために大不況でした。この件で活躍したのが幕臣の小栗上野介忠順です(※国際経済史は「C 19th season」を参照)。
全国に拡大した「ええじゃないか」は京では違った様相を見せました。踊る民が京都守護職(松平容保)と新撰組による倒幕志士の取締りを撹乱し、ブームは大政奉還(1867年10月)と共に収束したと岩倉具視は日記に綴りました。つまり岩倉や大久保一蔵などの倒幕派こそが京での仕掛人だった可能性が伺えます。彼らは「錦の御旗」を捏造して帝を政治利用することも厭わなかった連中ですから、民の困窮(から起こった騒動)も利用しないはずがありません。英仏の代理戦争としての内戦(戊辰戦争)も新政府の失政(インフレ継続etc.)から民の目を逸らすという目的があったでしょう。
さて、利用できるものは何でも利用し、より利用しやすい形に変え、それを時処位が変わっても維持したがる連中は現代日本にも跋扈しています。天皇・皇室を政治利用してきた政治屋や各種団体など男系主義に固執する輩です。それゆえ、今こそ我々は『愛子天皇論3』寄贈運動を「ええじゃないか」以上の国民運動とし、皇統断絶を画策する仕掛人や勝ち馬ライダーどもに「否」を突き付けるべきなのです。
文責:京都のS
10 件のコメント
京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)
2025年9月14日
SSKA様、※ありがとうございます。幕末の当時なら、敵サイドを国賊として斬る人々が居た(実行者が正しい側に居るかは別問題)ので緊張感を持って政治活動をしたでしょうが、今の永田町には議席さえ守れれば緊張感も覚悟も要らんという御仁で溢れかえっています。そういう人々は日本会議・神政連・統一協会の顔を伺うことしかしません。第三極に成り上がった参政党は親トランプが過ぎて危険すぎますし、メディアは視聴率や発行部数しか見ていないから事の本質などどうでも良いのでしょう。寄贈運動しかないですね。
くりんぐ様、※ありがとうございます。まさにその通りです。「愛子天皇でええじゃないか」「次は女帝の時代でええじゃないか」「女性の時代が来てええじゃないか」とね。
くりんぐ
2025年9月13日
次の天皇は、今上陛下の直系である愛子さまでええじゃないか!
SSKA
2025年9月13日
民衆の不安や不満を政治闘争(党内抗争)の起爆剤にして扇動して糾合を図り、自らが勝とうとするのは今の自民総裁選も全く変わらないと思います。
2度の選挙の敗け、野党有利の情勢、第三極ブーム、これらも水物みたいなものですけど、気に入らないので水を差して有利な状況を得る為に仰々しく演出しながら実体として国民を無視しているのが政府の現状でしょう。
その思惑に乗っかり政治ショーを焚き付けるマスメディアも安易に乗せられる一部の有権者も幕末の騒ぎとほとんど変わらないでしょうね。
京都のS
2025年9月13日
本シリーズは第1弾~第36弾までは「〇th season」で続けてきましたが、第37弾以降は、「『中二病』に『保守』は難しい(C37)」、「シラケた日本国民を活気づける画期は愛子様の立太子!(C38)」と副題を前面に出しました。これは例えば「ジョジョの奇妙な冒険」が第1部から第5部までは副題を付けず、第6部からは「ストーンオーシャン」(6)、「スティール・ボール・ラン」(7)、「ジョジョリオン」(8)、「ジョジョランズ」(9)と変わったのと同じ現象です(笑)。
京都のS
2025年9月13日
ふぇい様、ありがとうございました!
ふぇい
2025年9月13日
本文中のリンクし忘れておりました。
ただいまリンクしたものをアップしました。
大変失礼いたしました。
京都のS
2025年9月13日
ジョージ様、※ありがとうございます。『愛子天皇論3』寄贈運動は、例えば事務所訪問のレポートで顕著ですが、静かに空気が変わっていく様を実感できます。そう、勝ち馬ライダーを転向させることも可能ではないかと思えてきますね。
あしたのジョージ
2025年9月13日
デモには1度も参加したことがないですが、愛子天皇論3の寄贈運動には参加させてもらっています。
最近だと財務相解体デモがありましたが、なんか辛気臭くて嫌ですね~
愛子さまでええじゃないか運動の方が、静かで良いと思います。
ちょっと地味ですが。🥹
京都のS
2025年9月13日
申し訳ありません。以下のリンクが出来ていませんでした。
・「C 14th season」:( https://aiko-sama.com/archives/48337 )
・「C 19th season」:( https://aiko-sama.com/archives/52872 )
京都のS
2025年9月13日
ふぇい様、掲載ありがとうございます。これは本来「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!」シリーズの39弾なので、1~38を以下にリンクしておきます。
第1弾~第37弾は以下です。
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!1st season」( https://aiko-sama.com/archives/36871 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37083 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!3rd season」( https://aiko-sama.com/archives/38400 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!4th season」( https://aiko-sama.com/archives/42223 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 5th season」( https://aiko-sama.com/archives/43664 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 6th season」( https://aiko-sama.com/archives/46020 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 7th season」( https://aiko-sama.com/archives/46118 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 8th season」( https://aiko-sama.com/archives/46543 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 9th season」( https://aiko-sama.com/archives/46734 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 10th season」( https://aiko-sama.com/archives/46928 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 11th season」( https://aiko-sama.com/archives/46948 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 12th season」( https://aiko-sama.com/archives/47573 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 13th season」( https://aiko-sama.com/archives/47597 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 14th season」( https://aiko-sama.com/archives/48337 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/48744 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 16th season」( https://aiko-sama.com/archives/50146 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 17th season」( https://aiko-sama.com/archives/50633 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 18th season」( https://aiko-sama.com/archives/51972 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 19th season」( https://aiko-sama.com/archives/52872 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 20th season」( https://aiko-sama.com/archives/53304 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 21st season」( https://aiko-sama.com/archives/53746 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 22nd season」( https://aiko-sama.com/archives/53796 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 23rd season」( https://aiko-sama.com/archives/53979 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 24th season」( https://aiko-sama.com/archives/54238 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 25th season」( https://aiko-sama.com/archives/54670 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 26th season」( https://aiko-sama.com/archives/54677 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 27th season」( https://aiko-sama.com/archives/55913 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 28th season」( https://aiko-sama.com/archives/56530 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 29th season」( https://aiko-sama.com/archives/56568 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 30th season」( https://aiko-sama.com/archives/56733 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 31st season」( https://aiko-sama.com/archives/57062 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 32nd season」( https://aiko-sama.com/archives/57766 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 33rd season」( https://aiko-sama.com/archives/57929 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 34th season」( https://aiko-sama.com/archives/58076 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 35th season」( https://aiko-sama.com/archives/58236 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 36th season」( https://aiko-sama.com/archives/58749 )
・「『中二病』に『保守』は難しい(C37)」( https://aiko-sama.com/archives/59090 )
・「シラケた日本国民を活気づける画期は愛子様の立太子!(C38)」( https://aiko-sama.com/archives/59990 )
他にケインズ主義について書いた記事は以下です。
・「インペリアル・グローバリズムという悪夢2」( https://aiko-sama.com/archives/33381 )
・「時処位の変化と制度改革」( https://aiko-sama.com/archives/32084 )
・「歴史から自由になった日本人民は皇室を戴けるか?(下)」( https://aiko-sama.com/archives/22681 )
・「権力者・愛子天皇の治世を仮想してみれば…」( https://aiko-sama.com/archives/22571 )
・「齟齬が生じたなら万難を排して改めよ!」( https://aiko-sama.com/archives/34107 )
・「思想マトリックスに皇統問題を加味してみた(表)」( https://aiko-sama.com/archives/29761 )
・「博愛と競合の間(余)~圧倒的に節度が足りない!」( https://aiko-sama.com/archives/37381 )
・「合理と感情の間~良識なき言論人を葬送せよ!」( https://aiko-sama.com/archives/38156 )