中学生自殺 いじめ重大事態で第三者委の専門部会初会合 大阪
大阪市内の中学3年の男子生徒がことし6月に自殺したことについて、市教育委員会は第三者委員会でいじめの有無や自殺との因果関係などについて詳しい調査を進めることになり、8日、初会合が開かれました。
ことし6月、大阪市内の中学校に通っていた中学3年の男子生徒が自殺し、大阪市教育委員会は背景に学校でのいじめなどが疑われるとして、いじめの「重大事態」と判断し、第三者委員会で詳しい調査を進めることを決めました。
8日はその専門部会の初会合が開かれ、5人の委員が亡くなった生徒に全員で黙とうをささげたうえで、部会長を務める清水周 弁護士が「お亡くなりになられたお子さんに何があったのか専門的な見地から調べそれについて結論を出していく」と述べました。
会合はこのあと非公開で行われましたが、市教育委員会や遺族によりますと今年4月以降▽同級生が男子生徒をからかう発言が複数回あったほか、▽同級生との小石をなげあうなどのけんかのあと、土下座した男子生徒の頭に相手の生徒が足を乗せるなどの行為があったということです。
また、▽保護者から学校側に「男子生徒が教員に胸ぐらをつかまれた」という訴えもあったということです。
第三者委員会は、関係者への聞き取りなどを通じて確認された行為などがいじめに該当するかや教員の指導が適切だったか、それに自殺との因果関係などについて詳しく調べることにしています。
【男子生徒の両親「優しい子だった」】
両親によりますと、亡くなった男子生徒は軽度の発達障害がありましたが通常の学級に通っていて、家族思いの優しい子だったということです。
男子生徒が毎年書いていた七夕の短冊には「おじいちゃんの手術が無事成功しますように」などの言葉もつづられていました。
男子生徒について父親は「よく手伝ってくれてお茶わんを出したり洗濯物を手伝ってくれてすごくかわいい子でした」と語り、母親は「私が元気がないときは元気をわけてくれて優しい息子でした。死んだということはまだ実感がなくて認めたくない」と話していました。
しかし、亡くなる数日前に学校で書いたという短冊には『早く生き地獄から解放されますように』とつづられていました。
両親が短冊の存在を知ったのは男子生徒が亡くなったあとで学校から写真のコピーを渡されました。
最初は「死にたい」と書こうとしたところを先生が止めて書き直したものだと説明を受けたということです。
書いた短冊は学校に一時、掲示されていましたが、学校側が生徒の了解を得たうえで外しシュレッダーにかけて廃棄していたということです。
両親は「『死にたい』とか『生き地獄』と書いた短冊は七夕の願い事ではなく息子のSOSだったと思う。なぜもっと早く教えてもらえなかったのか」と話していて、どうすれば息子の命を助けることができたのか知りたいと訴えています。