2025-09-15

死の感覚について

五年前、バイクで派手に事故ったらしい。

らしい、というのは当時のことをよく覚えていないからだ。

気が付いたら病院のベッドに居た。時間が本当に飛んだ感じで、間の記憶が途切れている。

はずだった。

最近、何故かよく夢に見るようになった。

事故を起こした当時のことを。そして事故を起こした瞬間のことを。

スリップ事故だった。

後ろの車が車間を狭め、僅かに寄せてきたとき

めんどくせぇなって思って、少し前に、車体を中央に寄せようとしたときだった。

雨で地面が濡れていて急にコントロールが効かなくなる。瞬時の焦り。思い切りブレーキをかけてしまったのは夢の中だからなのか現実での出来事なのか、分からない。

気付けば宙を舞っていた。叩きつけられ呼吸が苦しい。音が遠のいていく。目に入る大雨。その雨に濡れる感触がない。

その時の感覚自分身体が、周りに溶けていくような感覚だった。水が土に降り注ぐ絵が、まるで走馬灯のように目の前に浮かんだ。

溶ける。それが一番感じられた感覚だった。

自分世界との境界線曖昧になっていくような。それは水が土に沁み込み溶け込んでいくことに似ていた。

死は意識を失うことでもなく、暗闇に包まれることでもない。

世界に溶けていくこと。自分世界になるような感覚

夢の中で俺は何度か事故体験し、その都度俺は夢の中で死んだ。

死の感覚について。

正しいとは言えないだろうが、死の感覚とは”溶ける”ではないかと思っている。

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