初めまして、國分剛士です。サラリーマン時代から副業で不動産投資やシェアハウス、レンタルスペースの運営を行っており、2014年から民泊を始めました。去年までに合計70室ほどの民泊を立ち上げ、一部を売却しました。
現在の年間の民泊事業での売り上げは約2億円で、他にも約300名が参加する民泊オンライサロンを主催したり、セミナーで講師をしたり、コンサルティングを行ったりしています。
今日から4話に渡り、不動産投資家の皆様に向けた「民泊ビジネス」の面白さや、注意点についてお伝えできればと思います。
■民泊ビジネスとの出会い
私が民泊ビジネスを始めたのは、民泊予約サイト「Airbnb」が日本に上陸した2014年頃です。当時、豊島区の雑司が谷に自宅用に購入した3LDKのマンションを持っていました。
ある日、海外から来た友人に「日本はホテルしか泊まるところがないからすごく不便だ」と言われ、海外のゲストの拠点になるようなところを作りたいと考えるようになりました。そのタイミングで、「Airbnb」(民泊専門の宿泊予約サイト)に出会ったのです。
自宅の1部屋を登録することに決め、早速Airbnbに登録してみると、想定を超える予約が入って驚きました。最初は3LDKの1部屋を民泊用に使っていましたが、残りの2部屋も使うようになり、家にはいつも旅行者がいるような状況になりました。
もっと規模を大きくしたいと思い物件を探していると、江東区でほぼ土地値の中古ビルを見つけました。
不動産屋さんには、「見ても無駄足になっちゃいますよ!ボロボロで修繕費が高すぎるので、内見は多いけど決まらないんです」と止められましたが、気にせず内見に向かいました。
それまでに不動産投資の経験があったので、「自分なら再生出来るかもしれない」と思ったのです。
この時、たまたま知り合った、「家主と一緒に家をリノベーションする」というコンセプトの工務店さんと現地を見に行き、これは直しがいがありますね、と即決しました。
購入した都内の古ビル
仕事帰りや、休日に自分で漆喰を塗ったり、フローリングを貼ったり、半年ほど準備して無事にオープン。
当時はサラリーマンだったので、自分が不在のときにも円滑に運営できるよう、鍵の受け渡し方法やリネンの取り扱いなど、試行錯誤を繰り返し、売り上げの増加を目指しました。
■民泊サロンminkaとの出会い、賃貸物件での民泊事業の展開
最初のうちは他に民泊をしている人を知らなかったのですが、民泊を始めて2~3年経った2016年頃、友人の紹介で民泊をやっている人のグループの存在を知りました。
それが今私が主催している、民泊オンラインサロンminkaの走りとなります。サロンに入って初めて「賃貸物件で民泊が出来る」ことを知りました。
資金の関係で次の物件を買えず、部屋数を増やせずにいたので、「これだ!」と光が差すような感じでした。そこからは転貸物件を中心に、一気に部屋数を増やしていきました。
10室ぐらいまでは一人で管理していましたが、メッセージ対応など手が回らない部分が出てきたので人を雇うようになり、最終的に50室近くまで増やしました。その会社は去年売却して(株の譲渡)、大きな利益を得ました。
また、2024年から別の会社でも20室ほどオープンしました。これまでに、延べ70軒ほどの民泊を立ち上げたことになります。
冒頭で書いたように、現在はこの経験を活かし、民泊の立ち上げ・運営のコンサルやセミナー講師をすることも増えています。
■民泊事業の概要
ここからは不動産投資家が民泊事業を始めるべき理由を、大きく2つに分けて紹介したいと思います。わかりやすく、不動産投資と民泊事業を比較しながらお伝えします。
その前に、「そもそも民泊って何?どんな事業なの?」という方もいらっしゃると思いますので、民泊事業の概要から触れていきます。
民泊とは何でしょうか?「民泊」についての法令上の明確な定義はありません。一般的には、住宅(戸建住宅やマンションなどの共同住宅等)の全部または一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供する事業のことを指します。
不動産投資家の間でも、賃貸物件より利回りが高いということで、スタートする人が増えています。
民泊というと180日しか営業できないイメージを持っている方が多いと思いますが、正確ではありません。実際には、「民泊」には2種類の運営形態があります。
1つめは「民泊新法」に則った運営形態。こちらは年間の営業日数が180日以内に制限されています。
旅館営業が認められていない住居専用地域での営業が可能な点や、自治体に「届出」を出すことにより比較的緩めの規制の中で運営することができることがメリットです。
2つめは「旅館業」としての運営形態。安全と衛生を確保するために比較的厳しい条件の元に、自治体から「営業許可」をもらわなければなりません。
メリットは、営業日数に制限はなく、年間365日営業可能なので売上を最大化できる点です。
例外として、特区(国家戦略特別区域法)に指定されている一部の地域(東京の大田区、大阪市など)では、旅館業よりも緩和された条件で365日の営業が可能です。ただし2泊3日以上の宿泊しか受け入れられないなど若干の制限がつきます。
いずれも、 条件を満たしていれば個人でも申請することが可能です。これからの話はより多くの売上・利益を得やすい「旅館業」を前提に進めていきます。
■民泊なら利回り20%~30%も難しくない
先日お会いした不動産投資家の方に、新築したアパートの利回りが約6.5%だったと聞きました。その場合、1億円の借金に対して家賃が年間650万円。返済や管理費、固定資産税などを踏まえると手残りが年間100万円くらいという感覚だと思います。
これは、民泊なら1Rのアパート一室でも十分に可能な利益です。例えば、私の知っている三軒茶屋にある一室35平米、家賃7万のアパート。水道光熱費やその他費用含めても経費は10万円くらいなのに対して、売上は40〜50万円ほど。毎月20〜30万、年間だと200〜300万円が手元に残る計算です。
民泊なら、利回り20%~30%も珍しくありません(もちろんやり方を間違えないことが重要ですが)。同じ利益を不動産投資で出そうとすれば、2〜3億円の借金をしないといけないのではないでしょうか?
■出口戦略とリスク
収益物件は新築時よりも家賃が下がることが多く、建物の修繕や空室などのリスクもあります。そのため、築年数が古くなるにつれキャッシュフローは減っていきます。正直、民泊メインでやってきた自分から見ると、リスクが高く、リターンは少ないという印象です。
私なら、普通にアパートやマンションを買って貸すのではなく、民泊可能な物件を買います。そして、自分で民泊を行うか、普通に賃貸で貸すよりも高い家賃で民泊可能物件として貸し出します。その場合、借主は宿泊者のために自主的に建物を綺麗にメンテナンスしてくれるはずです。
民泊事業の倒産率は現在1割ほどですので、退去率は少なく、空室リスクも低いと考えられます。また、大きなメリットとして、「事業譲渡」という出口戦略を取ることで、多額のキャピタルゲインが狙えることがあります。
「民泊物件だと融資が付かないから、出口が不安」と言う方がいます。しかし、私の経験では不動産投資家さんだけではなく、新しい事業を始めたい法人や海外の方からも問い合わせが結構入りますので、売却のハードルはそこまで高くないと感じています。
私自身、民泊事業を単体で、あるいは50軒の民泊を運営していた法人という形で売却した経験があります。民泊は利回りが高いので、数年で初期費用の大部分を回収できることが大半です。そこに加えて、1軒あたり1,000万、2,000万という金額で事業譲渡することができました。
ここまで民泊物件を購入・運営することのメリットばかり書きました。もちろん、デメリットもあります。例えば、コロナのような事態がまた起れば、一気に市場が冷え込むということです。皆さんも気になると思いますので、リスク対策については、最終回で触れていきます。
さて、次回2話目のテーマは、民泊の人気エリアと不人気エリア、民泊向け物件の仕入れや転貸の相場等について紹介します。初心者の方は特に興味のある分野だと思います。ご注目下さい。