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日本初、“就労を通じた難民受け入れ”モデル構築へ|NPO法人Mobility for Humanity設立

特定技能制度を活用し、国際人道問題と日本の人材不足を解決するパイロット事業が始動

世界で1億2,320万人を超える人々が紛争や迫害により故郷を追われ、避難生活を余儀なくされています(UNHCR, 2025)。この未曾有の人道危機に対し、特定非営利活動法人Mobility for Humanity(代表理事:山本菜奈、石井宏明、以下「MforH」)は日本初となる民間主導の「難民就労パスウェイ」プロジェクトを始動します。

本プロジェクトでは、アジア最大級の難民キャンプ(バングラデシュ)に暮らすロヒンギャ難民の若者を対象に、特定技能制度を活用した「就労を通じた受け入れ」を官民連携で実施。企業・自治体・市民と協働し、日本社会と難民の双方にとって持続可能な共生モデルを構築していきます。

■グローバルな背景:1億2,320万人の避難者と補完的受け入れの潮流

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、2024年末時点で世界の強制移動者数は1億2,320万人にのぼり、その約73%が低・中所得国に滞在しています。 こうした課題に対し、国際社会は「難民に関するグローバル・コンパクト(Global Compact on Refugees)」を採択し、従来の政府による保護に加え、教育、労働、民間スポンサーシップなどによって難民が安全、かつ法に則った 形で、避難先の国から第三国へ移ることのできる「補完的受け入れ(Complementary Pathways)」の拡充を推進しています。

たとえば、2018年に開始されたカナダのEMPP(エコノミック・モビリティ・パスウェイズ・パイロット)では、就労による受け入れによって1000名近くの難民が再定住。米国でも2023年に官民連携の難民受け入れプログラム(Welcome Corps)が開始されました(トランプ政権により停止)。アジアでも第三国定住の補完的受け入れの拡充が求められています。

■日本の背景:特定技能制度と「働く難民」への道

日本はインドシナ難民の受け入れを契機に、1981年に難民条約に加入、日本へ直接逃れてくる難民の受け入れをはじめました。政府主導での第三国定住により、アジアの難民キャンプ等から難民を受け入れる従来の取り組みに加え、2017年以降は世界の潮流に沿う形で、留学を通じた受け入れなど第三国定住を補完する受け入れも始まっています。

そして今回、日本にまだない「就労を切り口とした難民の補完的受け入れ」の仕組みを新たに創出するにあたり、注目したのが日本の人材不足に対応する「特定技能制度」です。

「特定技能制度」は2019年に創設され、現在では人材不足が深刻な16業種で外国人労働者の受け入れを可能にしています。2024年には家族帯同や無期限での在留期間の更新が可能な「特定技能2号」が介護以外の全業種に拡充され、長期定着の道が開かれました。

厚生労働省(2024)は、2028年までの産業需要等を踏まえ、AI・ロボット等を活用した生産性向上や、高齢者・女性の雇用等を推進する国内人材確保をしたとしても、5年間に82万人の人手不足が発生すると試算しました。 日本国外の難民に対して、適切な選抜・教育を実施し、適正かつ公正な日本への労働移動を実現することができれば、国全体の人手不足の解消に繋がるだけではなく、地方自治体においては、地方自治体の人口増加や納税額増加、地域産業の維持や活性化が期待できます。

MforHは実務家や法務家などの専門家や、官民連携を通じて、特定技能制度の活用による合法的で尊厳のある難民の受け入れと、地域の産業や社会における持続可能で互恵的な社会包摂のモデルを創出します。

■パイロット事業:アジア最大のロヒンギャ難民キャンプの若者たち

バングラデシュ南部のコックスバザールにある難民キャンプには、隣国ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民110万人以上が避難しており、彼らの多くは正規の教育や就労の機会を奪われたまま、「無国籍状態」での生活を余儀なくされています。 しかし、キャンプ内では国際機関や国内外のNGOによって、ミャンマーや英国などのカリキュラムに沿った教育が、ビルマ語や英語によって実施されており、バングラデシュ政府の認証がない中でも、高校相当まで修学できる環境ができつつあります。

また農業や裁縫、機械修理など職業訓練校での実践的なスキル研修や、分析的思考やデジタルリテラシー、チームでのプロジェクトワークなど、英語でソフトスキルを鍛えるプログラムなど多岐にわたる育成機会が、限られた数ですが提供されています。

それらに参加している若者たちは意欲的で、将来のビジョンやなりたい職業などを溌剌と語る姿は夢にあふれています。しかし彼らは口を揃えて「難民キャンプで自分の将来は描けない」と話し、外の機会を求めていました。彼らが、日本で力を発揮することで、地域と産業に新たな風を吹き込むことを目指します。

■プロジェクト概要

本パイロット事業では、難民キャンプで運営されている職業訓練校や英語プログラムから選抜された約30名の若者を対象に、日本語・スキル研修を実施し、2026年に10名の受け入れを開始します。雇用にあたっては「はたらいて、笑おう。」を掲げる日系大手人材会社パーソルホールディングス株式会社の子会社であるPERSOL Global Workforce株式会社と提携し、現地でのロヒンギャ難民最大10名の直接雇用と日本の企業・自治体への派遣を行います。

1. 人材育成・渡航支援

  • 特定技能制度の要件を満たすための日本語学習、分析的思考力や職場での適応力を高めるソフトスキル研修、特定技能試験対策。

  • 技能試験受験のための国内移動のコーディネーション。

  • 提携する日本企業による現地での直接雇用のサポート、バングラデシュと日本の政府機関や国連機関などと調整して国際間移動を支援。

2. 雇用・受け入れ体制構築

  • 特定技能制度による難民人材の受け入れや官民連携での包摂に協力的な自治体と連携。

  • 住居や移動手段確保のサポート、職場全体の異文化受け入れの意識醸成と環境整備形成、地域住民との関係性構築。

  • 地域コンソーシアム(行政・企業・業界団体・市民団体等)の設立と、職場と地域社会での包摂促進。

3. 定着・キャリア支援

  • 就労後の定着サポート、特定技能2号への移行を目指したキャリア伴走、日本語学習支援。

  • 家族統合や子どもの教育も含めた地域コンソーシアムでのサポート・協力体制の構築。

■プロジェクト実施体制

特定非営利活動法人Mobility for Humanity

共同創業者/共同代表 山本菜奈(やまもとなな)

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1994年横浜生まれ。小中高を米日独で過ごす。国際バカロレア(IB)資格取得後、早稲田大学に入学、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)へ留学。在学中、北海道下川町にて産業振興と関係性人口拡大に一年間携わった後、WELgeeの創業に参画。日本にやってきた難民の人たちの「就労」を通じた活躍と社会との価値創造を目指す事業を立ち上げる。難民申請者が企業での雇用を通じて法的地位を安定化させる仕組みを行政書士や弁護士らと確立後、WELgeeの事業全般の開発と運営を統括。2025年4月にWELgeeを新体制に承継し、理事を退任。鎌倉にて日本最大級の難民シェルターを地域密着型で運営する、NPO法人アルペなんみんセンターの理事も務める。

想像を絶する困難を乗り越えてきた人たちの力強さと志に突き動かされ、約10年間、日本にいる難民の人たちの就労や社会での活躍を後押ししてきました。そこで出会った全国の企業や自治体、地域コミュニティにいる想いあふれる人々の存在や、そんな存在と関わり「日本に来てよかった」「この会社に出会えて自分の人生が変わった」「この地域がすごく好き」と話す難民の人たちの声から、難民人材 x 日本で、できることはたくさんあると確信しています。難民キャンプで出会ったロヒンギャの若者たちのあふれるエネルギーと成長欲を活かせる場所が、地球上にまだないのであれば、それをここ日本で創りたい。それも一緒に暮らし働く人たちにとっても豊かな相乗効果をもたらす形で。みなさんからのアイディアや可能性をつなぎあわせながら具現化していけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

共同創業者/共同代表 石井宏明(いしいひろあき)

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豊田自動織機にて勤務後、アメリカ留学を経てNGOへ職員として参画。緊急人道支援の職員として海外の支援に関わるかたわら、1999年の難民支援協会の設立に創設メンバーとして参画。2006年から難民支援協会の職員として参画、東日本大震災の被災者支援にも従事した。その後、2015年ごろからシリア難民を留学生として日本に受け入れる事業の立ち上げに参画、2021年に当該事業を分離し独立した(公財)パスウェイズ・ジャパンに転籍して勤務。この度、就労での受け入れを始めるMobility for Humanityに創設メンバーとして参画し、協働代表に就任。

いよいよ、難民の方々の就労による日本への受け入れがスタートします。この取り組みには、あらゆるキャリアをお持ちの幅広い層の方々にご参加いただけたことに感謝しつつ、さらなる広がりを模索しないと、心に抱いた大きな目標には到達できないと思っています。100万人以上という規模と、解決が難しいと言われているバングラデシュにくらすロヒンギャ難民を最初のターゲットとしてスタートします。特定技能という比較的新しい制度を活用した取り組みによって、公的な学習機会も、正規に就労することもできない彼・彼女らが、日本において人生の希望が持てる状況を整えていきたいと思います。多くの皆さまのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

PERSOL Global Workforce株式会社

代表取締役社長 多田盛弘(ただもりひろ)

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政府開発援助の事業を中心に過去20年間30か国以上で、コンサルタントとして産業開発、人材育成、保健医療、教育など様々な分野での事業経験をもつ。これら事業現場での文化、言語、宗教など異なる背景をもつ多様な人材の活用経験から外国人材とのはたらき方に対する多くの知見を有している。

一言に難民といっても、世界に1億人以上いる彼らはひとりひとりが多様性をもちさまざまな能力、情熱、可能性を秘めています。世界中の難民人材を日本の特定技能という就労パスウェイに乗せるというのは非常に重要で新しい取り組みだと考えています。このチャレンジが世界と日本の課題解決につながることを期待します。

■ 展望:日本からアジアへ広がる民間主導モデル

本パイロットを通じて、4年後には年間100名のロヒンギャの若者を、特定技能制度を活用して、適正かつ公平に日本に受け入れる体制と事業モデルを構築します。地域産業と社会における彼らの活躍と多文化共生が実現するよう、官民連携での協力体制やキャリア伴走の仕組みも実証し、広く日本の外国人労働者の受け入れと包摂にも寄与することを目指します。また同時に難民保護に配慮した人材としての送り出しと受け入れの持続可能な仕組みの確立することで、アジアや世界全体での「就労を通じた補完的受け入れ」の普及にも寄与します。

■自治体・企業・共感者の皆さまへ

アジア最大級のロヒンギャ難民キャンプ(バングラデシュ)に暮らす若者と、日本の地域社会が「ともに働き・くらし・豊かな未来」を目指し、私たちは官民連携による持続可能な共生モデルの構築に挑戦しています。
この取り組みでは、難民の若者を地域の人材として受け入れることで、人手不足・産業継承・多文化共生・まちづくりの課題解決を目指す実証事業の仮設検証をしています。
 
このプロジェクトは、まだ立ち上がったばかりです。だからこそ、「今」関わってくださる皆さまの力が必要です。

  • 外国人材の活用に関心のある地域企業の皆さま

  • 地域産業の担い手育成を模索されている自治体関係者の皆さま

  • 難民人材への日本語研修やキャリア支援に関心のある個人・教育機関・NPOの皆さま 

どんな形でもかまいません。まずは、ぜひお話を聞かせてください。
皆さまの小さな一歩が、大きな共生の未来を拓きます
 
▶ お問い合わせ先:【Mobility for Humanity】お問い合わせフォーム/Inquiry Form

■サポーターとして参画してくださるあなたへ

あなたの寄付が、世界の難民の人たちの生きる道&日本の地域にとっての新たな可能性に、つながります。
分断と不寛容が広がる今だからこそ、人々があらゆる境界線を超えて、ともに未来を切り拓いていける社会を、一緒につくっていきませんか?

▶ 参画はこちらから:寄付で支える

■ Mobility for Humanityについて

あらゆる境界線を越えて、ともに豊かな未来を創造できる世界を目指し、難民キャンプで暮らす若者と、日本の地域・産業がともに未来を切り拓く「難民就労パスウェイ」を創出します。特定技能制度を活用し、就労を通じた国際移動とキャリア形成の道を拓き、誰もが自身の未来を描くことができる社会を目指します。
  
▶ ホームページ:https://mobilityforhumanity.jp/

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