「硫化水素で腐食した下水道管が原因」と中間報告
ことし1月、八潮市で発生した道路陥没事故について、原因究明委員会は、道路陥没の原因は、「硫化水素によって腐食した下水道管に起因するものと考えられる」とした中間報告を発表しました。
原因究明委員会は、土木工学などを専門とする大学教授ら外部の専門家9人で構成されています。
委員会が発表した中間報告によりますと、道路陥没の原因は、「下水道内の硫化水素によって腐食した下水道管に起因するものであると考えられる」としています。
その理由として、・最初に陥没した穴が、下水道管の真上で発生した点や、・陥没の深さより深い地下埋設物は下水道管のみである点などを挙げています。
また道路陥没に至るまでの流れは、下水道管に小さな隙間が生じ、そこから下水道の上の土砂が流出することで地中に空洞が発生、その後、年単位の時間をかけて空洞が成長したことで道路が陥没し、その影響で下水道管が崩壊したというシナリオが有力だということです。
委員会は今後、残った土砂の回収や試験などをもとに、道路陥没のシナリオの妥当性の検証を行うとともに同様の事故を防止するための点検や調査方法について検討を進めるということです。
中間報告を受け大野知事は、「大規模な下水道管の点検・調査方法の抜本的見直しや対策方法の確立の必要性など今回の事故で浮き彫りになった課題について、引き続き、国に対しても積極的な取り組みを求めるとともに下水道の管理者として施設の安全確保に努めてまいります。」とコメントしています。