インディー業界への説明責任
ゲームライターのJiniさんが、NEEDY GIRL OVERDOSEのプロデューサー・斉藤大地氏と共に進めていたインディー向けゲームメディア『I.N.T.』について声明を発表しました。
簡潔に内容を述べると、Jiniさんは斉藤大地と共に海外クリエイターへ取材を行って回るゲームメディアを企画しており、彼が何度もメールなどでクリエイターへ直接お願いをして各国飛び回りながら10を越えるストックを準備していたとのこと。この取材のためマレーシアやオーストラリアへ飛んだ際は、自分も同行し、Jiniさんがいかに熱い想いを持ってクリエイターから話を引き出していたかを見ています。
が、4月あたりから、nyalra(自分)とNEEDYプロデューサーとの関係を不審に思い、インディーゲームを背負うメディア・立場の人間がクリエイターへの未払やパワーハラスメントの疑いがある状態で企画を進めることに賛成しないと意思を表明。
ですが、公開の直前となった4月、斉藤氏がプロデュースを行う『NEEDY GIRL OVERDOSE』の企画・シナリオを担当したにゃるら氏によって、「I.N.T.」プロデューサーである斉藤氏がパワーハラスメントに関与したことを想起させるポストがXに投稿されました。
わたしは立場上この問題の真実について判断できなかったものの、当初からインディーゲーム文化への「恩返し」を掲げて「I.N.T.」を作ったこと、そして昨今特にゲーム業界で問題視されているレイオフやハラスメントといった問題を「I.N.T.」が助長しかねないこと、「I.N.T.」の読者を混乱させ取材関係者の方にもご迷惑をおかけすることを鑑み、斉藤氏にはにゃるら氏との係争が解決することを期待して公開を延期、以降はサイトのブラッシュアップに務めました。
ところが問題が解決することはなく、それどころか、2025年8月にはにゃるら氏のポストに加え同じく主要開発者であったとりい氏(kinakobooster氏)によっても、斉藤氏によるパワーハラスメントや給与未払いを指摘するポストが投稿されました。
この時点で、わたしはすでに取り返しがつかないほど問題が深刻化したことを鑑み、改めて「I.N.T.」公開を、当事者間で問題の解決ができるまで延期することを斉藤氏に申し上げました。
しかし、これを聞いた斉藤氏は強く反発し、わたしの意志とは無関係に、日本語版を除いて「I.N.T.」を公開したいという点を強調するようになりました。このため、わたしは弁護士のサポートを受けながらサイトの公開について協議を重ねましたが、斉藤氏の公開する意志を変えるには至らなかったため、最終的に編集長としての立場を辞任することを決断するに至りました。
つまり、Jiniさんは、「インディーゲーム業界のために、きちんと問題を解決してほしい」と何度も訴えていたものの、斉藤氏が一向に問題解決へ向き合う姿勢を見せないどころか強く反発を行ったことで離別に至った次第。
今後も斉藤氏が開発者との問題と向き合うことなく「メディア」を続けることについて、わたし個人は賛同いたしません。また、開発者の方々との問題が解決されることも、引き続き望んでいます。
まず、僕らのためにきちんと問題を提起して頂けたこと、これから解決に向けての声援を贈って頂けたことへ感謝申し上げます。そのうえで、やはりJiniさんがここまで願いを込めたメディアから離脱する決断をせざるを得なかったこと、日本語版でのインタビュー記事が公開されないことで、取材先の彼らの意志が日本へ届かなくなった事態を残念に思います。
実際にページを開くと日本語版が無し。Jiniさんは当然、日本語で先ず原稿を書いているわけで、わざわざ原文を表示しない理由はなく、WSS公式アカウントからもアナウンス無し。プロデューサーのアカウントは相変わらずすべてのツイートが削除されて沈黙中。
Jiniさんは本記事の取材に取り付けるため何ヶ月も、それこそ三顧の礼のように取材先へ連絡を送り、バルダーズゲート3なる「やりたいと思った行動はすべて行えるTRPGそのものな大作」に懸けた製作陣たちの想いを届ける使命を背負う。
が、日本語版は投稿されず、告知も無し。
わざわざ「日本のインディーコミュニティ」へ拡がらないように対策したと邪推してしまう公開範囲限定の意図は、NEEDYとの係争へ誠実に対応した跡が見えず、インタビュー内で本人が話すような「インディー業界やクリエイターを思っての意志」と矛盾して荒れることを危惧しているように感じます。
Jiniさんの仰るとおり、「まずは現在周囲で起きている問題を解決する姿勢」を表明していたなら、このような結果にならなかったと想像しますと、間接的にご迷惑をおかけしてしまったことが心苦しい。何度かSNSでファンへ説明している通り、現在WSSからは、クリエイターが安心して活動できるため、弁護士を通じて今までの契約面や支払額計算の根拠の開示をお願いしていますが、誠実な返答を頂けておりません。
WSSでは現在でもゲーム製作中のメンバーも居ますし、NEEDYのグッズ班も稼働中ですので(原作の問題を放置してどうなんだとも思いますが)、まずはスタッフやファンコミュニティにも安心してもらうため、仮に訴えを否定するにしても説明責任があるように思えます。現在製作中のスタッフの心中を察すると居た堪れません。
INDIE Live Expoが11月29日に決定、キービジュアルは『グノーシア』のことり氏が担当https://t.co/nfGH8s0agg
— ファミ通.com (@famitsu) September 3, 2025
100以上のインディーゲームが集まるお祭りイベント。司会に岸大河さんが起用され、わいわいさん、のばまんさん、やみえんさんも引き続き登場。出展タイトルのエントリーも始まった。 pic.twitter.com/1wCUo9kzdm
今まで司会として参加していたINDIE Live Expoからも、今回から外れているようですし、このまま沈黙を続けることで周囲やインディー業界へ不信感を募らせる結果になることは僕としても望む未来でありません。
NEEDY立ち上げ・完成までのプロデュースや資金面の調達などには十分に感謝しております。できれば、「NEEDYを全員で作った」と僕らの努力も認めた形で作品を掲げてくれたらと原作・総監修として願います。ふたたびインターネット・エンジェルが自由奔放に駆け回る姿を、見たい。
※補足
現代アート×インディーゲームの企画展シリーズ「ars●bit」の参加メンバーとして、斉藤氏の名前が確認されました。こちらもアナウンスはありません。
といっても、Instagram内では発表されているものの、サイトを確認したら姿形は確認できなかったのですが。
こちらのプロジェクトは文化庁から助成金を受けており、去年の斉藤氏も本プロジェクトから支援金を受け取ると話をしておりました。そのためにnyalraの名前を出していいかと持ちかけられたことを記憶しています。
文化庁サイト内には、
文化庁令和5年度補正予算において措置された補助金により、クリエイター・アーティスト等の育成及び文化施設の高付加価値化のために行う事業を実施するため、独立行政法人日本芸術文化振興会に文化芸術活動基盤強化基金が設立されました。
本基金を活用して「クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業」 を実施し、次代を担うクリエイター・アーティスト等の挑戦・育成を支援するとともに、その活躍・発信の場である文化施設の機能強化について、弾力的かつ複数年度にわたって支援を行います。
と記載されており、「クリエイターやアーティストの育成役」として参加しているのであれば、Jiniさんと同じく自分としましても、まずは元スタッフたちとの問題を解決する・または自体を進展させる姿勢と向き合ってもらいたい。とはいえ、サイトからだと一人だけ掲載されていないため、既になんらかの対応があったのかもしれません。
日本語版を削除してでも海外向けメディアを強行した事実と、こちらの支援金は関係するのでしょうか? どちらにせよ、グノーシアを初め続々とアニメ化の波も訪れ、インディーゲームが世に羽ばたいていく今だからこそ、インディーゲームの顔役としての見解を示していただきたく存じます。
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