辺野古移設 国が新たな工法で軟弱地盤強化のくい打ち作業開始
アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事で、国が新たな工法で軟弱地盤を強化するためのくい打ち作業を始めました。
この工法で、最も深い地点でおよそ90メートルにおよぶ軟弱地盤を強化する計画です。
沖縄防衛局によりますと、国は、15日午後3時ごろ、軟弱地盤がある大浦湾側の海域で、海底に打ち込んだ筒に流し込んだ砂を締め固めて密度の高い砂くいをつくる「サンドコンパクションパイル工法」で、地盤を強化するためのくい打ち作業を始めました。
普天間基地の名護市辺野古への移設で、「サンドコンパクションパイル工法」によるくい打ち作業が行われるのは初めてで、今後、この工法で、最も深い地点でおよそ90メートルにおよぶ軟弱地盤を強化する計画です。
大浦湾側では、軟弱地盤が見つかったため、国が申請した設計変更を、県が調査が不十分であることなどを理由に承認しなかったことから、国が代わりに承認する代執行を行い、去年1月から工事を行っています。
国はおよそ7万1000本のくいを打ち込む計画で、およそ90メートルの最も深い軟弱地盤については、およそ70メートルまで工事を行うことで、安定性を十分に確保できるとしています。
一方、県は、調査が不十分のため「強度が保たれるか疑問だ」としているほか、専門家も、工期や費用が拡大する可能性があると懸念を示しています。
【サンドコンパクションパイル工法とは】
大浦湾側の軟弱地盤について、国は3つの工法でおよそ7万1000本のくいを打ち込むことで地盤を強化する計画です。
このうち、15日から始められた「サンドコンパクションパイル工法」は、パイプを海底に打ち込んで砂を投入したあと、上下に振動させながら繰り返し砂を打ち込み、締め固めた砂くいを作るものです。
国内で工事が実施されたことがない、およそ90メートルにおよぶ深さの「B27」という地点の軟弱地盤を、この工法で強化する計画です。
この地点について、国はおよそ70メートルの深さまで工事を行うことで、安定性を十分に確保できるとしていますが、詳細なボーリング調査や強度を測る試験を行っておらず、ほかの地点での結果を基に強度を推定し、深さ90メートル付近の粘土層は「非常に硬い」と説明しています。
一方、県は調査が不十分のため「強度が保たれるか疑問だ」としています。
この工事について地盤工学が専門の日本大学理工学部の鎌尾彰司准教授は「未改良の部分を残して施工することは多々あるが、そのときは未改良部分の土の性質をしっかり調べないといけない。地盤沈下の量が計画より非常に大きくなる可能性は高いと思うし、埋め立て土砂も非常に多くなることが考えられる」と指摘していて、工期や費用が拡大する可能性があると懸念を示しています。