岩国市の収賄事件 元職員に懲役5年の判決 山口地裁岩国支部
岩国市が発注した道路工事の入札で予定価格を漏らした見返りに金銭を受け取ったとして収賄などの罪に問われている市の元職員に対し、山口地方裁判所岩国支部は「公共工事の入札の公正さや社会の信頼を損ねる犯行だ」などとして懲役5年の判決を言い渡しました。
岩国市の元職員羽倉孝知被告(59)は、おととし、市が発注した道路工事の競争入札で予定価格を土木会社の元役員に漏らし、受注の見返りに交際相手の旅行代金およそ12万円を受け取ったとして、収賄と官製談合防止法違反の罪に問われています。
また去年、知人女性に性的暴行やわいせつな行為をした罪にも問われています。
11日の判決で、山口地方裁判所岩国支部の小川暁裁判長は、収賄と官製談合防止法違反の罪については「一連の取り計らいに対する謝礼として利益供与を受けていて、いきさつに酌量の余地はない。公共工事の入札の公正さや社会の信頼を損ねる犯行だ」と指摘しました。
また、性的暴行などの罪については、「上司の立場であることに乗じるなどしており、被害者の人格をかえりみない悪質かつ卑劣な犯行だ」などとして懲役5年、追徴金およそ12万円の判決を言い渡しました。