今宮健太は「二刀流」で甲子園を沸かせた 「打倒・菊池雄星」に闘志を燃やし高校通算62本塁打・最速154キロ
この2008年秋は背番号1を背負い、6試合34回2/3を投げて防御率1.30と成長を印象づけた。「投げることはもちろん、打つほうでも自分がチームを引っ張るつもり」と、打っても公式戦の打率.396、練習試合を合わせれば9本塁打と、投打で存在感を増していた。 そして、2度目の甲子園となる2009年の選抜は、1年前と違って背番号5で三塁を守り、打順も3番。下妻二(茨城)との初戦は、初回のタイムリーを含む3安打し、投げても9回に救援登板すると、最速149キロをマークしてアウト3つを三振で奪い、見事な"抑え"役を果たした。だが、2回戦で花巻東・菊池に敗れたのは先述のとおりだ。 投手としての才能も非凡ながら、今宮はこの頃から、野手としての将来を視野に入れ始めたのではないか。菊池という超一流の才能と対戦したことで、自分の限界を悟ったのかもしれない。今宮は当時、こんなふうに語っていた。 「選抜のあとは、野手としての練習が多くなりました。だから、人一倍練習してきたという自負はあります」 【大分大会で3打席連続本塁打の離れ業】 あるいは選抜以後、内角が今宮の弱点と見て取った相手投手は当然、そこを攻めてくる。それを克服するために、「菊池くんに打ち取られたVTRを繰り返し見て」、マウンドより近い距離から思い切り内角に投げ込まれる球を、繰り返し打ってきた。それらの日々が実ったか、7月の練習試合では、清峰の今村からホームランを放っている。 「今村くんから打てたあの1本は大きい。左手をうまく使えるようになりました」と、迎えた2009年夏の大分大会では、日田との初戦で3打席連続ホームランの離れ業。いずれも、苦手だった内角をはじき返してのものだ。 その夏の大分大会5試合での遊撃手・今宮は無失策、3番として打率5割、3本塁打、8」打点を記録した。投手としても、楊志館との準々決勝を完封、日田林工との決勝を1失点完投している。だが、投球回は19。もうひとりのエース格が17回1/3だから、二刀流との決別が近づいていたのかもしれない。