その愛は、まだ名もないままに―― 藤井風《Love Like This》の構造と思索(後編)
※本稿は《Love Like This》後半歌詞と、その構造・心理的側面・《grace》との進化的対比をもとに、私自身の感覚と重ねながら綴った記録の続編です。
前編では、《Love Like This》前半の歌詞に込められた「静かに落ちていく愛」の手触りを見てきました。
しかし、この曲が真にユニークなのは、前曲《grace》との間にある**“愛の構造の切り替え”**にあります。
初めて《Love Like This》を聴いたとき、私は音の隙間に漂う空気に包まれる感覚を覚えました。
やわらかなピアノの余韻が、まるで朝の光がカーテン越しに滲み込むように、ゆっくりと心に入り込んでくる。
その中で藤井風の声が「Feeling…」と響くと、時間が少しだけ緩む。
この一瞬で、聴く側の呼吸も曲のテンポに同化してしまう――そんな体験でした。
《grace》──「救われたい」と願う愛
《grace》で描かれたのは、光を待ち、救いを求める受け手としての愛です。
その象徴的な一節がこちらです。
助けて神様 私の中にいるなら 二度とこの場所を離れないで
ここには、愛や救いを“上から降ってくるもの”として待つ姿があります。
そして、救いが訪れた瞬間の安堵と喜びをこう歌います。
あたしに会えて良かった やっと自由になった 涙も輝き始めた
これらのフレーズからは、救われることへの切実な願いと、それが叶ったときの解放感がストレートに伝わってきます。
《Love Like This》への移行──「歩く愛」への変化
《Love Like This》では、この“待つ愛”から“歩く愛”へと移行していきます。
曲の中盤で訪れる Now I am Falling softly colliding には、
自ら境界を越えて交わる瞬間が描かれています。
愛はもはや上から降ってくるものではなく、共にあるために自分から歩み寄るものへ変わるのです。
あなたは今、愛の中で立ち尽くしていますか?
それとも、すでに一歩を踏み出しているでしょうか。
※この先は有料(100円)です。内容に満足いただけなかった場合は返金対応します。安心して読み進めてください。
(後半では、《Love Like This》後半歌詞の詳細分析と、自分の物語にマッピングする「愛の進化フレーム」をお届けします)
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