起業家

2025.09.05 14:15

クラゲならヨシダと世界が認知。日本人クラゲ1万匹養殖家、武器は「高参入障壁」

香港在住の日本人起業家・吉田俊広氏

「クラゲならヨシダ」へ

コロナ禍が独立に踏み出す引き金になった。パンデミックで世界中の水族館が一斉に閉鎖し、吉田氏のクラゲ販売は売上ゼロに。逆に巣ごもり需要で水槽販売が好調になったパートナーたちは、日本人パートナーの独立を引き止めようとはしなくなったのだ。

「今しかない」──吉田氏は動いた。5年分の未払い給与をまとめて受け取り、その資金で養殖施設を買いとった。コロナで売り上げゼロという最悪のタイミングを「チャンス」と捉え、腹をくくった。

2021年2月、クラゲ養殖と販売に特化した「Exotic Aquaculture」を個人事業として立ち上げ、事業をスタート。独立前から、心の中には「もし自分ひとりでやれたらこうする」という戦略が蓄積されていたからこそ、準備は万端だった。

 「共同経営の7年間で、意見のぶつかり合いから商売の基本を学べました。それが今に生きています」

とはいえ、独立1年目の収益はほぼゼロ。しかし、これまで築いてきた世界中の水族館とのネットワークがあった。2年目にはコロナも落ち着き、水族館の再開とともに注文が戻り始める。業界内で「クラゲならヨシダ」という口コミが広がり、2024年には大型注文も入り売上が1億円を突破。現在は、世界50以上の水族館と取引を行っている。

クラゲの飼育には水質管理や温度、餌の調整など手間もコストもかかる。しかし、繁殖するクラゲの数が増えても固定費は大きく変わらないため、安定した需要さえあれば非常に利益率が高い。

「コスパは実は、かなり良いんです」

そう語る一方、現在もっとも大きな課題は輸送コストの高さだ。特に香港発の場合、周辺国からの輸送に比べて3倍以上のコストがかかるという。

「例えば、フィリピンから香港までは1キロ3米ドル。でも香港から出すと1キロ10米ドル。アメリカやヨーロッパなどの遠距離輸送だと採算が合いません」

現在はこの問題を解決すべく、アジアの別の国に養殖拠点を作る計画を進めている。

また、クラゲ養殖において重要な「ポリプ」の更新にも取り組んでいる。ポリプとはクラゲの原型で、年数が経つと劣化してしまう。吉田氏が保持しているポリプの中には10年以上飼育されている種類もいるが、より健康なクラゲを生み出すため、新たなポリプの発掘が必要だという。

「今は社員が4人いて、現場を任せられるようになり、やっと次のステップに向けた時間が取れるようになりました。自分の足で世界の水族館を回って、新しいポリプの探索や交渉をしていきたいです」

クラゲという特殊で飼育が難しい生き物を扱うからこそ、参入障壁は高い。これこそが吉田氏の最大の武器になっている。

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取材・構成=堀江知子 編集=石井節子

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2025.03.01 14:15

3大陸36.9万円、ファーストクラスも夢じゃない「世界一周航空券」とは

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「世界一周航空券」をご存じだろうか。世界中の航空会社間の連合組織、航空アライアンス(航空連合)の空港圏内で、くるりと世界一周するようにルートを組むことができ、ワンセットで購入すると格安で飛行機に乗ることが可能なチケットのことだ。例えば世界規模の航空連合のひとつ、「ワンワールド」の世界一周航空券の場合、JAL、ブリティッシュエアウェイズ、アメリカン航空などを乗り継ぐことができる。

本稿では、そんな世界一周チケットの魅力について、1級フィナンシャル・プランニング技能士であり、『やってはいけない「ひとりマンション」の買い方』(青春新書)や『マンガでカンタン!NISA・iDeCoは7日間でわかります。』(Gakken)など約30冊の書籍を手がける風呂内亜矢氏が、パートナーとの体験・知見を共有してくれた。なお、世界一周航空券を使った旅の様子はYouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」でも公開されている。


世界一周旅行を専門とする旅行会社も


私たち夫婦は2023年5月16日(火)から7月8日(土)の54日間、「世界一周航空券」を使って約2カ月の旅行に出かけました。

世界一周航空券とは、航空会社の連合組織単位で発券している航空券のことで、連合組織内の航空会社を複数組み合わせて世界をぐるっと一周する組み合わせをワンパックで購入する航空券のことです。普段、航空チケットを手配する際、直行便より乗り継ぎ便が安いことがありますが、その発展版でぐるっと世界一周する形で購入すると、格安に飛行機に乗れるというものをイメージしていただくと良いと思います。

大西洋と太平洋を1回ずつ横断すること、大陸レベルでの逆走はできないこと、ある大陸での途中下車は3回までなど、選択する世界一周航空券の種類によるルールや細かな違いがありますが、ルールに則った航路を組み合わせることができれば、かなりお得に飛行機に乗ることができます。

世界一周航空券については世界一周旅行を専門とする旅行会社「世界一周堂」のサイトや、いくつか特化した書籍がでているため、それらも併用してみていただく方が良いかも知れません。

日本に住んでいる人の一般的な選択肢としては、JALが所属するワンワールドの世界一周航空券か、ANAが所属するスターアライアンスの世界一周航空券の大きく2択になります。デルタ航空などが所属するスカイチームも以前は世界一周航空券を発行していましたが、現在は販売していないようです。

世界一周航空券自身は新しい商品ではなく、私も20年くらい前に知人が利用したこともあり、その存在を知っていました。人によってはいったん中断して帰国して、また別のタイミングで続きの旅を楽しむという人もいるそうです。このチケットは1年以内に戻ってくる行程を組まないといけないため、例えば、夏休みに東京からアジア諸国を周遊して、いったん帰国(この時の帰国便と中断したアジアの都市に戻る便は別途手配)。年末年始のお休みで中断したアジアの都市に戻って、ヨーロッパ、アメリカと巡って帰国するという形などで利用する人もいるようです。

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マックス16回乗れる、空旅の新常識「世界一周航空券」

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文=風呂内亜矢 編集=石井節子

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